粟生が3-0の判定で初防衛に成功。
しかし秋葉の乱戦ペースに巻き込まれ、苦しい内容だった。
今年3月、梅津宏治からベルトを奪った時と同様、今回も会場は満員。
粟生というのは、それだけ期待値の高い選手なのだ。
しかし粟生は、その満場の観客を満足させるような試合をすることが
出来なかった。試合後のインタビューでは、反省の弁ばかりが聞かれた。
その原因の一端は、挑戦者・秋葉の戦い振りにもある。ひたすら強引に
前進してくる秋葉は、誰にとってもやりにくいタイプだろう。
しかし、そのことは粟生陣営も織り込み済みだったはずだ。にもかかわらず
それに充分に対処できなかったのだから、チャンピオンとして、あるいは
期待されるホープとして、いい試合をしたとは言えない。
粟生は、全くと言っていいほど接近戦をしなかった。秋葉が近づいてくれば
クリンチ、中間距離で1~2発パンチを打ってはクリンチ。
綺麗なボクシングにこだわりがあるのだろうが、綺麗なボクシングだけでは
綺麗な勝ち方は出来ないのだ。
試合はずっと煮え切らないまま進み、結局判定へ。パンチの正確さで
上回る粟生の勝利は間違いないところだが、微妙なラウンドも多かった。
終わってみれば、秋葉には粟生を脅かすような要素はなかった。
梅津戦でも似たようなことを書いたような気がするが、粟生を
苦しめることには成功したものの、勝利にはほど遠かった。
粟生とすれば、意を決して乱打戦に応じることも必要だったのでは
ないだろうか。ラフファイトを嫌がる素振りを見せれば、相手は当然
そこに付け込んでくる。クリンチに逃げるばかりではなく、時には
自分から接近戦を仕掛け、逆に相手をひるませることが出来れば、
その後の展開を有利に進められるだろう。
クリーンなボクシングを身上とすることは悪くないのだが、
それだけでは心許ない。粟生は「世界」を目指す選手。世界戦は
12ラウンドもあるのだ。常に自分の思うように試合が展開するとは
限らない。例え自分にとってあまり好ましくない展開になっても、
歯を食いしばって対抗する。それをやって世界チャンピオンになったのが、
粟生が兄貴と慕う長谷川穂積である。
梅津戦、そしてこの秋葉戦で、「粟生はラフファイトに弱い」と
いうのが定評となってしまいそうだが、これを克服しないことには
(精神的な意味で)上へは行けない。このままでは、パンチ力のある
ラフファイター、例えば元日本王者の渡邊一久のような選手と戦えば
KO負けする可能性すらある。ここを正念場として頑張ってもらいたい。
しかし秋葉の乱戦ペースに巻き込まれ、苦しい内容だった。
今年3月、梅津宏治からベルトを奪った時と同様、今回も会場は満員。
粟生というのは、それだけ期待値の高い選手なのだ。
しかし粟生は、その満場の観客を満足させるような試合をすることが
出来なかった。試合後のインタビューでは、反省の弁ばかりが聞かれた。
その原因の一端は、挑戦者・秋葉の戦い振りにもある。ひたすら強引に
前進してくる秋葉は、誰にとってもやりにくいタイプだろう。
しかし、そのことは粟生陣営も織り込み済みだったはずだ。にもかかわらず
それに充分に対処できなかったのだから、チャンピオンとして、あるいは
期待されるホープとして、いい試合をしたとは言えない。
粟生は、全くと言っていいほど接近戦をしなかった。秋葉が近づいてくれば
クリンチ、中間距離で1~2発パンチを打ってはクリンチ。
綺麗なボクシングにこだわりがあるのだろうが、綺麗なボクシングだけでは
綺麗な勝ち方は出来ないのだ。
試合はずっと煮え切らないまま進み、結局判定へ。パンチの正確さで
上回る粟生の勝利は間違いないところだが、微妙なラウンドも多かった。
終わってみれば、秋葉には粟生を脅かすような要素はなかった。
梅津戦でも似たようなことを書いたような気がするが、粟生を
苦しめることには成功したものの、勝利にはほど遠かった。
粟生とすれば、意を決して乱打戦に応じることも必要だったのでは
ないだろうか。ラフファイトを嫌がる素振りを見せれば、相手は当然
そこに付け込んでくる。クリンチに逃げるばかりではなく、時には
自分から接近戦を仕掛け、逆に相手をひるませることが出来れば、
その後の展開を有利に進められるだろう。
クリーンなボクシングを身上とすることは悪くないのだが、
それだけでは心許ない。粟生は「世界」を目指す選手。世界戦は
12ラウンドもあるのだ。常に自分の思うように試合が展開するとは
限らない。例え自分にとってあまり好ましくない展開になっても、
歯を食いしばって対抗する。それをやって世界チャンピオンになったのが、
粟生が兄貴と慕う長谷川穂積である。
梅津戦、そしてこの秋葉戦で、「粟生はラフファイトに弱い」と
いうのが定評となってしまいそうだが、これを克服しないことには
(精神的な意味で)上へは行けない。このままでは、パンチ力のある
ラフファイター、例えば元日本王者の渡邊一久のような選手と戦えば
KO負けする可能性すらある。ここを正念場として頑張ってもらいたい。
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