4月12日のエントリー【「組織的強制徴用なし」 慰安婦問題 米議会調査局が報告書】で、
米下院調査会が慰安婦の日本軍による強制性はなかったという報告を報じた産経記事を引用した。
だが、記事中の次の部分が気になった。
<一部の言明は徴用にはいかなる軍の強制もなかったと受け取られ、日本政府自身の調査をも含む元慰安婦らの証言に矛盾する-と批判し、「強制性」の最大の論拠としては2002年に米英両国で出版された「日本の慰安婦」(田中ユキ著)という英文の書を挙げた。>
この田中ユキという謎の女のことはさておいて、米国下院調査会は昨年の4月にも「慰安婦」についての調査報告書を提出していた。
だが、その調査は日本の学界では既に論破され尽くし、これを使うと「自爆資料」となる
①詐話師・吉田清作の著書、
②吉見中大教授発見の「副官より、中国北部方面軍、及び、中国中部派遣軍 参謀長宛の通牒案」を強制連行の参考資料にしていた。
件名 『軍の慰安所従業婦等募集について』
副官より、中国北部方面軍、及び、中国中部派遣軍 参謀長宛の通牒案
日中戦争における慰安所設置の為、募集業者が慰安婦を募集する際、“日本軍の名義・権威を利用し、その結果 日本軍の威信を傷つけ、庶民の誤解を招く事例”や“従軍記者、慰問者などを通じて、不統制に募集し、社会問題を惹起する事例”や“慰安婦を募集する業者が相応しくない場合、誘拐に類した方法を使い、警察の検挙・取調べを受ける事例”など注意を要する事例が少なくない。
将来、慰安婦の募集に関しては、派遣軍がこれを統制し、慰安婦募集業者の選定を周到・適切に行い、慰安婦募集に際しては、関係地方の憲兵、警察当局と協力すること。
日本軍の威信保持、また社会問題上、遺漏のないよう十分配慮することを依命、通牒する。
1938年3月4日
*
普通の読解力があるなら「軍と警察が協力して、民間の悪徳業者を取り締まれ」という内容は自明ある。
子供にも分るように言えば
「悪い事をしたらお巡りさんに捕まるよ」ということ。
①詐話師・吉田清作のデタラメ著書はともかく、②吉見中大教授発見の「副官より、中国北部方面軍、及び、中国中部派遣軍 参謀長宛の通牒案」を故意に反対に英訳したものを参考にしているのに驚きだ。
昨年の米下院調査会は全て逆に解釈して「~してはいけない」の「~の部分を日本軍が行った」というトンデモ解釈。
いわく「脅したり、騙したり、看護婦にすると軍を騙ったり」で、悪徳女衒の悪行を全て日本軍の行為と見做す不勉強ぶり。
ところが今年の調査報告書では勉強したのか上記二つの自爆資料の欺瞞性に気が付いて、強制性を否定した。
そして今年の調査報告書では三つ目の「自爆資料」田中ユキの「日本の慰安婦」に触れてしまったのだ。
その前に昨年の「米下院報告書」の①、②の「自爆資料」触れた部分を下記に引用。
April 10, 2006
Congressional Report Services Memorandum
Japanese Military’s “Comfort Women”
(前略)
Accounts of the Comfort Women System
An early detailed revelation came from Yoshida Seiji, a former Japanese military policeman, who wrote a book in 1983 entitled My War Crimes: The Forced Draft of Koreans in which he described his participation in the roundup of over 1,000 women in Korea for service as “comfort women” to the Japanese military. In 1982, eight Japanese intellectuals issued a statement calling on the Japanese government to acknowledge and apologize for Japanese abuses in colonial and occupied countries; the statement specifically mentioned comfort women. (略)
It cited Japanese military documents describing the establishment of comfort women facilities in 1937 in China after the Japanese invasion. The documents contained orders from the Japanese army to local police and Japanese colonial government officials in Korea to set up comfort women facilities. The report asserted that thousands of women were rounded up and/or were threatened if they did not “volunteer” for service. Japanese colonial officials also used deception in recruiting women, often telling them that they would serve as nurses to the Japanese military. The South Korean report estimated that there were about 70,000 to 80,000 Korean comfort women. [1](以下略)
*
米下院調査会が「慰安婦」について専門員による調査を行った際の参考資料にユキ・タナカの「日本の慰安婦」という英文の出版物の記述がある。
名前からして日本人だろうと思い、日本人ならそれらしい日本語の出版物もあるだろうと検索したが不思議とヒットせず早々に諦めてしまった。
ところが上には上がいるもので「東アジア黙示録」さんhttp://dogma.at.webry.info/が幾つものハードルを乗り越えて、遂にユキ・タナカの正体を突き止めた。
