テヘランで行われているサッカーのU16(16歳以下)アジア選手権は27日(現地時間)、グループリーグ第3戦が行われ、C組の韓国はサウジアラビアを1-0で下し、グループリーグを3戦全勝の1位で終えた。韓国はすでに日本と北朝鮮に勝って準々決勝進出を決めている。チェ・ムンシク監督率いる韓国はこの日、後半17分にチョン・フンウ(梅灘高)が挙げたゴールを最後まで守り切った。
韓国は30日に行われる準々決勝で、D組2位のウズベキスタンと対戦する。グループリーグ第2戦で韓国に敗れた日本(2勝1敗)は、C組2位で準々決勝に進出した。
韓国は今大会でベスト4に進出すれば、来年行われるU17(17歳以下)ワールドカップ(W杯)の出場権を得られる。
韓・中・日3国間で、関税のない貿易自由化実現に向かった実務手続きが終わった。11月、3国首脳会議を通じて、自由貿易協定(FTA)交渉開始を宣言する予定だが、最近の日中、韓日間の外交紛争が深刻化しており、年内交渉開始宣言は未知数だ。
外交通商部は28日、「3国間のFTA開始宣言のための3次事前実務協議が全部終わった」として、「3国は交渉開始の有無を決めるための各国の国内手続きを推進していく予定」と明らかにした。
外交部は来月下半期、公聴会を開いて、各界意見を取りまとめる予定だ。意見取りまとめが終われば、対外経済長官会議議決、国会報告など手続きを踏む。
27日、新羅ホテルで開かれた実務協議で、3国は交渉推進方式など交渉の実質的な事項と行政事項を議論した。
任ジュソン外交部東アジアFTA推進団チーム長は、「韓国政府は公聴会など国内手続きと別途に、全省庁次元で韓・中・日FTAと関連した国内利害関係者と専門家の意見を取りまとめていく計画だ」と説明した。
3国首脳は5月、年内のFTA交渉開始宣言をすることで合意したことがある。現在の日程上、11月20日、カンボジアのプノンペンで開かれる東アジア首脳会議(EAS)時、3国首脳が交渉開始を宣言すると予想される。
変数は最近の3国間の外交摩擦だ。尖閣諸島と竹島(独島)をめぐる日中、韓日間の外交紛争は韓・中・日FTAの交渉開始に悪影響を及ぼすだけでなく、今後の協議段階でも悪材料として作用する公算が大きい。
無所属の安哲秀(アン・チョルス)大統領選候補は28日、政策フォーラム日程を続けた。前日の経済・社会分野政策ラインナップを明らかにしたのに続き、この日、尹永(ユン・ヨングァン)前外交通商部長官など、統一・外交分野のブレーンを公開した。
フォーラムには李鳳朝(イ・ボンジョ)元統一部次官、白鶴淳(ぺク・ハクスン)世宗研究所首席研究委員、崔相龍(チェ・サンヨン)高麗大名誉教授、金根植(キム・クンシク)慶南大教授などが参加した。
金大中(キム・デジュン)・盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府で活動したり、「太陽政策」を支持する人々で、安候補の対北朝鮮政策が同じような形で描かれるものと占われる。
安候補はこの席で、「北朝鮮との関係を改善して、平和協力を通じて、統一を追求することが、今私たちに切実な課題」として、「安保が不安で平和が定着しなければ、福祉国家ははるかに遠い」と話した。
引き続き、「金大中・盧武鉉政府で追求した包容政策を一段階アップグレードして、李明博(イ・ミョンバク)政府の共生共栄政策を越えなければならない」と包容政策基調を明らかにした。
安候補は統一・外交政策3大軸として、対北朝鮮包容政策と安保態勢強化、均衡外交を提示している。3大構想と原則は、尹元外相と李元次官が政策として具体化する計画だ。
安候補陣営の李源宰(イ・ウォンジェ)政策企画チーム長はラジオに出演して、「10月7日頃、大韓民国を変化させるために、どんな課題を解決しなければならないかを発表して、全国民的にともに討論し始めるだろう」とし、「以後、1カ月間、現場を尋ね歩きながら、具体的な解決方案を順次、発表して、11月10日前後に、その時までの成果を総合して、政策公約を総合的に発表するだろう」と話した。
