たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

8月9日、「長崎の鐘」

2020年08月09日 15時17分40秒 | 懐かしいあの曲

今日8月9日は 長崎が アメリカによる原爆投下から75年となる日だ。
今日の朝日新聞の「天声人語」に 公開されたアメリカ機密文書をもとに 広島の次の投下先が決まるまでの過程を調べた結果の一部が紹介されていた。
米軍は 原爆投下の標的にした都市には あらかじめ、原爆の破壊力を確かめ易くするため、通常爆弾を落とさず無傷のまま残しておくように命令が出ていたのだそうだ。東京、大阪は すでに大規模な空襲を受けていたため除外、京都は 歴史的な価値があるため除外、広島に続く投下先として候補に上がっていたのは、新潟、小倉等だったという。基地から遠い新潟が除外され、米軍機が向かったのは諸条件が揃った小倉だったが、予想外の視界不良で 急遽長崎に転じたのだという。戦況の定まったあの時期に あれ程の非人道的な新型兵器を使う必要があったのか。二転三転、四転五転の果てに選ばれた被爆地の無念さが思われてならない。一瞬で失った何万もの尊い命を悼みつつ、戦争そのものの持つおぞましさを胸に刻みたいものだ。核保有国が 核軍縮に向かう約束事を反故にしようとする動きが有る中、唯一の戦争被爆国日本が そのアメリカに遠慮して 核兵器禁止条約批准国にもなれないでいる?・・というのも、おかしな話ではないかとも思う。
          (参照・引用 2020年8月9日 朝日新聞「天声人語」)


毎年 この日になると 必ず思い浮かんでくる曲、「長崎の鐘」
「長崎の鐘」については、「ブログ内検索」してみたら、2年前にも書き込んでいることが分かり、また同じことを書き込む寸前で取りやめ、「以下同文」とすることにした。
2年前、2018年8月9日の記事 → 「長崎の鐘」


 

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平岩弓枝著 御宿かわせみ(二十三) 「源太郎の初恋」

2020年08月09日 08時55分46秒 | 読書記

当地 今日も 天気予報では 「晴」、「最高気温35度」、「熱中症厳重注意」となっているが ジリジリした真夏の太陽が照りつける空模様ではなく、なんとなくどーんより靄っていて 周辺の山並みも霞んで良く見えない。
世の中、三連休の中日、そしてお盆休みに突入、
依然として拡大し続けている新型コロナウイルス感染対策で 日々、全国の自治体の首長達が これ以上拡大させないために、「今年は 我慢の夏を!」と 訴えているが 果たして 結果がどう出るのだろうか、大きな山場になるような気がする。元々 帰省や旅行をする予定も無し、子供や孫がやってくる予定も無しの老夫婦、世の中の動静を眺めながら、不要不急の外出を自粛し、三密を避け、普段と変わらぬ暮らしを続けているところだ。


図書館から借りていた 平岩弓枝著 御宿かわせみシリーズ第23弾目の作品 「源太郎の初恋」(文藝春秋)を 読み終えた。本書には 表題作「源太郎の初恋」の他、「虹のおもかげ」、「笹舟流し」、「迷子の鶏」、「月夜の雁」、「狸穴坂の医者」、「冬の海」、「立春大吉」の連作短編8篇が収録されている。

平岩弓枝著 御宿かわせみ(二十三) 「源太郎の初恋」

「虹のおもかげ」
幕府の講武所の教授方と海軍操練所を掛け持ちしている神林東吾だが、以前師範代を勤めていた狸穴の方月館の年4回の試合の会には必ず駆け付けている。方月館に泊まり、翌日講武所へ直接出勤する途中、偶然出会った少年の蝉捕りを手伝ったが、その少年の印象が強く、気になってしかたない。その少年、実は 麻生七恵の友人で大村家の後妻になった清水琴江(大村琴江)の子供麻太郎であることを知り、東吾の頭が真っ白になる。東吾の秘密を知る唯一の親友麻生宗太郎
「東吾さん その顔をなんとかしないと花世と七恵がきますよ」。(中略)・・あの虹の下を今頃、麻太郎が歩いていると思ったとたん、東吾は我を忘れて走り出しそうな衝動を覚えた。
一方で 定廻り同心吉田又蔵が殺された後、かくし子が出てきたり 先妻お静との子大木広太郎が八王子から出てきて「かわせみ」に宿泊。吉田家の揉め事は、御家人井上多七郎が 八丁堀の住人、佐々木仁蔵、佐久間秀次郎を殺害する事件にまでなってしまう。

「笹舟流し」
東吾の大村麻太郎への思いは強く、親友の麻生宗太郎に頭を下げ、代理で 大村彦右衛門の後妻で未亡人の大村琴江(清水琴江)に 意思を確かめに行ってもらうが。
「時がきたら、もし その時があったら、麻太郎の力になってやって下さい・・と」「時が 来たら・・・か」
東吾が 胸に秘密をもってあれこれ悩み続けていた時、るいも又 夫に一つの秘密を抱え込んでいた。それは?・・。
岡っ引きの長助が 築地本願寺の近くで見つけた女おけいを 「かわせみ」に連れてきた。記憶喪失?らしいが、平塚の旅籠柏屋藤蔵が「かわせみ」にやってきた時、笹舟流しで正気が戻ったおけいの証言で、姉おすみ死体が出てきた。
ラストでは 「かわせみ」にやってきた麻生宗太郎が 東吾だけが知らなかったるいの秘密をバラしてしまう。
「るいは どこか悪いのか」「いや 病気ではありませんが・・・」(中略)「待ってくれ、・・いったいここの連中は 何を俺にかくしていた」「よくも そんな大事な話を俺にかくしやがって・・・」、るい、るいと大声で呼びながら部屋を出て行く東吾を見送って、麻生宗太郎はなんとなく神棚を仰いだ。

