<白人神社 しらひとじんじゃ>
***** 忌部4/祭礼と祭神 *****
冬から春にかけて、あちこちの神社では、
「御的神事」と呼ばれる儀式が行われます。
太陽信仰の名残とも言われる「御的神事」は、
弓矢で「餅」や「丸い的」を射抜き、
来る年の豊穣を祈る「予祝」のお祭りですが、
ここ阿波でも、多くの御的神事が残っており、
もともとは猪、馬、鶏などを射止めて、
神に献上していたと聞きます。
恐らく、忌部氏の一族の中には、
狩猟民族の系統を受け継ぐ集団が存在し、
彼らが続けてきた生贄を捧げる風習が、
弓矢の儀式から御的神事へと
つながったのかもしれません。
75人の忌部の宮人がいたことで知られる
美馬市の白人神社にも、御的神事が伝えられ、
古くは弓矢を専門に作る集落も存在したそうです。