夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

名にし負はばいざこと問はむ都鳥

2008年11月04日 15時12分06秒 |  気になる詩、言葉

名にし負はばいざこと問はむ都鳥
     わが思ふ人はありやなしやと
             伊勢物語
             紀貫之 (?)

やれ、暑いの、涼しいのなんていっていても、時期になれば時期のものが出てきますね。まあ、少し遅れてきたりして、気をもませたりもしますけど、、、
今年はユリカモメは初出でしょうか?
ペットにしたいくらいに可愛い子たちです。
なんて、コアジサシが出てくればそのときも同じことを言うでしょうけど。



ウミネコやセグロカモメなんかにくらべて、整った顔立ちをしていると思いません?

ところで、第一問。
詩には都鳥ってあるのになぜユリカモメ?
都鳥という鳥もいますけど、この伊勢物語で読まれた詩はユリカモメを読んだのだというのが定説です。
「白き鳥の嘴と脚と赤き しぎの大きさなる 水の上に遊びつつ魚を食ふ
京には見えぬ鳥なれば みな人見知らず 渡しもりに問ひければ「これなむ都鳥」と言ふを聞きて
名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと
とよめりければ 舟こぞりて泣きにけり」
この条件に当てはまるのがユリカモメなのですね。
ミヤコドリは嘴や足は赤いのですが、頭から喉、尻尾の先まで黒。お腹の部分が白です。

ユリカモメは英名をBlack-headed Gull(黒い頭のカモメ)といい、これは夏羽のことです。東京あたりでは冬鳥ですので、写真のように頭は白い色をしています。
目の後ろの黒い斑点が特徴ですね。




第二の疑問は、作者名を紀貫之で疑問符をつけていますけど、作者がまだ特定できていないのですね。在原業平だという説もあります。彼の作った詩がたくさん出てきていますので。でも業平だとすると、彼の死後起こったことも書かれていたりするというのです、ですから今は疑問符付きで紀貫之ということにしておきましょう。
まったく、このブログはお勉強になりますね。
何の役にも立たないところがすごく魅力的ですけどね。。。。


さて、これから寒くなりますと、この子達の写真がまたかって言うくらいに出てきますけど、お許しくださいね。




本日は取り急ぎご挨拶まで。




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6 コメント

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Unknown (さち)
2008-11-04 19:54:35
目の後ろの黒い点が汚れに見えてしまうのですが。

私の腕に止まったら、ゴシゴシ拭いてあげたいです。

ところで、この句は業平で教わりましたが。。。

わがおもうひとはありやなしやとが気にいっていたのですが。
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業平 (赤い風車)
2008-11-04 20:28:15
はい、一時期業平で話がついていたようで、現場にも業平橋なんていうのが作られていますけど、でもいろいろ諸説紛々、、、だんだん分からなくなってきているというのが本当みたいです。


でも、さちさんが思われていた人、、、、
今頃は化石になっているのかな~ぁ
どこかの博物館に行けばお会いになれるかも。
もっとも北京の方だと、現在行方不明だそうです。


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業平 (芝桜)
2008-11-04 21:56:18
古文の授業でよく出てきた名前です。
でも、いつも居眠りばかりで、自慢じゃないけど成績は惨々でしたね。

ユリカモメはよろしい。穏やかな顔つきで、人相の悪いウミネコよりずっといいですね。
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Unknown (さち)
2008-11-04 22:15:21
いいえ、銅像です。。。薪背負ってますの。
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芝桜さん (赤い風車)
2008-11-04 22:33:57
そうでしょう、そうでしょう、、、
ウミネコって目つき悪いですよね。
その点、ユリカモメちゃんは、、、、
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さちさん (赤い風車)
2008-11-04 22:40:15
そうですか、銅像ですか。
パテックスかなんかの広告でお見かけしました。
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