事業費28兆ウォン(約2兆円)に上る超大型開発事業が進められているソウル市竜山区の「竜山国際業務地区」。工事現場を囲う高さ2-3メートルのフェンスを越え、内部に入ると、真っ黒な土壌が露出し、地中に染み込んだ油の悪臭が立ち込めていた。
韓国鉄道公社(KORAIL)のソン・ウファ開発事業推進団長は「100年以上にわたり、油と重金属で汚染された土壌を浄化する作業は容易ではない。今では考えられないことだが、20年ほど前までは、油や廃棄物がそのまま地中に埋められていた。土壌汚染は深刻だが、優れた技術力で、1年程度あれば浄化作業が終わる見通しだ」と語った。
■ダンプカー8万3000台分掘削
竜山国際業務地区では、111階建て(高さ620メートル)の超高層ビルをはじめ、大型ビル、マンション、ホテルなど67棟を建設する工事が進んでいる。敷地は1905年からKORAIL(旧鉄道庁)の鉄道車両事業所、油・物流倉庫があった場所。100年以上にわたり、車両整備が行われていた所で、あらゆる廃棄物がそのまま地中に埋められてきた。今回の土壌浄化作業は今年1月にスタートし、4月から本格化した。
施工会社の竜山駅勢圏開発が2009年、韓国農漁村公社に依頼して調査した結果、整備工場の敷地(36万平方メートル)の半分以上で土壌が油のほか、鉛、ニッケルなど重金属で汚染されていることが判明した。重金属に汚染された土壌は35万立方メートル、油に汚染された土壌は17万立方メートル、廃棄物に汚染された土壌は43万立方メートルに達する。土壌を浄化するためには、最大10メートル掘り下げる必要があり、土壌や廃棄物の体積は約83万立方メートルに達する。工事現場で使用する15トンダンプカーで運ぶ場合、8万3000台分の排出量に相当する。