ボクシングレヴュー

「TM」はタイトルマッチ、階級名につく「S」はスーパー、「L」はライトの略です。

東洋太平洋ミドル級TM 佐藤幸治vs小松学 ほか

2007年12月15日 | 国内試合(日本・東洋タイトル)
佐藤が3ラウンドKOで、あっさりと2度目の防衛に成功した。

丁寧にジャブを突きながらプレッシャーをかけると、小松は
下がる一方。佐藤のパンチをよく見てはいたし、時折攻撃も
仕掛けるのだが、ジャッジにアピールするには物足りない。

そうこうしている内に3ラウンドを迎えた。打ち合いの中で
佐藤の左フックが当たり、それをきっかけに連打。ここは何とか
逃れた小松だったが、すぐにまた捕まり、ロープ際で倒されて
そのままカウントアウト。佐藤のKO勝ちが決まった。


もったりしたその動きは世界レベルとは程遠いが、東洋圏では
それなりの強さを発揮していくかもしれない。取りあえず、
日本王者の江口啓二との対戦を見てみたい。両者とも打ち合いが
好きなので、かなり激しい試合になるだろう。


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また、この日のセミファイナルには世界ランカーの西岡利晃が登場。
元東洋太平洋スーパー・バンタム級王者のペドリト・ローレンテ
9ラウンドKO勝ちを収めた。ローレンテとは約2年ぶりの再戦で、
初戦では西岡が判定で勝利している。

バンタム級で4度の世界挑戦に失敗した後、西岡は一つ上の
スーパー・バンタムに転級し、スタイルを少しづつ変化させてきた。
バンタム級時代は華麗でスピーディな動きが魅力だったが、
現在ではあまり派手な動きは見せない。ただし、相手のフェイント等に
対する反応はクイックで、スピードが落ちたというより、むしろ
無駄な動きを減らしているように思える。

攻撃面においても、階級を上げたせいか全体的に力強さが増し、
かつてはあまり好まなかった接近戦も厭わないようになった。
しかも、以前は左ストレートばかりが印象に残ったものだが、
今は左右ともにパンチが多彩になった。例えば内藤大助がそうで
あるように、見た目はやや地味になったが、総合力はアップ
しているのではないだろうか。

いい勝ち方をした西岡、そろそろ5度目の世界挑戦のチャンスが
やって来そうな気もするが、現在のスーパー・バンタム級王者は、
WBCがイスラエル・バスケス、WBAがセレスティノ・カバジェロ
両者とも時に安定感を欠くことはあるが、大変な強豪であることは
間違いない。西岡が多少強くなっていたとしても、やはり敵わない
のではないかという声が圧倒的だ。

しかし、それでも西岡には何とか世界を獲ってもらいたい。
慣れ親しんだスタイルを変えてまで「世界獲り」に賭けているのだ。
若く、きらびやかな才能を誇示していた頃の西岡より、個人的には
今の求道者のような西岡の方が好きだ。

2 コメント

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Unknown (まりぃ)
2007-12-18 10:40:35
西岡選手好きの私としましては、
ぜひともベルトをとって欲しいですね。
世界挑戦が東京でやるなら、観戦に行っちゃいますね~♪
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Unknown (たかお)
2007-12-18 17:46:49
まりぃさん、コメントありがとうございます。

人を寄せ付けないオーラのあった昔と違い、
今の西岡選手には人間臭さを感じます。
それはファイトスタイルにも表れているのでは
ないでしょうか。

坂田や内藤といった、世界の舞台で幾度も
辛酸を舐めた選手が王者になっているのが
今のボクシング界。西岡選手にも、いつか
苦労が報われる日が訪れて欲しいですね。
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