<国立民族学博物館>
インドでは蛇のことを「ナーガ」と呼んで丁重に扱い、
釈尊は「ナーガの末裔」とも言われているそうです。
「ナーガ」という響きからイメージするのは、
日本でいう「長物」という蛇類を指す言葉、
そして「ナガ」のつく古代人や地名かもしれません。
もしかすると、「ナガ」の響きを有する
「モノ」たちは、海人族(龍蛇族)との縁を
持つ人や名称であり、彼らが信仰していた対象が、
いわゆる「長物」だった可能性もありますね。
ちなみに、古代より「龍族(龍蛇族)」の人々は、
以前記事にした「殺牛祭祀」とも深く関わる
「牛族(牡牛族)」との争いを繰り返して
来たという話があり、世界各地の伝承の中には
「龍」と「牛」との対立を暗示させる逸話が
驚くほどに多いのだとか……。
一説に、「牛族」の圧力に屈した「龍族」が、
現在の中東あたりからインドや中国南部、
東南アジアなどを経由し、
日本で海人族となったなどの噂もありますが、
この説の中に幾ばくかの真実があるとすれば、
昨日ご紹介した「虫おくり」の所作なども、
「虫(龍)」と「家畜(牛)」
そして「大国主神」と「大歳神」
との間で起こった諸々の出来事に、
「龍族」と「牛族」を投影した
内容だといえるのでしょう。