韓・中・日3国が約190カ国連会員国の前で、過去の歴史と領土問題をめぐって公開で糾弾戦に入った。東北アジアの対立はこれを契機に新しい局面に進入した。
特に韓国と中国は「侵略の歴史」を反省しているとは思われない日本糾弾に乗り出した。1945年の国連創設以来、日本軍慰安婦問題と竹島(独島)、尖閣諸島領有権対立が、国連総会の場で公然と議論されるのは今回が初めてだ。
米国が東北アジア情勢の悪化を防ぐために、外交的仲裁努力を傾注しながら、孤軍奮闘したが手に余るとみられた。
韓日、日中の対立の火は、すでに東北アジアを越えて、グローバルイシューとなった。過去の歴史・領土問題に対して、国際社会の支持を獲得するための「銃声ない外交折衝戦」の序幕と解釈される。
東北アジア「対立誘発者」の日本は、今回の国連総会を徹底的に自国の立場を知らせる広報手段として活用した。日本は総会期間中、ずっと「法治主義(Rule of Law)」をオウムのように繰り返し叫びながら、自身の正当性を主張することに没頭した。
特に野田佳彦首相と玄葉光一郎外相は、総会と法治主義高位級会議で、約束でもしたように、領土紛争にあっては国際法手続きの重要性を強調した。
韓国、中国との衝突を避けるために、竹島と尖閣諸島には直接言及しなかったが、誰が見ても韓・中両国を狙った挑発的演説だった。
日本は一方では韓国と中国に外相会談を先に提案しつつ、二重的プレーもくり広げた。これは自分たちは国連で言うべきことは言ったし、韓国と中国が事態をさらに悪化させられないように、外交的努力まで傾けたという形で、日本メディアに広報されている。
こういう日本の形態に、中国は激しい反応を見せている。楊潔チ中国外相は26日(現地時間)、玄葉外相との会談で、激しいトーンで抗議したという。玄葉外相が会談直後、自国メディアに、「険悪な雰囲気であった」と表現したほどだ。
楊部長は27日、総会基調演説では一層程度を高めて、「日本が釣魚島を盗み出した」と非難し、中国外交官たちは会議場内外で「釣魚島は中国の領土」というパンフレットを配布した。国連本部外では中国人デモ隊約300人が反日デモを行った。
日本のやり方に反発するのは韓国も同じだ。金星煥(キム・ソンファン)外交長官はこの日、現地特派員懇談会で、日本の国際司法裁判所提訴提案の虚構性を指摘し、「独島問題に関して、決して妥協はない」と言い切った。
金長官はまた、「戦後世代を対象にしてなされる日本の誤った歴史教育が事態をより一層悪化させている」と指摘した。
金長官は総会基調演説でも、戦時女性人権問題を強調する形で、慰安婦問題を取り上げ、日本を圧迫する計画だと知らされた。
外交部関係者は、「米国がウラジオストック、アジア太平洋経済協力体(APEC)会議の時のように、韓国・日本の対立の仲裁を試みて、事態がさらに悪化することはないと見る」としながらも、「独島、慰安婦問題に対する韓国・日本の対立が多様な国際舞台で、より一層多層的に展開する可能性が高まった」と見通した。
「これ以上言い訳はできない。僕たちには勝利が必要だ」
英プレミアリーグ、クイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)の朴智星(パク・チソン)=31=が28日(現地時間)、今季まだ白星のない自チームに対し、ついに主将として苦言を呈した。朴智星はQPRの公式ホームページで紹介されたインタビューで、チームメートに対し集中力を要求した。QPR移籍後「よくなっている」「すぐに結果が出るはず」と言い続けてきた朴智星が、初めて味方を叱責(しっせき)するメッセージを口にしたのだ。
