治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

機能訓練系の本が増えて思うこと

2011-09-28 10:15:52 | 日記
最近、書店の発達障害コーナーに行くと
啓発系が影を潜め
機能訓練系の本が増えてきたことに気づく。

「わかってもらおう時代」→「発達援助」への流れは
別に花風社が生み出したものではなく
私が現場を歩いて「こうなるなあ」と感じ、自分の企画に落とし込んできたことなわけですから
まあ世の中的にそっちに向かうのは当然といえば当然です。

この本を作ったとき





取材に行ったカリフォルニアでは反日日本人の皆様に
「いかに日本が人権意識がなく、封建的で、障害者に厳しい社会か」をとうとうと説かれてうんざりしたものだが
(日本を捨てた人はきっと、日本に悪い国であり続けてほしいんだと思いました)

私が見た日米の差は、予算でも人権意識でもなく
知識の差でした。
そのことはこの本に書いてある。
とくに発達障害の人の身体感覚への注目の差。

そうやって身体感覚に詳しく、アセスメントと治療に当たっている岩永先生にたどりつき


そのお仕事に感心された神田橋先生にたどりつき



ここで「細かなアセスメント」の必要性を学んで
長沼先生にたどりつき



とこういう流れできたわけですが

で、アップデートされた知識がない(副産物としてえてして発達の芳しくないお子様を持つ皆様)に
悪口言われてきたわけですが

こうやって機能訓練の方法論が次々と発表される今

次に来るのは「いかに子どもにやる気になってもらうか」だと思いますね。

思いがけず先日のニキさんの講演は
「なんで子どものころやる気にならなかったか」だったけどね。
新しい発見がありましたよ、私としては。

郡司先生のほうから
報酬系を育てたいけど、トークン等を使うことに
「もので釣るのか」という反発があるという提言もありましたけど

社会っていうのはそういうところでしょ。

みんな朝早く起きて会社に行くのは、もので釣られているからです。
そしてそれは尊い。

遊ぶ金ほしさの労働は尊い。

そういうこと早めに教えてあげるといいですね。

そう思うとね

告知もされず、説明もされず、支援級に置かれているお子さまたちが
私は可哀想になるんですよ。

こうなってるかも、と思う。
やる気が出るはずないよね。