レッドガイドはホテルとレストランのリストです。信頼して宿泊できるホテルが、その設備とともにランクづけして記されています。ホテルの等級は建物のファサードの形で表され、5つのランクに分類してあります。ミシュランのランクづけがそのままホテルのランクになっているわけではないのでしょうが、ヨーロッパでは星のマークをファサードに配したホテルをよく見かけます。ミシュランによってつけられたランクは低くても、ミシュランのレッドガイドに載るぐらいのホテルならぼられる心配なく安心して宿泊できます。レッドガイドには最低宿泊料が明記されています。
私がポルトガルの大学町コインブラで泊まったホテルはたしか2つ星の小さなホテルで、一泊2000円台でしたが、簡素ながら清潔な部屋でした。駅から近かったので直接ホテルへ行き、「今夜泊まれますか」とたずね、部屋を見せてもらい、即決しました。ミシュランのレッドガイドは安心感を提供してくれます。どこへ行っても駅に着いたらレッドガイドをみてリーズナブルな料金のホテルを探し出し、公衆電話から電話します。電話にでた人に「今夜泊まれますか」というだけでした。それが私のホテル探しのスタイルになっていました。
さすがに今は電話で話すのがおっくうになり、日本で宿泊先を予約してから出かけるようになっていますが、以前は日本で予約するホテルは最初の1泊分だけと決めていました。私にとってレッドガイドはホテル探しの必需品でした。
レッドガイドではレストランも5つにランク分けされています。ナイフとフォークを十字に組み合わせたマークを5つ並べたものが最高ランクです。マークが4つ、3つとへるにつれてランクが落ちます。しかしレッドガイドに載らない店がほかにたくさんあるのですから、レッドガイドに載っていれば最下級のマークひとつの店でも「安心して食べられる店」を意味しているはずです。
日本でよく三つ星レストランとか三つ星シェフとかいうのはミシュランのレッドガイドの第5ランクを意味しているのでしょうか。少なくとも私がもっているレッドガイドではナイフとフォークの組み合わせをマークにしていて★印ではありませんし、ランクは3つでなく5つに分かれています。いまのランクづけシステムがむかしのものと変わったのかもしれません。
レッドガイドには町ごとに地図が載せられ、おもなホテルやレストランが紹介されています。町ごとの地図はとても便利で、旅行するあてがなくても調べものをするために使うことがあり、あちこちの国のレッドガイドを集めました。書棚には10冊近くが並んでいます。いまはインターネットで簡単に町の地図が見られるようになりましたから、調べもののためにレッドガイドを買いそろえる必要はなくなりました。
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