050)加藤登紀子さんの大同訪問

 国連環境計画(UNEP)親善大使の加藤登紀子さんが、中国訪問の貴重な時間を割いて、7月21日、大同の私たちのプロジェクトを回って激励してくれました。  最初にワゴン車を止めたのは北京の水源の桑干河。最近7年のうちでは水が多いものの、流れとまではいかず、水質は悪化しています。水問題の深刻さを実感してもらったことでしょう。  渾源県呉城郷はアンズの収穫の真っ最中でした。94年から私たちが協力してきた . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

049)手

とくに南方の、都会の人が農村にくると、よけいなことを口にするんですよ。「ここの人が貧乏なのは、働かないからですよ」。カッとなって、手がでそうになるのを、私は懸命にこらえます。生まれたところがちがうだけなのに、なんてことを言うんですか!  老人たちの手をみてください。これが働かない怠けものの手ですか。働きに働き、土がしみ込んでまっ黒になった、グローブのように大きな手です。  1人の老人が私に話しまし . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

048)小老樹

大同は北京の水源で、風砂の吹き出し口です。中華人民共和国が成立し、北京が首都に定まると、大緑化運動が始まりました。桑干河沿岸の県では総面積の20%以上も植林されたところがあります。建国の意気込みが緑化にも向けられました。  植えたのはポプラの一種の小葉楊。育苗がまにあわず、採ってきた枝を現場で挿し木したそう。面積が面積ですから、いくら人海戦術といっても、たいへんな苦労だったでしょう。  植えて10 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

047)火力発電

山西省大同市は中国最大の石炭の街です。経済のすべてを石炭が支えているといっていいくらいで、街中が黒くくすんで、文化の香りはいたって乏しい。  とくに冬がひどいんです。地表の温度が上空より低いために、逆転層ができて、煙が低いところに立ち込めます。まるで煙突かオンドルのなか! ものすごく臭いし、目はしょぼしょぼ。  石炭を生かした産業の一つが火力発電です。大きな発電所が2つあり、新鋭の(といってもかな . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

046)水がなくなる官庁ダム

ことしの3月、官庁ダムをみてきました。ご存じのように密雲ダムとこのダムが北京の主要な水ガメです。  水がないときいてましたけど、これほどとは思いませんでした。以前の水際に比べ、現在のそれは1キロ以上も後退しています。かつて湖の底だったところが、ブドウやリンゴの果樹園、ヤナギの苗畑などに変わっています。トウモロコシの作付け準備をしている農民もたくさんいました。周囲のぐるりで同じことが起こるわけですか . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

045)万里の長城

大同は山西省最北部の市で、内蒙古自治区に接します。境界にあるのが万里の長城。観光用に修復された八達嶺あたりとはちがい、土をつき固めた版築で、風化するにまかされています。  万里の長城と年間降水量4百ミリのラインは一致している、といわれます。地図でたしかめると、だいたいのところでそのとおりです。天水農業の成り立つ限界が4百ミリで、それより雨が多ければ農耕社会、少なければ遊牧ということでしょう。  文 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

044)芽生え

 昨年の7月、大同県で豪雨があり、聚楽村では土石流で4人の死者が出ました。私たちの「カササギの森」でも、大は一抱え以上のポプラから、小はヤナギハグミ(沙棘)やヤナギなどのブッシュまでが流されてしまいました。年々緑が濃くなり、自然の公園のようになっていたのに、石と砂利の河川敷に戻ってしまったのです。  ところが…、写真をみてください。今年の4月初め、そこにたくさんの芽がでていました。場所によっては、 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

043)古い町並み

農村でアンズの苗を植えて、陽高県の県城に帰ってきたときのことです。マイクロバスがやっと通れる狭い道路の両側に、崩れ落ちそうな建物が連なっています。冗談で「重要文化財だぞ!」といったんですけど、ほんとうに由緒がありそう。翌朝、ツアーのなかまには内緒で、写真を撮りに行きました。  驚いたのは柱や梁をはじめ骨格が木造なんです。ずいぶん太い木が使われ、釘なんかを使わないで木組みによって建てられています。規 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

042)平型関

4月初めの3日間、中華全国総工会の副主席一行が私たちのプロジェクトを視察しました。大同を総工会の環境保全活動の拠点にしたいということです。  最終日の夕刻、霊丘県の平型関を訪れました。板垣征四郎麾下の日本軍が林彪指揮下の八路軍に待ち伏せ攻撃を受け、1千名の部隊が全滅したところです。盧溝橋事件のあと連戦連勝していた日本軍が初めて敗れたわけです。この勝利で八路軍は名声を高め、抗日戦争の展開に大きな影響 . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

041)清明節

日本の春の彼岸にあたるのが中国の清明節で今年は4月4日。上墳(墓参り)している人をたくさんみます。それまでに墓の土盛りをしなおし形を整えるのですが、今年は陰暦の閏年のため、それはしません。マントウをはじめ故人の好きだった食べ物を備えます。男しかみないのは、清明節には女性は上墳をしない風習のため。都市は一家そろってですけど。  日本の墓参りは水を使いますが、こちらでは火。紙銭を燃やし、煙にして、あち . . . 本文を読む
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )