定刻10分前に登堂。すでにに仲間1名と老師が着座されている。
「ゴーン」6時の梵鐘は坊守(老師婦人)が撞かれている様子、
心なしか弱弱しいが、読経だけは禅堂迄届いている。
着座して10分「毎度申し上げている事ですが・・」から
座中のお話が始まった。
道元禅師様おすすめの坐禅は、足を組み背すじを伸ばし、口は閉じ
舌を下あごに付ける、口をしっかり結び、耳は肩まで下す線に整える、
目はきっちり開き、つぶらない、
そして静かに意識して呼吸をする、
吸うのは短く素早く、吸い込んだ空気は下腹迄、
吐くのは細くゆっくりと出す。
これで身を構え、呼吸をととのえたのですが、
意識として、このことを点検する。
手は法界定印、右手のひらの上に、左手のひらを乗せ両親指を支えあう、
意識は、一息づつこの点検を繰り返す。
ここで大あくびを2~3度、
口をしっかり閉じ閉じ「兀々として坐定して」静かな世界
すなわち「禅定」に入っていく、
おすすめは、この禅定により深く入りこむことです。
(4月おしゃか様の花まつりの設え)
今、人間としての他人の中の私をはっきり感じるのです。
禅定の世界では、
現在の俗世界の私とを比較して、
「それが普通の生活だと思いこんでいるが」
そうではない、
というのがお釈迦様の教えです。
人間は、他の生き物とささえあい、共生する世界です、
このことを今一度見直しなさい。
そんな私を生き続けさせてくれている世界、
生かされている命があることに目覚めなさい。
未完成な私をみがきつつ、今の私を意識して生き続けること
を喜びとして生きていきましょう。
「世間こけ」生き物はすべてうその塊だと断言した、聖徳太子が闊歩された。
そんな世界に生かされている私を喜べるのを、さとしてくださった。
そんな見方は、禅定の世界からの見方です。
本来の姿に気づき、目覚めそして生き続け、命の営みを喜び、
日常を楽しんでください、と諭された。
「身を整え、心を整え、意識を整え、己の姿を見直す」
のも坐禅の効用でしょう。
と、結ばれた(老師)、今しばらく静かに座り続けてください。
そして鐘1つは1炷(40分)の終わり。
坐後のお茶をいただいての話題は、
年寄の病ばかりとは少し寂しいことでした。