夢幻泡影

「ゆめの世にかつもどろみて夢をまたかたるも夢よそれがまにまに」

将随秋草萎       古詩十九首の八  無名氏  少し追加あり

2008年10月07日 09時20分30秒 |  漢詩を長崎弁で

悲しかね~ あそこで香とる花
今、盛りと咲いちょるあん花も
盛りが過ぎても誰も手を触れんで
秋草のように枯れてしまいよる
ばってん、私のことを心から想うてくれとるとなら
それでん、私は待っとるばい


傷彼蘭花 
含英揚光輝
過時而不采 
將隨秋草萎
君亮執高節 
賤妾亦何為

   古詩十九首 其の八  
   無名氏

痛む 彼の恵蘭の花の
英を含みて光輝を揚ぐるを
時を過ごして採らずんば
将に秋草の萎むに随はんとす
君 亮に高節を執らば
賎妾 亦 何をか為さん

痛ましいのは 薫り高いあの花が
盛りとばかりに輝いていること
時を過ごしても手折らないでは
秋草と同じで、じきに萎んでしまう。
でも、あなたが本当に私のことを想ってくれてるのなら
それでも、私は待ちましょう。


この詩を載せるのは怖かとですよ
なんせMixiのマイミクさんたちをぐさっとやりかねん詩ですもんね
心優しか、ボクちゃんのするこっちゃなか。
じゃけん、どうしようかと思うとったとですけど、
考えてみたら、小野小町の

花の色はうつりにけりないたづらに
    わが身世にふるながめせしまに

はとっくに日記に載せとったとですよね。
でも、な~んも怖かことは起こらんかった。
みんな、必死であれはうちんことじゃなかもんって思うとったとでしょうね~
それに、こんご時世、丑三つ廻りなんちゃ流行らんもんね~ 
ねっ、ねっ、そげんでしょ。

とにかく、みなさん、ご苦労さんでした~
睡眠不足で大変だったでしょうね。



古詩十九首の其の八の最後の三段目
全文は

冉冉孤生竹 結根泰山阿
與君為新婚 莵絲附女蘿
莵絲生有時 夫婦會有宜
千里遠結婚 悠悠隔山陂
思君令人老 軒車來何遲
傷彼蘭花 含英揚光輝
過時而不采 將隨秋草萎
君亮執高節 賤妾亦何為



ここのところ大和詩が多かったのですけど、頼んでいた漢詩をよむのシリーズの
「詩経から魏まで」と「魏晋南北朝・隋」が届きました。
唐詩選の前段にも入っているものもありますので、すでにご紹介したものもありますけど、これから少しづつ古い詩が増えるかもしれませんね。
まあ、このブログの人気、アクセスがますます減っていくことは確実になりましたね。

秋明菊。以前「秋明菊(貴船菊)  Anemone hupehensis var. japonica」でご紹介したものと同じ株です。あの日記は9月19日でしたけど、まだ蕾をたくさんつけていて、これからもたのしまさせてくれます。
でも、白花の秋明菊には派手さはありませんが、この赤紫の花は結構派手な花。なのにそのあでやかさの影になんとなく寂しいような感じを受けるのは私だけでしょうか。
重ね着の薄絹の下の色、染められた色に隠された先染め、先織りの糸の色、ただの赤、ただの緑ではない何かを感じさせる深み。
日本的なものってよく言いがちですけど、BMWの深い茶色や、グッチの赤、果てはこの間まで私を悩まして、最後には軽自動車と取り替えられたファンム・ファタールのマセラッティの鼠色。表面の色がどうということではなくて、目には触れないその下塗りが価値を決めていく。
作品もそうですよね、表面の形や色ではなくて、、、

なんてことは言わないでおきましょう。
派手やかさの中に寂しさ、直線的なもののなかに見え隠れする柔らかな暖かさ、そんな女性にはほろっとしますね。
秋明菊ちゃんも、ボクちゃんのところにくれば、帰ってこない恋人を待つ悲哀はなかったのにね~


漢詩をよむ漢詩の来た道/『詩経』から魏まで (NHKシリーズ NHKカルチャーアワー)
宇野 直人
日本放送出版協会

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