<市鹿野・熊野十二神社 いちかのくまのじゅうにじんじゃ>
太間川と別れを告げ、すさみ町の市街地から
和歌山方面へと車を走らせるとほどなく、
日置川(ひきがわ)が見えてまいります。
日置川とその支流の一帯にかけては、
無社殿神社が密集する地域のひとつですが、
いかんせん点在するエリアが広範囲にわたり、
また資料やデータの類も極端に少ない
「無社殿神社の未開地」でもあります。
まず初めに向かったのは、西牟婁郡白浜町の
市鹿野という地区にある熊野十二神社です。
ちなみにこちらは無社殿神社ではなく、
近隣地区の氏神を合祀した側の場所で、
古くは「熊野権現社」と呼ばれていました。
現在の主祭神はイザナギ・イザナミの夫婦神ですが、
もともと土着の神をお祀りしていた場所に、
熊野三山の神様が習合していったのでしょう。
毎年11月に開かれる例祭には、獅子舞が奉納され、
氏子だけでなくこの地を離れた親族なども集まり、
賑やかにお祭りが執り行われると聞きます。