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 トランプ米政権は6日、知的財産の侵害を理由に、中国からの輸入品340億ドル(約3・8兆円)分に25%の追加の関税をかける制裁を始めた。中国も同日、米国に同規模の報復措置を開始。米中の対立がエスカレートすれば、世界経済に深刻な影を落とす可能性がある。

 両国はさらなる制裁と報復の応酬を視野に入れている。根底には、技術・軍事覇権を巡る米中の激しい対立があり、緊張が長期化するおそれもある。

 トランプ大統領は5日夕、追加の関税措置を発動する意向を改めて表明。続いてモンタナ州で演説し、「米国はどの国からも金を奪われるブタの貯金箱だった」と最近の演説で多用する言い回しを使い、「かつて負けた貿易戦争に今度は勝つ」「勝ち続ける」と連呼すると、喝采が上がった。

 米政権は6月15日、中国からの輸入品500億ドル分に25%の関税を上乗せする制裁を発表。うち6日に発動した340億ドル分は、その第1弾。対象はハイテク製品や電子部品など818品目で、製造業の強化を図る習近平(シーチンピン)国家主席肝いりの産業政策「中国製造2025」を狙い撃ちする。

 一方、中国側は同額の報復関税で対抗し、世界貿易機関(WTO)に米国を提訴。中国中央テレビによると、李克強(リーコーチアン)首相は6日、「相手方が追加の関税措置で貿易戦争をしかけるなら、中国側は必ず相応の反撃をする」と強調した。

 対象は米国から輸入が多い大豆や綿花、食肉、自動車など545品目。11月の中間選挙を前に、トランプ氏を支持する農業や製造業地帯を標的にしたとみられる。

 米側は、矢継ぎ早に中国に圧