「迷子の鶏」
ある日「かわせみ」の庭に、雄、雌2羽の鶏が迷い込んできて 女中頭のお吉がせっせと世話している。そんな中、江戸の郊外でで寺の釣鐘盗難が続出、毎度のこと、親友である定廻り同心畝源三郎に頼りにされる東吾は、岡っ引きの長助と共に 探索開始、真相究明に加わる。豊島村、沼田村、宮城村、下日暮、・・・代官所支配地へも手を尽くしているが埒があかない。
「鶏が船に乗り込んできたって話があるのか」、
瓦焼きの孫三は?、釣鐘泥棒の首領は?
「俺には 源さんの手伝いをしている時が 一番 自分らしいと思えるのさ」、大川は秋の陽に染まっていた。

「月夜の雁(つきよのかり)」
東吾は 兄嫁香苗(神林通之進の妻)に頼まれ、深川今川町の筆墨硯問屋対山軒に同行する。後日 対山軒の主人善右衛門(48歳)が鯉こくを食べて死ぬ事件発生。実は毒殺。内儀(先代の姪)お俊?、番頭吉兵衛?、手代芳三郎?、13歳の奉公人お卯?・・・畝源三郎の手伝いで東吾も探索開始、真相究明に当たる。下手人は?
店の入口まで出てきているお俊と芳三郎に対して、「お卯を返してくれ」。叫び続けているのは「丑之助の 家族です」、宗太郎がいい、走り寄った。・・・「動くんじゃねい」、日頃の源三郎からは想像も出来ない 八丁堀の旦那の凄い声に・・・。

「狸穴坂の医者(まみあなざかのいしゃ)」
六本木、飯倉、狸穴にかけて大火が有った知らせを受けた東吾は 師範代を勤めていた道場方月館が心配で駆け付けた。方月館は無事だったが 飯倉町の岡っ引き桶屋の仙五郎家族は焼き出された。狸穴坂にある火傷の名医小野寺十兵衛(50歳)には 30歳も年下の後妻あさの(20歳)がいる。あさのが「かわせみ」にやってきて、さらに十兵衛も「かわせみ」にやってきた。東吾は 呆れてしまい怒り出す。あさのは?、弟子久之助は?
「ご立派な先生には いくら御新造さんが出ていってしまっても それ以上に良い御新造さんがちゃんとお出来になる。たいしたものだと・・・」

「冬の海」
妊娠中のるいは 東吾の親友である医者麻生宗太郎のすすめもあって、女中頭のお吉を伴って散歩するようになっているが 稲荷橋の上で 海を眺めていたおとくという行商人風の女と会い、お吉が落としたという巾着を拾ってもらい、礼を言う。が、実は・・・・。元定廻り同心だった庄司源右衛門(るいの父親)からずっと奉公人であるお吉は、巾着を落とした、まして巾着を擦られた等は 恥ずかしいことだと、がっくり落ち込んでしまい、東吾が 嘘も方便、畝源三郎をダシにして慰める。ある日 るいのそぞろ歩きにつきあって出掛けた東吾は おとくを見てぎょっとなる。おとくには 哀れな身の上が有り、まむしの勘七との子千代松は今?
源三郎が並んでいる東吾にそっと言った。「おとくは 大島に行っても千代松に会えません。千代松は この夏、流行里病で死んでいました」・・・雪の中、小舟は冬の海をたゆたうように進んでいた。

「源太郎の初恋」(表題の作品)
畝源三郎の嫡男源太郎は7歳になった。母親お千絵と妹お千代と「かわせみ」に年賀にきて、「ちょっと見ない内に頼もしくなったな・・」等と 東吾やるい、お吉等皆から賞められる。かなり目立つお腹になったるいとお千絵は女同士のお喋り、東吾は源太郎を富岡八幡宮に連れ出すし、途中で出会った麻生花世を送って麻生家に立ち寄ったが 大人しく女の子らしくなっていた花世に源太郎は不思議な感情を抱く。お千絵も歯痛 花世も歯痛。日比谷稲荷にお参りすれば 1日で歯の痛みが消えてしまう・・等と相変わらず宣伝するお吉。源太郎は 歯を抜かれるのが怖くて逃げ出した花世を連れて、日比谷稲荷へ、そして放火の下手人と対峙、
東吾「まさか抜くんじゃあるまいな」、麻生宗太郎「「鬼の寝てる間ですよ」・・糸の先に小さな歯がついている。花世は・・寝返りを打って小さな鼾をかき出した。

「立春大吉」
立春の日の朝、大川端の小さな旅籠「かわせみ」に威勢のよい産声が響き渡った。女の子誕生。舞い上がる東吾。講武所からの帰途 岡っ引きの長助とも喜びを分かち合いたいと蕎麦屋長寿庵に立ち寄ったが おせんという3歳の子供を預かっている。母親お初は 博打打ち。その後おせんが行方不明に。そのお初、おせんが 「かわせみ」の宿泊者(善光寺御開帳について江戸見物に 信州からきた4人の女隠居とお供の女中衆4人)の一人お民と関わりが有ったとは・・・。
お七夜の前日、予め名付け親を頼んであった、東吾の兄神林通之進と兄嫁香苗が揃って 「かわせみ」にやってきた。白木の台には奉書を三つ折りにした命名書が載っており・・・「千春」と書かれていた。
東吾「これは いい名前を頂きました。きっと聡明な美人になります。なにしろ、みながそれがしに似ていると申しますので・・・」、東吾が大声でいい、いつもなら「この親馬鹿が・・」と叱る筈の兄が 笑いながらうなずいている。

(つづく)

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