QPRは今シーズンのプレミアリーグ開幕後、正規リーグとカップ大会を通じて1勝も挙げていない。リーグの成績は第5節までで3敗2分け(勝ち点2)で、1部リーグ20チームのうち19位と低迷している。昨シーズンまでリーグ最強のマンチェスター・ユナイテッド(マンU)でプレーしていた朴智星としては、容易には受け入れ難い現実だ。
27日にはキャピタルカップ(リーグカップ)32強戦で、リーグ最下位のレディングと対戦したが、後半途中まで2-1とリードしていながら立て続けに2ゴールを許し、2-3の逆転負けを喫した。朴智星はこの試合で先制ゴールをアシストし、QPRで初めての攻撃ポイント(ゴールとアシスト)をマークしたが、チームが敗れたため顔を上げることができなかった。
この日、1-1の同点の状況で交代となり、逆転負けをベンチで見守ることになった朴智星は「ゴールを決めるたびに集中力が途切れ、すぐに相手に点を許した。勝ちたい気持ちがあるなら、ゴールを決めてから一層いいプレーをすべき」と指摘した。続けて「敗戦を通じて何かを学ぶべき。そして学んだということを証明しなければならない」と強調した。
QPRは10月2日午前4時から、本拠地ロンドンのロフタス・ロード・スタジアムでリーグ第6節のウエストハム戦(9位、勝ち点8)に臨む。朴智星は「相手は競り合いに強いチーム。難しい試合になると思うが、必ずホームで勝ち点3を挙げたい」と意欲を見せた。
一方、ほかの海外組の選手たちも週末に相次いでゲームに出場する。29日午前3時30分には、ドイツ・ブンデスリーガでプレーする車ドゥリ(チャ・ドゥリ)=デュッセルドルフ=がホームでのシャルケ戦に臨み、同日午後10時30分には、韓国代表に返り咲いた孫興民(ソン・フンミン)=ハンブルガーSV=がハノーファー96戦で今季4号ゴールを狙う。
英プレミアリーグでは、奇誠庸(キ・ソンヨン)=スウォンジー=が午後11時からアウェーでのストークシティー戦に出場する。同時刻にはチ・ドンウォン=サンダーランド=と、2部リーグの李青竜(イ・チョンヨン)=ボルトン=、キム・ボギョン=カーディフ=もホームでの試合が控えている。
30日午後7時には、スペイン1部リーグの朴主永(パク・チュヨン)=セルタ・デ・ビーゴ=がアウェーでのグラナダ戦に臨む。22日のヘタフェ戦で後半途中から出場し、わずか2分で決勝ゴールを決めるなど鮮やかにデビュー戦を飾った朴主永は、今回先発で出場するか注目される。
朴主永はこれまで、秋夕(中秋節、今年は9月30日)の時期に行われる試合では常に見事なプレーを見せてきた。フランスASモナコに移籍した2008年には、秋夕当日に行われたFCロリアン戦で海外での初ゴール(1ゴール1アシスト)をマークし、09年にも秋夕連休の最終日にマルセイユ戦で1ゴールを決めてチームを2-1の勝利に導いた。
この世で一番特別な兄弟の愛の物語を描いた映画『桃の木』の本ポスターが公開された。
ポスターにはチョ・スンウ、リュ・ドクファン、ナム・サンミが並んでイスに座って幸せなそうな笑顔を見せている。
しかし、このような温かい雰囲気とは違い、「わたしたちはお互いを兄弟と呼び、世間はわたしたちを怪物と呼びます」というキャッチコピーが印象的だ。
『桃の木』は女優ク・ヘソンがメガホンを取った作品。10月31日公開の予定だ。
熊進(ウンジン)グループ再生の決定的な影響要因になっている熊進コーウェイの売却を巡り、議論が高まっている。熊進コーウェイは昨年、売上1兆7099億ウォンに営業利益2425億ウォンの、熊進グループ系列会社の最大の「キャッシュカウ」(多くの現金を生み出す会社)といわれている。熊進グループの尹錫金(ユン・ソクグム)会長(写真)は最近、「熊進コーウェイであれ、熊進食品であれ、何でも売却できる」と明らかにした。