そのミステリー小説もビックリのスリリングな追跡の模様は下記引用で見てもらうとして、驚いた事に「日本の慰安婦」の著者・ユキ・タナカは男性でし、かも日本在住のサヨク学者の世を忍ぶ別名であった。
何とユキ・タナカはトシユキ・タナカというおっさんの別名だったのだ。
「東アジア黙示録」さんはユキ・タナカがヒットしないが「トシユキ・タナカ」というサヨク学者をネット上に炙り出した。
以下「東アジア黙示録」http://dogma.at.webry.info/さんの引用。
【トシユキ・タナカの正体判明】
変わった名前なら好都合だが日本に「たなか・としゆき」は4桁単位で存在していそうだ。雲をつかむような追跡…ではなかった。検索で簡単に割り出せた。
国際基督教大社会学研究所のページに「Toshiyuki Tanaka」のローマ字表記込みでプロフィールが掲載されている。
漢字で田中利幸。スタンスの判り易い著書も出版している。
『知られざる戦争犯罪-日本軍はオーストラリア人に何をしたか』
しかも左翼出版社として有名な「大月書店」から発行されている。ちなみに吉見義明の『従軍慰安婦資料集』も同じ大月書店だ。トリックの仕掛けが徐々に見えてきた…
田中利幸の正体は、ハッキリしている。
悪名高い反日組織「広島平和研究所」の研究員だ。この研究所は、広島市立大の中に置かれ、所長は浅井基文(あさい・もとふみ)。
浅井基文については、11月23日付けエントリ『反日文化人の断末魔…浅井基文の親北暴言』で軽く批判しておいたが、外務省中国課出身の元媚中派官僚だ。浅井は、北朝鮮の核実験宣言後、朝鮮総連幹部と一緒に総連施設内で講演を行っていた…
広島平和研究所は、反核運動の牙城でもあるのだが、北朝鮮の核には大賛成する不思議な組織だ。「赤い核は平和の核」と言い切る大矛盾、自殺行為だが、お笑いでは済まされない。
この研究所の実態は、複数の在日学者も抱えた親北シンクタンクである。そこで飼われているのが、田中利幸だ。
▽田中利幸(同研究所HPより)
もちろん田中利幸も親北派と見なして良い。近・現代史で重要な「中立的な視点」など初めからないのだ。
【田中利幸は定番の反日研究者】
田中利幸の活動は朝日新聞でも取り上げられている。原爆投下の犯罪性を問う“国際民衆法廷”の設置を画策しているとのニュースだった。
“民衆法廷”とはバウネットのお株ではないか…実際に田中利幸の講演内容を見ると、かなり香ばしい反日脳の持ち主であることが分かる。
参照:国際シンポ「ジェンダーと国民国家」
米議会調査局は、そんな男が書いた研究書を「強制性の論拠」として有り難く活用してるのだ。吉田清治本を証拠とした前の報告書と変わらないお粗末さだ。
田中利幸の手による『日本の慰安婦』は、研究書と言うよりも謀略書である。何よりも日本語版を出していないのが、怪しい…
恐らく我が国では通用しない内容であることを著者自身が良くわきまえているのだろう。スクープ的な証言・証拠資料が盛り込まれていれば、日本でも出版されて話題になるはずだ。
ちなみに田中利幸は、2003年には村山富市プレゼンツの「アジア女性基金」主催シンポジウムにも参加している。
▽田中の参加したシンポジウム(同基金HPより)
参照:「慰安婦」問題とアジア女性基金の償い事業
【田中ユキは日本女性ではなかった】
トシユキ・タナカの正体は判明した。しかし、ユキ・タナカが何者であるか、未だ謎である。その中、ユキ・タナカが書いた論文をネット上で発見した。政治的な問題を取り扱う米国のニュースレターだ。
参照:Firebombing and Atom Bombing By YUKI TANAKA
「大空襲と原爆投下」と題された論文。田中利幸の守備範囲とも重なっている。その末尾にユキ・タナカのプロフィールがあった。
▽証拠画像
Yuki Tanaka is a research professor at the Hiroshima Peace Institute and a coordinator of Japan Focus
何と、ユキ・タナカも「広島平和研究所」の研究員だそうだ。同研究所のHPに「田中ユキ」の名前は現在ない…怪しい。
実は、田中ユキと田中利幸は同一人物なのではないか?
プロフィール欄をよく読むと著書の紹介として「His books~」とある。田中ユキが女ならば「Her books」だ。つまり田中ユキは男なのだ。
殆ど確定と言って良いだろう。田中ユキは田中利幸の別名義だ。そうであれば大問題である。
【女性名で米国人をダマす幼稚な詐欺】
「ユキ」という日本女性の名前は一般的で、外国人でもそれが女性名と分かる者も多いだろう。著者がマーガレットやキャサリンであれば「女性だな」と考えるのと同じだ。
推測だが、田中利幸は敢えて著者として女性名を使った…
女性の人権問題を問い掛けるには、訴える者が女性である方が効果的だ。女性からの告発なら、より心理的な圧迫感を読者に与えられる。
▽『日本の慰安婦』表紙の一部
外国人を欺くトリックだ。
更に、本当の執筆者が親北シンクタンクの研究員である事実を巧妙に隠す為の詐術でもある。
米議会調査局のスタッフも「ユキ」の正体が中年オヤジだと知ったら、読み方も違ってくるだろう。参考書『日本の慰安婦』には、詐欺的な要素が最初から埋め込まれているのだ。
更に上記のプロフィールからは「田中ユキ=田中利幸」が反日グループ「Japan Focus」のコーディネーターであることも明示されている。
Japan FocusのHPを見ると、ノリミツ・オオニシが寄稿していたり、バウネットと連携していることも簡単に分かる。
米議会調査局は、田中ユキ=田中利幸の正体を正確に把握すべきだろう。論拠とした『日本の慰安婦』なる本は、事実を追及した研究書ではなく、最初から「反日ありき」のプロパガンダ本だ。
最後の拠り所の『日本の慰安婦』もまた吉田清治の『私の戦争犯罪』と同じく、不安定な性能の“地雷”である。
それが炸裂した時、慰安婦の強制性をめぐる疑いはオールクリアーになる。
さあ、米議会調査局はもう1回、再調査せよ。
慰安婦策動の打破まであと一歩だ。
◇
実に興味津々のユキ・タナカ追跡劇であった。
「東アジア黙示録」さん、お見事!
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