<斐川町中州>
さてさて、昨日は「牛族」と「龍族」
についてご紹介しましたが、
このテーマに没頭すると
かなりの文字数を取られそうなので、
折々に触れるとして、出雲そして
ワラヘビとも深く縁する「荒神様」
へと話に移すことにしましょう。
出雲地方に限らず、日本の至るところで
祀られる「荒神様」は、比較的私たちの
身近にいる神様といっても差し支えない存在です。
ただし、「果たして荒神とは何ぞや」と考えると、
なかなか明確なイメージがわかないもので、
その最たる理由としてあげられるのは、
「荒神の定義が複雑」ということかもしれません。
台所の守り神とされる竈の神、
竈の神と仏教とが習合した三宝荒神、
家の周辺を守る屋敷神、
屋敷神から発展した同族神・村落神などの地荒神、
あるいは山の神や牛馬の守護神、
また祖霊神に至るまで、多彩な顔を持ちながらも、
その正体が何であるかはまったくの謎……。
唯一の共通点として語られるのは、
「祟りを成す」ということのみで、
その全容を解き明かすことは容易ではないのです。
そんな分厚いベールに包まれた
荒神信仰が盛んな地域のひとつが、
実は出雲地方のある島根県なのでした。