しかし、債権団や金融当局、買収主体のMBKパートナーズは、尹会長は熊進コーウェイを売却する気などないと、強く疑っている。熊進コーウェイを売却して、残りの熊進系列会社を再生させる代わりに、悩みの種となっている極東(ククドン)建設を切り離し、熊進コーウェイはそのまま抱えていくための緻密な準備の末、法定管理を申請したというのが、債権団などの見方だ。
●尹会長は、再生戦略を全面的に見直すか
債権団の幹部は28日、「法定管理の申請より、尹会長が熊進コーウェイの売却を白紙化させたことのほうが、よりショックだ」と主張した。
債権団の主張にように、尹会長が7ヵ月間で極東建設を切り捨て、熊進コーウェイを引きとめようと、態度をがらりと変えたのがいたるところから目にできる。氏は、プライベートエクィティファンドのMBKパートナーズから、熊進コーウェイ売却の残金1兆1000億ウォンあまりが入らなかったので、やむなく法定管理申請をしたと主張したが、MBKパートナーズは、投資家らを説得し、残金の支払日を10月4日から10月2日に、再び9月28日に2度も繰り上げるほど、積極的だった。
業界でも、尹会長がかつても頻繁に売却対象を変えたことを取り上げ、熊進コーウェイ売却意思がなかったのではないか、という見方が少なくない。6月、本入札締め切り当時は、熊進コーウェイの持分30.9%を、1兆2000億ウォンで買収すると名乗ったGSリテールが、新たなオーナーとして急浮上した。しかし、熊進グループは、中国康佳グループと戦略的提携を交わし、7月ごろは、KTBプライベートエクィティファンドが優先交渉対象者に選ばれた。しかし、1ヵ月後、MBKパートナーズへと買収主体が再び変わった。
●債権団は熊進コーウェイ売却を圧迫
債権団はこのような空気を意識し、「法定管理が開始されれば、熊進コーウェイから先に売却すべきだ」と圧力をかけている。早めに重要系列会社を売却してこそ、債権回収が容易になるからだ。株式市場でも、熊進グループの株価が2日間暴落し、熊進コーウェイの売却を促す様子を露呈している。現代(ヒョンデ)証券側は、「極東建設は1兆1000億ウォンの債務を抱えているものと試算される」とし、「熊進コーウェイの売却代金のほか、流動性確保は難しいだろう」と見込んだ。
MBKパートナーズ側も、強い不満を示している。MBKパートナーズの関係者は、「28日の契約完了が見合わされたことを受け、利息費用のみならず、資金が縛られたこと自体が損害だ」と主張し、「もし、取引自体が白紙化されれば、これまで買収に向けてつぎ込んだ諮問費数十億ウォンを含め、膨大な損害をこうむることになり、契約破棄による訴訟も検討している」と語った。
しかし、尹会長が、熊進コーウィイを保有していてこそ、グループ再生に有利だという形で、裁判所を説得することができれば、債権団などは、ほかの手がないのが現状だ。これは現在の法定管理制度の特性上、再生計画案作成に債権団の同意が必要だが、結局、裁判所が最終決定権を持っているからだ。これに対し、熊進グループは、債権団や裁判所の決定を受け、熊進コーウェイの売却を進めると、慎重な姿勢を見せている。熊進ホールディングスの辛光樹(シン・グァンス)代表は、「会社の正常化に向け、熊進コーウェイを含め、系列会社の持分売却であれ、太陽光事業からの撤退であれ、裁判所の決定に従うつもりだ」と語った。
年末の大統領選を控え、歴史認識をめぐる発言で支持率が下がり、危機に直面したセヌリ党の朴槿恵(パク・グンヘ)候補は、相変わらず「もどかしい」という印象を変えられずにいることが最大の弱点に挙げられる。
歴史認識への態度表明を相当期間見合わせている間、20~40代はもちろん、朴正煕(パク・ジョンヒ)政権の維新改憲に否定的な認識を持っている50代序盤の有権者の中でも、不支持に回るか支持を留保する現象が現れた。朴正煕時代の否定的な側面がオーバーラップされたためだ。頑固に写るほどの硬さや側近の閉鎖性、双方向コミュニケーションが乏しいと見られたのも有権者に閉塞感を与える要因の一つだ。
