治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

早寝早起き朝ごはん

2011-10-02 10:30:01 | 日記
自閉症がまだ発生機序すらはっきりしない障害であるにもかかわらず
そしてかなり多様な症状を呈する障害であるにもかかわらず

なんとか「本人を楽にしよう」と打つ手を打とうとしている(そして効果を上げている)保護者とそれを応援する人たちを「トンデモ」とあげつらう人たちがいる。

彼らが他人の(しばしば効果を上げている)努力を否定する言い訳にEBMを使っているので
私はそれを「なんちゃってEBM」と呼んでいる。
総じて発達が芳しくない人たちの集まりだ。なんちゃってEBM。
まったく役に立っていないEBMだ。

エビデンスエビデンスとやかましいので
海老踊り軍団とも呼んでいる。

彼らの思想といえば

・パニック起こすのも仕方ない。自閉症なんだから。

・健常者の社会に合わせるのは名誉健常者。

・食後にお椀をなめても、人前で性器を出しても仕方ない。障害者なんだから。

まあこの大きさに育てば
立派に通報されると思いますが。
それで犯罪者扱いされたら「差別だ!」という騒ぐ作戦なのでせう。

この人たちにとっては「早寝早起き朝ごはん」とかの奨励も「トンデモ」らしいのだが

それは彼らが「健常者の世界」という「合わせたら負け」みたいになぜか考えている仮想敵ではなく
「身内」と見なしているだろう福祉の世界でも受け入れがたい考え方のようですよ。

もちろん早寝早起き朝ごはんで自閉症は治らないだろう。

でも生活習慣をきちっとすることは、全体的な体調の維持につながる。
問題行動は当然減るでしょうよ。

一年半前、神田橋先生の本を受け入れた保護者とそうじゃない保護者の成果の違いを十年ほど見守ろうというプロジェクトを組んだが

先日お友だちのうめさん(maru君の母)のブログを見て思ったんだが

要するに子どもの様子を観察して求めているものを提供する用意のある保護者は
神田橋先生のお考えと親和性が高いのだと思いますね。

うめさんはお子さんがパニックを起こさない方法を自ら編み出してきた。
白くま母さんも「パニックには原因がある。それを取り除けばいい」と言う。

もちろんお二方とも
経験からそれを学んだわけですが。

そこには体性感覚の問題が絡んでいるので
「前庭覚」「固有受容覚」「ボディイメージ」なんていう言葉(それなりに先人の発見であるわけだが)を頭ごなしにトンデモ扱いしていては

こういう重要なメッセージも読み取れないわけですね。

で、問題行動は続くよどこまでも、と。

そうそう
福祉現場からの声ね。

たとえば就労移行支援事業などは
送迎があるところとかありますわね。
ちゅん平も送迎を受けていた。今は一般企業だから、自分で通っているけど。

で、朝利用者さんを迎えに行くと

親はまだ寝ていて

当然朝食は提供されず

本人だけが眠い目をこすりながら出てくる。

こういうモラルハザードを起こしている家から
就労できる障害者が出る確率は非常に低いと
現場はそう冷静に観察しているわけですね。

「自閉症は一生治らない」という信仰を守るために
他人が努力して「早寝早起き朝ごはん」を達成しているのをあざ笑うときにはぜひ

身内である支援者も、生活習慣は重視していること。
生活習慣を重視しない保護者のことは、それなりに現実的、批判的に見ていること
思い出すといいかもしれませんね。

写真は百貨店オリジナルチャリティ「デパガキティ」ちゃん。
一個300円で三種類。売上はすべて被災地の子ども達に贈られるそうです。

昨日限定2700個が横浜高島屋にあるという情報が流れてきて、すぐに買いに行きました。

売上はすべて被災地にということは
誰かが原価を負担してくれていること。

それに感謝しながらゲットしました。