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Xenos Audio

オーディオと音楽について

メインスピーカー(6)

2004年11月15日 00時07分29秒 | 使用機器
今回はXENONのトゥイーターについてです。ウーハーやMIDと同じようにこれもSEAS製のカスタムメイドです。
このTWは写真を見てわかるように浅いホーンに取り付けられています。AmphionではこれをUDD(Uniformly Directive Diffusion)と呼んでいます。要は広い帯域で指向性を搾ることによって部屋の影響を減らすという考え方です。いわゆるタイムアライメントをとっているようにも見えますが若干TW側が引っ込み過ぎているような気もします。

以下はSoundStageから掲載したデータです。
上から6本のラインは0、15、30、45、60、75度の指向性特性です。指向性の考え方がこれを見れば一目瞭然です。

※ちなみにSoundStageではCS2.4もXENONも2003年の優秀スピーカー(XENONはプロダクトオブザイヤー)に選ばれています。

<Amphion ARGON2



<Thiel CS2.4



TWのもう一つの特徴は1.2kHz(-12dB/oct)という非常に低い周波数から使っていることにあります。これは2kHzから4kHzの間にクロスオーバーがあると違和感を生じるというAmphionの考え方から来るものです。TWは非常に苦しい動作をするように思えますが、上記UDDによりクロス付近の音圧が9dB上昇するそうで、実際はもっと楽なフィルターのようです。
2kHzをドームトゥイーターに任せているスピーカーってなかなかないんですよね。

ミッドレンジの上の帯域を早めに切っているという効果もあるせいか、このスピーカーは外見と違い癖が非常に少ないです。

ただし、おそらくこの構成の宿命のような気もするのですが、8kHz以上の最高域のエネルギーが薄いんです。スーパートゥイーターを導入するのに時間はかかりませんでした。

メインスピーカー(5)

2004年11月09日 10時02分53秒 | 使用機器
AmphionのXENONを購入する時、正直一番のライバルは”自作スピーカー”でした。

長岡鉄男氏設計のバックロードや高橋和正氏設計のユニウェーブその他過去に製作したことは
あるのですが、私の製作技術が悪いのか、周辺機器が悪いのかソースをかなり選びます。

何でも聴く、むしろ質の悪い録音を聴くことが比較的多い私にとって、楽しく聴けるソースが限定されることはあまり好ましくありません。

その意味では自作スピーカーは5戦全敗といった感じなのですが、望みはなかなか捨てられない。もしかしたら次はいい音が出るかも?なんて期待してしまうのです。

もし作るとすれば次はユーロユニットの2WAYか3WAYと心に決めていました。

そして、願わくばSCANSPEAKのR2904リングドームを使いたい。これは以前書いたようにVifaのXTの音に大きな可能性を感じ、上級型のR2904が悪い筈がないと考えたからです。

測定環境を整えたり、ネットワークの定数を調整したりする資金も根性もありませんから、優秀と思われる自作スピーカーのデッドコピーで行こうとサイトを探し、

私なりに見つけました。
それが、Humble Homemade Hifiです。

なんていうんでしょう?十分に練り上げられたネットワーク。インパルスレスポンスを使った
測定。工作のレベル。デザインの良さ等、「知的でセンスが良い」自作スピーカーマニアの一理想と言えると思います。

Progress又はOptimoは作ってみたかったなぁ。
ちなみにこの方、そっくりさんスピーカーも非常に上手いです。WilsonのCUBやAVALONのOpusに
憧れている方にもオススメです。

で何故、辞めたのか?それはやはり工作に自信がなかったからというのが一番かもしれません。
キャビネットの特注をすれば仕上げ的には良いかもしれませんが、納得のいくものを考えれば
どうしてもXENONの価格を超えてしまい、今度はコスト面で問題となります。

結局私は無難な道を選んでしまいました。

XENONを購入してみて、自分の選択に後悔はしていないけれど、正直未練はあります。

上記のHP、日本ではあまり認知されていないようですけど、どなたか彼の作品を作ってもらえないものでしょうか?是非聴かせて頂きたいです。


メインスピーカー(4)