民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)候補は、保守派と中道派に根強く残る親盧系(故盧武鉉前大統領系)への不安感を払拭できずにいる。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府の実質的なナンバー2だった文候補自身よりも、周辺勢力への懸念が大きい。
「味方と敵に二分する政治」をして国民を分裂させることで政治的な利得を掴み取り、盧政権の各種失政については反省していない人物らが文候補周辺に大勢布陣しているからだ。文候補自らも国立顯忠院を訪問した時、金大中(キム・デジュン)元大統領のお墓だけを参拝するなど、「狭い世界観」から抜け出せずにいるのではないかと指摘されている。
無所属の安哲秀(アン・チョルス)候補の弱点は「不安感」だ。国政運営の経験が皆無の安候補は、重量感のある各界の有識者を迎え入れて弱点を補完しようとしているが、具体的ではっきりした政策と国政運営の方向を示せずにいる。
主要懸案について原論的な水準の正論だけを口にしている状況だ。「短期間の学習で習得した知識で国政をどうやって運営していくか不安だ」と指摘する声が上っている。しかも次々と暴き出される各種疑惑で、クリーンなイメージと違って、言っていることと実際の行動とが一致していないという印象まで与えている。
「なんだ。振込み詐欺か」
5月初頭のある日の未明、目を擦りながら携帯電話に出たイーキューブラブのクォン・スンボム代表(24=延世大学電気工学部3年生休学)は変なイントネーションの声を耳にし、中国から掛かってきた振込み詐欺電話だと思って、電話を切った。ところが同じ番号で再び電話が掛かってきた。
「アユーメーキングソーラービン」(Are You Making Solar Bin=なたが太陽光ゴミ箱を作ったんですか?)
よく聞いてみたら、中東式英語発音だった。サウジアラビアのバイヤーだが、太陽光ゴミ箱を購入したいという。クォン代表は、「当時は試作品すらおらず、戸惑ったが、国内オンラインメディアが、我々の公募展での優勝ニュースを英語に翻訳してネットに掲載したことを機に、海外のバイヤーらから問い合わせが殺到してきた」と主張した。
同社は最近、太陽光ゴミ箱12個を、1個当たり300万ウォンでサウジアラビアの会社に販売し、計3600万ウォンの売上を上げた。ベンチャー設立後初の売上を輸出で上げたことになる。
●新村のゴミ箱から得たアイデア
昨年3月、イーキューブラブを立ち上げた創業者4人は09年、社会的企業に対し経営をアドバイスするボランティア団体・ソーシャルコンサルティンググループで、インターンとして働いていた時に出会った。普段から起業を夢見ていた彼らは、「太陽光ゴミ箱を作ってみよう」というクォン代表からの提案を受け、意気投合した。
ソウル新村(シンチョン)で自炊をしていたクォン代表は毎朝、自宅周辺の歓楽街のゴミ箱から溢れんばかりとなっているごみを目にし、ふとアイデアが浮かんできた。氏は、「自宅ではごみが溢れれば、手や足で抑えて圧縮するが、街頭でのゴミ箱は何か手がないか」と考えた。自動的に圧縮させる機能付きのゴミ箱に、太陽光で電力を供給するやり方を考え付いた。情報技術(IT)を利用し、ごみが溢れる時、担当区役所に通報すれば、清掃車が必要な時だけ収集にかけつけ、人手やコストを削減することができるだろうと思った。
しかし、アイデアを現実化するのは容易ではなかった。クォン代表は、「手書きで大雑把に描いた設計図を手にし、溪川(チョンゲチョン)周辺の金物屋を歩き回りながら「この通りに作ってほしい」と頼んだが、ほとんど、あきれた顔を見せた」と語った。
●溪川を経て南楊州まで
