治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

なまはげとしての二次障害

2015-05-18 09:55:45 | 日記




リア充な五月。今月二度目の温泉。
チェックアウトしたあと、宿のお庭でゆっくりお茶をしました。
ちょうどいい気候。とても気持ちよかったです。

といってもここでは、ただぼんやりしてたわけではなく
iPadで原稿やっていました。
今やっている本、ゆっくりゆっくり作っていたのですが
ちょっと巻いた方がいいかな、という感じになってきましたのでね。

「発達障害は治りますか?」を出して五年目の今年。
それにふさわしい企画になると思います。
ま、その分ギョーカイトラウマが出てしまって、それで休み休みやっているので進行がゆっくりなんですけど。

それから旧街道をてくてく歩き



なんだか文化財らしき料亭みたいなところに行って蕎麦懐石。
お庭に小川が流れていていい雰囲気でした。私たち貸し切り。





お庭を見学してから帰路。
小田原駅のスタバでなんと栗本さんに会いました。やっぱり(因)縁があるんですね。栗本さんはいつも腰の状態を見れば気持ちがわかると言っていますが、私といきなり遭遇した栗本さん、腰が引けてましたね~。

帰宅してお相撲見ながらiPadで原稿流し読み。
ツイッターもチェック。
おからさんがいたので、思い出しました。そういえばおからさんに聞きたいことがあったんだった!

おからさんはASD48には加入されていらしたのでしょうか?

いや、ギョーカイ人が握手会(笑)を開くのをここでは「GYK48」と呼んでますが、もちろんそれは茶化してのこと。
でも全国で指導的立場(?)の自閉っ子母たちが「ASD48」っていうアイドルユニットみたいなのを作っているんだってさ。

深いわ、ギョーカイ。
おからさんもつい先日までローカルギョーカイメジャーの要職にあられたので、誘われたかな、と思ったのです。

なんでそれを思い出したかっていうと、おからさんのツイートを読んで
おからさんと私では同じギョーカイトラウマでもトラウマの内容が違うんだな、と思ったから。立場が違うから当たり前ですけどね。
スクショじゃなく引用させていただきます。

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情報や選択・模索、そして本人の力を信じて、ここまで二次障害にならずに来た長男。私には二次障害って専門家の脅し文句でした。まさにギョーカイトラウマ。長男が楽しく毎日を生きる、周りは勿論、親にすら迷惑かけずに。
どうぞ私たち親子を軽いからと片付けて下さい、ギョーカイの方々。

真夏ですら冷たい手指、蒼く透けた顔。立ち歩く事もしんどそうにしていた十代半ばの長男。休みの日は休むためにあった。
今は週休二日の二日を無駄なく楽しんでいる。もし二次障害に怯えて暮らしたら、今の長男はなかった。

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このケース、見たことない人は見たことないのかもしれないけど
割と私の周りでは頻出。
吉川徹が花風社の愛読者の中で嫌われているのも基本これでしょ。

おからさんのご長男は、知的障害があるタイプの自閉症で
おからさんはローカルギョーカイ活動を通じ、死んだふり支援の現場もたくさん見てきて
中には「ありのままでいいんだよ」を真に受けてお子さんが生卵を投げ続けても見守るありのまま系の人とかとも出会ってきて

その中でおからさんのご一家はご長男にならぬものはならぬと教え、高卒認定の取れるコースを選択し、専門学校に進学し、就活し、40社落ちた果てに官公庁の障害者枠で採用されてご活躍、身体アプローチで身体も見違えるほど健康に、がイマココなわけで。

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ニキさんも藤家さんも、だから教本。先人たちの歩みから力をもらえました。

で、栗本先生との出会い。本当に長男って運が良い。その運を運んでくださったのは花風社さんだけど(笑)。きっと日頃の行いが良いから(爆)。

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という風にうちの本を通じて努力の方向性もつかんでくださった今にいたるまでは
さんざん脅かされてきたんですよね。

誰に?
支援者に。

なんて?
「そんなに頑張らせると二次障害になりますよ」って。

保護者でも当事者でも、この手のギョーカイトラウマを抱えている人はとても多いのです。
いや、猿烏賊山にはいないかもしれない。むしろ「頑張らなくていいんです。努力は社会がすればいい」を真に受けて、いわばギョーカイと共依存関係になるからね。

でも不思議なことに支援者の中には
「障害者は頑張らせるべきではない」という信念を持った人も多い。
それが利権のゆえなのか、吉川徹のように「家事のできる引きこもり」的な信仰のゆえなのか、まあいろいろ混ざっているんでしょうけど。

いいかい、ギョーカイ人。
これに腹を立てている当事者保護者は多いんだよ。

「二次障害を恐れない」方針をわりと支持する人は
「二次障害を恐れない」方針で二次障害から立ち直ったり、かからなかったりした人たちなわけで

それを現場で見たことのない残念な支援者も中にはいるっていうことですね。

ところがそういう支援者に限って、治った人から学ばないよね。
「治ったら偽者認定」という奇習があるからね、ギョーカイには。

GYK48にASD48。
治ったら偽者認定。

どっか遠洋の果てにある独特な文化を持つ島の住民を観測するような気持ちでギョーカイを見てるといいかもね。

さてリア充は続きます。

今日も国技館!

えへへ。

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