「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

防災学はどこへ向かう?

2014-12-23 23:50:38 | 地域防災
ありがたいことに、年末年始に少しまとまった休みをとることが出来る。

休みの初っ端は、それまでの疲れがたまったのか、ベッドの中でとなってしまったが、
ここからしばらく、自分で仕事を調整できる時間が続く。
となれば、普段、なかなか考えられないことも、少しはしっかり考えなければ、と。

未だすっきりしない頭ゆえ、ネタは昨日の拙ブログからもらうこととしよう。
日本の防災学は、どこへ向かうのだろう。

土曜日の四日市の「山本組」の方々との議論、また、日曜日の黒田裕子さんを偲ぶ会への出席者を見て、
どういうメンバーが、これから先、日本の防災学を導いていくのか、考えさせられた。

学問のための学問をやられている方には、がんばって下さい、と言うしかない。
また、まだあと数年は防災でお金が取れるだろうから、自分の分野に何らかの形で防災を当てはめ、
研究テーマを作っている方にも、がんばって下さいね、と言うしかない。
現場で役に立ってナンボだが、同時に、裾野が広がらなければ高いものは出来ない。
一人でも多くの人が関心を持ってもらえるならば、というので、質は問うまい、との思いはある。
まぁ、それはそれとして。

現場があってナンボ。被災者に寄り添ってナンボ。本当の学びは現場にしかない。
それを実践している、かつ、分野横断的な者として、誰の顔と名前が思い浮かぶのか。
また、その体系はどのようなものになるのだろうか。

社会科学系で防災を語れる者は、本当に少ない。
ただ、残念ながら、そのことを本学で嘆いても、声は虚しく消えていくだけ。

かといって、実践の場で学問的体型性を語っても、これまた虚しくなる。
防災ボランティアしかり、○○士とかいう資格ビジネスしかり。

一人で研究活動を続けていく中で、歴史学の中に災害研究というサブフィールドを位置づけた、
北原糸子先生のような方もおられる。

己の学問的背景は一体何なのか。そして、その学問的系譜のどの部分に、
実践に役立ってナンボという防災を、どう位置づけるのか。
小手先のノウハウ集の集大成とは質的に異なる、アカデミックな体型性をもつもの。

約2週間の年末年始休暇の間、そんなメモを作りつつ、過ごすことになりそうである。