創業者4人は、50万ウォンずつを出資し、古びたオフィスを構えた後、各工場をあさった。京畿九里市(キョンギ・グリシ)と南楊州市(ナムヤンジュシ)、ソウル衿川区九老洞(クムチョング・グロドン)周辺の金物加工工場を歩き回りながら、エンジニアたちに会って、聞きながら学んだ。創業メンバーのクォン・ヒョンソク生産部門チーム長(25=延世大学経営学部4年休学)は、「現場で学びながら基本設計図面を作るのに1年掛かった」と話した。
太陽光モジュールを探し求めてつなげるのはさらに難しかった。全国のいたるところで開かれる新再生エネルギー博覧会には、漏らすことなく足を運んだ。グローバル市場で太陽光事業を行っているOCIやハンファグループの職員たちに対し、太陽光モジュールを買いたいと頼んだ。クォンチーム長は、「振り返ってみれば当時、国内太陽光企業各社が販売する製品がどんなものかすら知らなかった」とし、「企業では作っていない30ワット向け小型太陽光モジュールがほしいと声をかけたので、たぶん戸惑ったはずだ」と笑った。。
両親たちの反対もネックとなった。イ・スンジェ生産チーム長(25=ソウル大学・化工生物工学部4年休学)を始め、創業メンバーは軒並み、名門大学出身であり、両親らは公務員試験に挑戦したり、大手企業に入り、より安定的な生活を営むことを希望した。クォンチーム長は、「起業すると父親に話したところ、『お前の人生の最後の非行だと思う』といわれ、心が重かった」と、当時を振り返った。しかし、クォンチーム長の父親は今月初頭、息子が作った製品29個が、ソウル大学や延世大学、高麗(コリョ)大学のキャンパスに設置されると、息子には内緒に、太陽光ゴミ箱を見て回った。特に、太陽光事業を行っているハンファケミカルが、彼らの可能性を高く評価し、1億ウォンを条件無しに支援したという話を聞き、他の創業者らの両親も、「一度やってみなさい」という空気に変わった。
●「叩いたところ開かれた」
右往左往していた彼らに、公募展や政府によるベンチャー支援事業は、「一筋の光」だった。起業メンバーのイ・ソング・マーケティングチーム長(27=高麗大学経営学科卒業)は、「公募展に出たのは、賞金をもらって投資するためだったが、我々の事業モデルを客観的に評価し、弱点を補完するのに大きな勉強となった」と主張した。
彼らは昨年4月、中小企業庁が主管した「予備技術創業者育成事業」に応募し、試作品の制作費として5200万ウォンの支援を受けるなど、様々な創業共進大会や政府支援事業に参加し、計2億2600万ウォンの投資金を確保した。
イーキューブラブは現在、オーストラリアや中東のように、太陽光が強く、太陽光電気の生産が容易な上、土地が広く、人件費の高い地域を中心に輸出の準備をしている。同社に投資したベンチャーキャピタル・クーリッジコーナーインベストメントのクォン・ヒョクテ社長は、「太陽光ゴミ箱は、米一部の地域で毎年100%ずつ需要が伸びているなど、市場性はすでに検証済みだ」とし、「イーキューブラブの製品は、製造業にIT技術を融合させた独特な形で、海外でも成功する可能性が高い」と評した。
クォン代表は、自信溢れる表情で話した。「若者たちがひたすら、大手企業への入社や公務員になるのが目標だと口にしているのを見れば、残念でなりません。本当にやりたいのか、それとも周辺の眼差しのせいか…。我々は何ら経験も無かったが、本当にやりたかったことをやっているうちに、ここまできました。『叩けば開かれる』という言葉が実感できます」。
「民心の大移動」を控えて、28日、秋夕(チュソク、旧暦の8月15日)の「民心取り」に余念がない大統領選候補たち。左側から大邱中区(テグ・チュング)の西門(ソムン)市場を訪れた朴槿恵(パク・グンヘ)セヌリ党候補、大田(テジョン)駅とソウル瑞草区(ソチョグ)の江南(カンナム)高速バスターミナルでそれぞれ帰省客に挨拶をする文在寅(ムン・ジェイン)民主統合党候補と無所属の安哲秀(アン・チョルス)候補。