たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

「美鈴湖讃歌」(再)

2021年10月16日 08時19分37秒 | 詩・エッセイ

7年も前、2014年7月4日、
「gooブログ」に引っ越してくる前、「OCNブログ人」時代に書き込んでいた記事を、
コピペ、リメイク(再編集)してみた。


「美鈴湖讃歌」(再)

記憶から完全に喪失していた物が、最近、不要雑物身辺整理中に出てきた。若かりし頃、若気の至りで、書きなぐっていたと思われる詩の類である。不揃いの便箋やレポート用紙等に、バラバラと走り書きしたような代物で、色褪せてカビ臭い茶封筒に詰まっていた。そのまま、ゴミ箱行きにすれば良さそうな物だが、数十年ぶりに目にして、タイムカプセルを開けるが如く、ある種、感動さえ覚えてしまい、全てを捨て去る前に、「青春の思い出の欠片」として ブログに書き留め置こう等と考えてしまった。今の爺さんには、気恥ずかしく、冷や汗が出るような、ぞっとするような、拙劣な詩の類ばかりだが、恥じも外聞もなく、そのまんま・・・・。

その中に「美鈴湖讃歌」と題した詩(もどき)が有り、「昭和40年1月20日」の日付が記されている。「美鈴湖(みすずこ)」で思い出せるのは、学生の頃、一度、当時、松本市郊外に在住していた親戚を訪ねたことが有り、さほど歳の差の無い若い叔母(母親の異母妹)と意気投合し、一緒に、「美鈴湖」に行った記憶である。冬のことで、それまでスケート等とは、まるで縁が無かった学生だったが、山の上の湖「美鈴湖」に案内され、生まれて初めて、スケート靴を履き、おっかなびっくり、へっぴり腰で、湖上を滑った思い出である。叔母とはいえ、若かった二人、ちょっぴり恋慕の情も有ったのか、デート気分で浮かれていたような気もする。そんな「美鈴湖」の印象を、旅の感傷と妄想で、詩にしたのかも知れない。その叔母も、後期高齢者で 今尚、松本市街で健在である。
「美鈴湖」は 長野県松本市郊外、美ヶ原への玄関口の一つにある、標高1,000mの人造湖。農業用かんがい水確保のため、古くから築かれていた、ため池「芦の田池」を改良し、昭和28年に「美鈴湖」と改称された湖なのだそうで、現在でも観光スポットになっている。

白銀の北アルプス

「美鈴湖讃歌」

夏 緑濃き 山影映し
湖畔に 小鳥のさえずりを聞き
爽やかなり 朝を迎えん
烈しき 天を仰ぎ見て
湖上に 浮かぶ たのしさや
友は 美ヶ原を駆け来たり
しばし 疲れを忘るるところ
青き 水面に 風清し

冬 松本市街を 眼下に眺め
白銀の北ア連峰と 相対し
美しき 銀盤を敷く
若人は その上に踊り
若人の影 乱舞して
湖(うみ)と山とを 滑り来て
名残惜しみて 振り返る
静かなり 美鈴 湖畔

(昭和40年1月20日)


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