2004年10月21日 20時36分40秒 | 使用機器
XENONのミッドレンジです。一見SEASのL17RE/Pそのものに見えますがマグネットには防磁処理が施されています。ウーハーには防磁処理がされていないので、これには何か理由がありそうですね。

XENONで最も特徴的なのはキャビネットの両側面にある三角形の窓です。MIDのキャビネットはこの三角形の形そのままで、内部には網に入った非常に柔らかい吸音材が使用されています。この窓はカーオーディオに見られるAperiodic Ventのような”擬似大型密閉”動作をさせるものと思ったのですが、耳を近づけてみると音が盛大に漏れています。横方向に対しても指向性を拡げるとともに、背圧がかからないというメリットを狙ったものかもしれません。

この窓のせいか真横で聞いてもそれほど違和感なく聴けます。周波数によって指向性特性が変わらないというのはこのシステムの狙いでもあるようです。

メインスピーカーについて(3)

2004年10月17日 21時38分07秒 | 使用機器
ユニット構成は3WAY。
2.5cm、16cm、20cmです。インチで言うなら1"、6.5"、8"ですね。ユニットは全てSEAS製。ダイヤフラムはアルミニウム。

DIY好きな方なら即座にわかると思いますがこのユニット達の原型は驚くほど安く、しかも簡単に手に入ります。

ただし、ウーハーとスコーカーについては同じものを入手するのは不可能(TWに関しては不明)です。カタログにない仕様になっています。

ウーハーはバスレフ型で、ユニットは片方の側面に実装されています。

ウーハーの取り付け位置は通常のこのタイプより遥か上方で、開発者はMIDおよびTWと距離をとりたくなかったのかもしれません。少し落とし込んであるのはデザインのせいだけではなく指向性のコントロールがあるかも。

センターキャップがフェイズプラグを採用していないのはウーハーに特化することが前提で中高域の放射を嫌ったせいと思われます。

このダイアフラム形状だけでもカタログにはない仕様なのですが、マグネットも(SEASにしては)大きめのものが使われていて、26cmウーハー用と同等のものです。

このウーハー、異常なくらい感度が低いです。大体82dB程度です。かのSL700と遜色ないですね。余程moが大きいのでしょうか。

このウーハーの放射する低音の音圧は、ダクトに付属のスポンジを突っ込むことで1.5dB低減できます。また、ON/OFF式のスイッチがついていて、電気的にも1.5dB低減できます。

ただし、ダクトのスポンジの有無についてはレベルだけではなく、特性そのものが変わるので音質の調整は結構難しいかもしれません。私は概ねスポンジを外した方がふわっとした心地よい感触があって好きです。




メインスピーカーについて(2)

2004年10月16日 11時46分22秒 | 使用機器
さて、今回の画像が私のメインスピーカーの現物です。

メーカー名はAmphion(アンフィオンと呼びます)。北欧のフィンランドのメーカーです。契約が切れていなければ、今も日本に輸入されていて、我が国においてはオーディオリファレンスインクという商社が扱っています。

スピーカーの名は、XENON(キセノン)です。ちなみにアンフィオンは全てのスピーカーに元素記号をつけています。

当Blogのタイトルは勿論このスピーカー名から拝借しています。
”XENON”というのはちょっと変わり者とか異邦人とかなじめないとかいう意味を表すXENOSからの派生語です。

XENOS…ひねくれ者の私にぴったりだなぁと感じた次第。

ちなみにスピーカーこのネタであと10回は引っ張りたいつもりですので、ご了承下さい。

メインスピーカーについて(1)

2004年10月12日 12時22分26秒 | 使用機器
今回からシリーズ企画、「メインスピーカーについて」を書きたいと思います。スピーカーですから、もちろん使用機器カテゴリーの主役です。

私、このスピーカーのデザインが好きで、傑作とすら思います。一言で表すのなら
北欧!
これに尽きます。

フィンランド製だし、ユニットはノルウェイseasだし、色白で細身で品があって…
例えば強引に擬人化すると、って感じなんですよね。

あ、ちなみにこの画像は私の部屋ではありません。あしからず。