
私の中では、南蛮文化やザビエルなどの安土桃山時代ってさーっと流した時代。
そこを中心に据えた展覧会「南蛮美術の光と影」@サントリー美術館
なかなか珍しい着眼点だと思いながら出かける。
さすが、サントリー美術館。
毎回、満足いく内容だけれど、
今回も期待以上のとても面白い企画の展覧会でした~
まずは、南蛮人たちと当時の日本人との交流の様子を南蛮絵といわれる屏風絵に見て、
イエズス会のマークの構成をしみじみ理解し、
禁教令で迫害にあったキリスタンたちの災難などをより深く知ることが出来ました。
そして、教科書でよーく見ていたザビエルのあの絵の原画には感動し、
踏み絵を間近で見、隠れて信仰していた証拠品の数々に、またまた私の受験用知識が肉付けされていきました。
今回の目玉はサントリー美術館と神戸市立博物館がそれぞれ所蔵する泰西王侯騎馬図。
イエズス会がキリスト教を認めてもらうように、大名に贈ったのではという、
秘密の多い屏風絵だそうですが、今回、科学的な調査が行われたそうで、その様子をじっくり紹介していました。
科学を駆使しての調査では下絵の線や書き込まれた文字を読み取り、
さらに金箔の純度と厚さ、金箔の下層に塗られた下塗りの顔料成分などがわかったそうで、それらから、いろんな推察が出来るようです。
例えば、一対の屏風と考えられてきたのがそうでもないのではとか、金箔地の組成が異なると言うことは、同じ工房での制作でないのかもしれないとか、金箔地だけを別々の場所で拵え、それから同じ工房で制作を開始したのかもしれないなどなど。
まだまだ謎は深まるばかり。
面白そうだわ~
地味なテーマですが、お勧めです♪