県は12日、10歳未満から90代の男女732人の新型コロナウイルス感染を発表した。1日の報告としては過去最多で、これまで最多だった5日の648人から84人増加。入院調整中で自宅待機していた那覇市の40代男性の死亡も確認され、県内の死亡者は合計243人になった。40代男性の死亡は感染者急増で保健所などが多忙となり連絡が遅れたことが一因となった可能性がある。(26・27面に関連)

 男性は1人暮らしで基礎疾患があった。今月6日に陽性を確認したが保健所や県が電話連絡を取れず、2日後の8日に保健所職員が自宅を訪問して亡くなっているのを確認した。

 12日時点の入院・療養調整中は1991人、自宅療養は2187人でそれぞれ過去最多を更新。入院調整中に死亡したのは今回の男性で3例目となる。

 感染力の強いインド由来のデルタ株の疑いがある陽性者の割合は308件中269件で87・34%。今週は途中経過のため単純比較はできないが、先週の78・9%を上回り置き換わりがさらに進んでいる。

 過去最多となった12日発表の732人は年代別で見ると10歳未満が85人、10代83人、20代183人、30代142人、40代98人で40代以下の感染が全体の80・7%を占めた。

 玉城デニー知事は「デルタ株で従来感染しにくいと言われた子どもの感染が拡大し、その親世代にも広がっている」として感染対策の徹底を呼び掛けた。

 人口10万人当たりの感染者数は249・31人で全国1位。2位の東京都199・59人よりも約50人多い。

 感染経路が判明しているのは305人。内訳は家庭内が192人と突出し、職場内46人、友人・知人39人と続いた。米軍関係は新たに14人が感染し、累計は1758人になった。

(写図説明)県内の新型コロナウイルス1日の感染者数の推移

(写図説明)7・8月の沖縄の感染者