自己と他者 

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父親たちの星条旗

2008-04-27 10:50:42 | 映画

ダイレクター:クリント・イーストウッド

舞台:硫黄島

第二次大戦期

 アメリカが制圧した硫黄島にある山の頂き。

 小隊のなかの6人が、アメリカ国旗をその場所に建てるシーンの写真が、

従軍記者の撮影した写真記事となって、アメリカ中に広がる。旗を立てた

うちの生き残った3人が、英雄扱いされながら戦時国債購入キャンペーンに

広告塔として使われる。だが実は、その写真は二番目に建てた国旗であり・・・。

 映画全体は、生き残った3人のうちの一人の息子が、他の2人にインタービューする形で

展開されていくので、途中フラッシュバックがかなり多いのが特徴。

 日米両側からの視点として『硫黄島からの手紙』、『父親たちの星条旗』

と結実したわけなので、片方だけみて、完結とはいえないだろう。

 次は、『硫黄島からの手紙』をみる。

「~ひとたび命令が下されたら、それを拒否することは出来ない。誇張ではなく人命がかかっているからだ。一つ判断を誤れば仲間の兵士が死ぬこともありうる。要するに軍隊を動かすのはこの事実だった。多くの人は、どうして兵士は毎日命を危険にさらしていられるのか、どうして自分の信条と反する場合にも戦えるのかと疑問に思うだろうが、それはこういうことなのである。

 兵士は必ずしも信条のために戦っているわけではない。僕が一緒にやってきた兵士たちは、さまざまな政治的信条の持ち主だった。軍隊を憎んでいるやつもいたし、単に自分のキャリアにして人生を有利にしようと考えているやつもいた。天才もいれば、愚か者もいた。だが結局のところ、僕たちは仲間のためになすべきことしていた。友情のためだった。国のためでもなく、愛国心が有るからでもない。殺人機械としてプログラミングされているからでもない。隣の兵士のため、仲間のため、彼を生かしておくために兵士は戦う。彼も僕のために戦っている。軍隊全体がこの単純な前提にのっとって構築されていた。」(『きみを想う夜空に』(エクスナレッジ)p.30より)

少なくとも、確かにこの映画では、こうした前提にのっとっていた。思い出したので、引用させていただいた。

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