「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

秋葉原~羽田~神戸・三宮・南京町

2007-03-02 23:42:02 | Weblog
 寝たら起きられなくなると思い、結局一睡もせず。

 6時過ぎには事務所を出て羽田へ。ラウンジで時間調整の後、JAL1341便で
神戸へ。乗機は国際線仕様のB777-200、何と機長は従兄弟のK.H.いつかは
そういうこともあるかも、とは思っていたが、国際線が中心と聞いていたので期待は
しないでいた。偶然に感謝。

 ただ……。操縦席からの機長挨拶を聞きたかったのだが、何せ当方は完徹の身。
離陸のシートベルト着用サインが消えたら、シートを一杯まで倒してアイマスクとノイズ・
キャンセラー・ヘッドフォン着用で爆睡。そうある機会ではないだけに残念……。

 ポートライナーで三宮駅。QBハウスで散髪している間に頭の中で餃子が動き出す。
どうにも止まらず、元町までJRで一駅乗って南京町へ。8年ほど前に一度連れていって
もらったことのある老舗の餃子屋で青島ビール&餃子。思いが適った。

 神戸で時間が取れた時のいつもの習慣で、元町通りの海文堂へ。震災関係の2冊を
含む5冊を買う。

 1冊は大石英治の新刊『死に至る街』。氏の著書は必ずチェックしている。最新刊の
テーマは「ロシア極東で細菌兵器として開発された狂犬病ウィルス」「地球温暖化で
日本でも生存・繁殖できてしまったチスイコウモリ(注:世界で唯一の吸血コウモリだが
襲うのは家畜で人間は襲わない)」「北朝鮮の体制変革に熱心な在日出身の北朝鮮
大物スパイ」「レジーム・チェンジに必要な資金調達を、日本に社会混乱を引き起こし、
その火事場泥棒で稼ごうという計画」「彼に協力するヤクザ」等々という、いつもながら
「十分有り得るよなぁ……」という舞台設定。安全保障・危機管理を考えるための、
格好の「リトマス試験紙」である。

 もう一冊は、遅ればせながらの購入ながら、佐藤優の『獄中記』。この力作と著者に
ついては、読後感も含めて後日改めて語りたい。


 もう一冊は、なぜか夏目漱石の『草枕』。先日、総務省消防庁のヒアリングで京都に
行った際、久しぶりに寺町通りにある蓬莱堂茶舗に寄ることが出来た。そこのご主人に
教えてもらった『草枕』の一節を、どうしても原本で確かめたくなった。

 「……。茶碗を下へ置かないで、そのまま口へつけた。濃く甘く、湯加減に出た、重い
露を、舌の先へ一しずくずつ落して味って見るのは閑人適意の韻事である。普通の人は
茶は飲むものと心得ているが、あれは間違だ。舌頭へぽたりと載せて、清いものが四方へ
散れば咽喉へ下るべき液は殆どない。只馥郁たる匂が食道から胃のなかへ沁み渡る
のみである。歯を用いるは卑しい。水はあまりに軽い。玉露に至っては濃かなる事、淡水の
境を脱して、顎を疲らす程の硬さを知らず。結構な飲料である。……。」

                                    (新潮文庫版、101ページ)

 ※ 閑人適意の韻事 ひまな人間がきままに行なう風流
                                    (同 203ページの注解より)


 蓬莱堂となると、不義理ばかりしているが島根のM君は元気だろうか……。

 早めにホテルにチェックイン。仮眠のつもりが……。
                                         (3月4日記す)