鉄卓のブログ「きままに」

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芸術の秋巡り―【熊本城から歩く-1】

2020-10-13 | 熊本城
2020年10月9日(金)

熊本城へ行ったら、お城から歩くのも良いと思い、いくつか自分なりにコースを考えて歩くことにしょうと思う。

スタートは二の丸広場。



1回目は芸術の秋巡り。

二の丸広場の西側には熊本県立美術館があり、別棟として「細川コレクション 永青文庫展示室」がある。

永青文庫は、細川家に伝わる美術工芸品や歴史資料等を保存・研究するため、1950(昭和25)年、細川家16代護立氏によって設立された公益財団法人で、東京都文京区目白台にある。江戸時代には細川家の広大な下屋敷があった。細川家の家政所(事務所)として使用されていた昭和初期の建物を改装し、年に数回企画展が催され、所有する作品の数々が特別公開されている。

熊本県立美術館の「細川コレクション 永青文庫展示室」は、2008(平成20)年4月に新設され、永青文庫から熊本県立美術館に寄託されている近世の屏風や近代日本画などはもとより、東京の永青文庫が所蔵する様々な美術工芸品を、熊本にいながらにして鑑賞できるスペースとなっている。

今日は、「新発見!大名・細川家の日々のお道具」展が開催され、江戸から熊本に移り住んだお姫さまが使用した調度、皇室から拝領した盃、お膳やお椀といった飲食器などが展示してある。







永青文庫展示室の休憩スペースからお庭を眺める。



本館2階では、「歴史をこえて 細川家の名宝」展が開催されている。
細川家に伝わる茶道具や趣向を凝らした大名調度、御用絵師による近世絵画とともに横山大観、小林古径はじめ護立氏蒐集の国宝・重要文化財の東洋美術品、近代日本画、宮本武蔵の絵画などが展示されている。

会場に入ってすぐに「細川ミラー」の名で世界に知られている国宝の「金銀錯狩猟文鏡」(中国の戦国時代(前4~前3世紀)の鏡)が期間限定で公開されていた。

県立美術館が昨年度新たに収集した作品から「新収蔵品展 ~新しいくまもとの宝もの~」展も同階で開催されている。



本館1階文化交流室では、「生(き)の芸術 ArtBrut展覧会」(主催:アール・ブリュット(生の芸術)パートナーズ熊本)が開催されている。

アール・ブリュット(ArtBrut)とは、フランスの画家ジャン・デビュッフェが提唱した概念で、正規の美術教育を受けていない人が生み出した、既存の芸術に受けていない絵画や造形のこと(ArtBrut展覧会のチラシより)。

障害のある人たちの自由で創造性あふれる作品が展示されている。
県立美術館では4年目だそうだ。この時期、毎年のようにきている。



美術館には喫茶店もあり、緑に囲まれ、二の丸広場の木々を眺めてテラスで食事やお茶を楽しめる。
今日はパスして二の丸広場を後にする。



石垣が復旧し、置き場から無くなるのはいつのことか。まだまだ遠い先。



監物台樹木園(九州森林管理局)は休園日。



棒庵坂を下る。坂の下、KKRホテル熊本が建っているところに加藤清正の家臣・下津棒庵の屋敷があったことから坂の名がついている。
急な坂で、恐々と下る。小さいときに急な坂ではよく転んだ思い出がある。



KKRホテル熊本沿いに歩くと「熊本県伝統工芸館」がある。道路を挟んだ反対側が熊本城不開門なので、目はそちらに向き見逃されることもあるようだ。

館では伝統工芸品の展示や販売、体験イベントなどが開催される。





企画展は「戸田東蔭茶道具コレクション 茶の湯の道具展」が開催されている。



工芸ショップ匠では熊本県内の伝統工芸品などが販売されている。
私は何年も前に肥後象がんの家紋入りタイピンを作ってもらった。



熊本県伝統工芸館からすぐのところに「熊本県立美術館分館」がある。
残念ながら、老朽化に伴う改修工事のため2020年11月末まで全館休館となっている。

この建物は、私が中学生、高校生の頃は県立図書館だった。当時は熊本市内にはほとんどなかった演劇ホールがあった。
中学の文化祭で演劇部が「夕鶴」を演じた。裏方で参加した。
県立図書館は水前寺に移り、演劇ホールは大江に県立劇場が出来ている。

分館は、貸会場が主で、いつも絵画、書道、写真、生け花などの団体の展示があっている。
毎年、分館での展示を楽しみに制作に励んでいる人も多いと思う。また、鑑賞するのも楽しみだ。今年の秋は残念。





美術館分館の裏一帯は千葉城とよばれている。NHK熊本放送局が建っていたが花畑公園横に移転し、撤去工事があっている。
跡地を「史跡熊本城跡」としてどう利用するか検討がされている。観光資源としての考えと文化財としての考えがあるようだ。



宮本武蔵が住んでいたところでもある。



千葉城橋を渡り、まっすぐ進み右折するとオークス通り。名は大きな楠並木からきている。熊本市内に楠並木はあっちこちあるが、市中心部にこれだけ大きな楠並木は珍しい。



オークス通りから左折すると上通アーケードに出る。長崎書店を右折。上通りアーケードを通る。
アーケードが終わって電車通りに出る左角に「熊本市現代美術館」(びぷれす熊日会館3階)がある。



ギャラリーⅠ・Ⅱでは、「第32回熊本市民美術展 熊本アートパレード」展が開催されている。
15歳以上(中学生は除く)の熊本市在住・在学・在勤者または熊本市出身者なら誰でも無審査で出品することができるアンデパンダン形式の公募展で、「ポスト投函サイズ」であること。折りたたんで広げた作品、立体的な作品など、ユニークな作品も多かった。作者には「ポスト投函サイズ」に工夫をする楽しみがある。それを見てほほ笑む。



ギャラリーⅢの開催は、「コーダ・ヨーコ原画展 どうぶつえんのどうぶつたち」。
コーダ・ヨーコさんは熊本市動植物園のどうぶつ案内看板のイラストを描いた熊本出身・在住のイラストレーター。



愛らしい動物の絵を眺めながら芸術の秋の一日を終える。

歩くだけだと20分ほどの距離だと思うけど、3時間20分ほどかかった。けっこう疲れた。
美術館を出ると、電車・バスがひっきりなしに発着し、大勢の人が行き交う、熊本市で最も賑やかなところだ。
でも、飲みに行くにはまだ早い。帰ろう。

企画展の期日、休館日、入館料などは、それぞれの館のホームページ等でご確認ください。


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