【産経抄】
ナイーブという言葉を大辞林で引けば、「純真なさま。また、物事に感じやすいさま。素朴」とある。「ナイーブな感性」といえば、普通はほめ言葉だ。
▼もとの英語のnaiveは、「世間知らず」「甘い」「ばかげている」といった、むしろ否定的なニュアンスを伴うことが多い。米国の新聞記事では、けなし言葉での用例が90%以上を占めていた(『英単語のあぶない常識』山岡洋一著)。
▼東京都羽村市の市立小学校に勤務する渡辺敏郎教諭(33)が作成したホームページ(HP)には、交通事故に巻き込まれて亡くなった子供たちの写真が、無断で掲載されていた。引用するのも汚らわしいコメントも書き込まれていた。
▼謝罪会見を行った羽村市教育委員会の幹部や校長は、よほどナイーブな感性の持ち主なのだろう。ネット上に跋扈(ばっこ)する小児性愛者や死体愛好者たちは、神聖なる教育現場とは無縁の存在だと思い込んでいたらしい。いや、そう思いたかっただけなのか。
▼今年6月、著作権法違反容疑で愛知県警の家宅捜査を受けたことは、教諭から報告を聞いていた。9月に書類送検された後も、誰一人としてHPの内容を確かめなかった。子供たちの安全確保が最優先課題のはずなのに。「本人の熱意を信じた」という、その対応はnaive(ばかげている)としかいいようがない。教壇に立ち続けた教諭は、削除される度にHPを復活させ、遺族の心を切り裂いた。
▼ワイドショーの取材では、この教諭が女子トイレに入ってきた、女子児童の太ももをさわった、などという証言もある。教諭本人は雲隠れしたまま、教育長らがカメラの放列の前で頭を下げた。お決まりの光景は、子供たちの目には、茶番にしか映らないだろう。
(2006/12/06 05:03)
◇
やっと今朝になって産経抄が「ヘンタイ教師HP事件」を教師の異常な性癖としてではなく、
教育委員会及び学校側の「異常な対処」として報じた。
「naive」という単語には甘いという意味もあるらしい。
社説でも「【主張】教委の体質 遅すぎる教壇からの排除 」と題して、
≪学校も市教委も、教師の問題行動に対し、あまりにも鈍感である。教師の自宅が捜索を受けた時点で、HPの内容などを詳しく調べ、この教師を教壇から外しておかねばならない。
市教委は都教委と協議し、問題教師の扱いについて厳正に対処するとしているが、市教委と学校の不適切な対応にも厳しい指導が必要である。≫
と都教委と学校側の責任に触れている。
マスコミが騒ぎ出す11月まで問題のHPが開設されていた事実を問われて、都教委も校長も「家宅捜索されたのでHPも警察が何とかしたと思っていた」と無責任な発言をしている。
彼等の「ナイーブ」な責任転嫁の弁はさておいて、当の警察の「ナイーブ」な対応については「産経抄」も「主張」も触れていない。
ヘンタイHPが発端で、当事者の教師が警察の家宅捜索や事情聴取、そして書類送検まで受けていたら、「ナイーブ」な都教委、校長でなくとも警察が問題のHPを押収・削除しただろうと思うだろう。
(それを確認しなかった都教委、学校側の責任、それにの後も教壇に立たし続けた責任は別にあるが・・・。)
問題のHPに掲載の、警察から入手したとか思えない交通事故写真、の入手経路。
そして件の教師の父親が元県警本部長でNHKの顧問も勤めた経歴と「写真入手疑惑」についてはメディアは報じていない。
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