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高徳寺様客殿増築
焼津市宗高にある高徳寺客殿完成写真。
今日、完了検査済証も発行されたので私としてはこれでやっとひと息つけることができました。
工事そのものも大変でしたが、着工までの道のり、言い換えるならば法的に計画工事の許可を得るまでが大変でした。
都市計画法29条第1項の申請や建築確認申請に費やした時間と労力は相当なものとなっています。
これほどまでに工事着手までの道のりが険しかった仕事は今までありませんでしたし、今後もないような気がします。
工事着手後も着手後でいろいろありました。
工事中に私の精神状態も相当おかしくなり、運転中視界がぐにゃぐにゃになったことがありました。
後にも先にもこんなことは一回だけでしたが、かなり追い込まれた時期があったことは確かです。
ただ、絶対にこの工事を完成させるのだという強い意志だけは私の中に常にありました。
何かをやり遂げる際には、強い意志がなによりも大事だということは、この現場でつくづく感じました。
今回は、他の工事依頼などへの対応や昨年10月頃の台風への対応もあり、位牌堂完成から続けて客殿の増築工事へと進むことが出来ませんでした。
加えて、客殿工事は予想以上に腐朽が進んでいたことも長期化の原因となっています。
そのため高徳寺様の工事を長い間やっているなと思った方も多いと思います。
ご住職様には、事情等はその都度丁寧に説明し、ご了解を得た上での長期化とはいえ、ご迷惑をおかけしたことは確かです。
私自身は、この工事によって寺院建築の修理工事や増築工事に関する経験値が大幅に向上したと同時に怖さも知りました。
まだまだ寺院建築については未熟で偉そうなことなど何一つ書けませんが、少なくとも一級建築士になったばかりの5年ほど前に比べたらかなり成長したという自信はあります。
ただし、その小さな自信が、いつのまにか慢心や過信とならないように気を付けなければなりませんし、他の方々の現場や仕事を学ぶことで、自分の立ち位置がどこなのかをしっかり認識できるように心がけていく必要があります。
話を高徳寺様の現場に戻します。
高徳寺様の新しい位牌堂と増築された客殿は、ご住職の想いが詰まっています。
そのご住職様のお手伝いができて光栄です。
檀家の皆様が新しい高徳寺をみて喜んで頂けることを祈りつつ、久しぶりにこのブログで工事完了の報告をさせて頂きます。
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