治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

ノースカロライナよりニューヨーク

2015-05-15 09:17:35 | 日記
読者の方から親バカメールをいただくのはうれしいものですが
まーちさんからのメールはビジュアルつきでした。
ご子息のイケメン自慢「だけ」じゃありません。
一目でわかる発達の度合いを見せてくださったのです。

14歳の時のご子息と19歳のときのご子息。
目の光が違います。
IQにして、動作性で30、言語性で15、総合で25上がったそうです。

自発性がこれだけの発達をもたらすのだとしみじみしました。
「二次障害回避原理主義」を回避すると
自発性のある発達援助に取り組めます。

16歳のご子息をつれて、まーちさんご一家が赴任されたのはニューヨークのマンハッタン。
自閉症の聖地(?)と日本のギョーカイでは神聖視されているノースカロライナではありません。
でもニューヨークだからよかった、とまーちさんはおっしゃるのです。

許可をいただいたので引用させていただきますね。

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少なくともニューヨーク市は自閉症の人にとっての理想郷というよりも、もっともっと現実的な、厳しさも伴っているところでした。
何しろ世界中から自分の夢を叶えよう!と多くの人たちが集まってくる、『チャレンジする人たちの街』です。
彼の地では自分自身が努力しないことには同じ土俵にもあげてもらえません。
実際のところ、こんなにさまざまな言い訳の通用しないところを、私自身今まで経験したことがありませんでした。
そもそもチャレンジする人って、最初から言い訳したり、逃げの姿勢ではいませんもんね。
そういう人たちは自然淘汰されてしまうような厳しさもあり、正々堂々と戦って生き抜いていくところでした。
ですので、私たちが真に影響を受けていたのは、粛々と努力し、かつ結果を残している人たちの姿。
もちろん学校や支援者から有効な支援をいただけていたのですが、それだけではなく、街の持っている『気』、そこで頑張ってチャレンジし続けている人々から深く学ばせていただいたことを実感しています。
社会からの学びなくして、社会には繋がれない!
それはまさに社会の現実であり、ニューヨーク市で過ごせば過ごすほど、息子が受けている教育は「自閉症者の理想郷であるアメリカでのみ通用するもの」ではなく(←第一、そんなものは存在しているのだろうか?)、アメリカであれ日本であれ一社会人として通用する人物像に差異はなく、そういった一人前の社会人になるための教育であることを気づかされる日々でした。
アメリカだからどうだ、とか、日本はダメだとか、そんな話しじゃないんですよね。ぜんっぜん!!
(そういう経緯があったので、花風社さんの本や浅見さんのブログを読んで、「うん、うん、うん!!!!」と深く共感する私がいたのです!)

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そうだろうなあ、と思いました。
保護された環境より、それぞれがそれぞれなりに切磋琢磨できる場。
花風社はノースカロライナではなくニューヨークを目指そうと思いました。

大阪も勝負のときを迎えますね。
利権とぬるま湯の図体の大きい地方都市にとどまるのか、切磋琢磨する場、努力が肯定される真の大都会になるのか、大阪市民が今問われています。
東京だけではなく、上海や北京やロンドンやベルリン、そしてニューヨークに伍していける都市に生まれ変わろう、というのが都構想の根幹にあるのではないでしょうか。

発達障害的にいうと

大阪都構想が可決されるかどうかは
「今東京にしか存在しない種類の仕事が他の地方にも行き渡るか」を決定的に分けます。
地方に変人枠で幸せに生きていける仕事がないのが、地方にいるちょっと特性が強い人たちの閉塞感につながっていると思います。
ぶっちゃけ、いくつかの条件はありますが、首都圏は有利です。
四年制の大学を出た女性の就職先のバラエティを見れば、わかりやすいかもしれません。

私は「東京にしか存在しない仕事」につくために神戸から出てきた青年と会ったときに、大阪都構想は絶対に必要だと思うようになりました。

投票権のある大阪市民の皆さんは、とにかく棄権なさらず、未来を自分で決めに行ってくださいね。