正さん日記

世の中思いにつれて

菅首相の「自助」強調は、責任回避に繋がる。「公助」こそ政治の根幹だ

2020-10-22 10:19:08 | 政治

 菅義偉首相が、ベトナム、インドネシアを訪問、首相外交のスタートを切った。今回の外国訪問は、外交を経験することが最大の目的のように感じるが、最も印象付けたかったのは、南シナ海における中国の勝手な進出に対し菅新政権として反対の意思を示したことだろう。

 これに対し、中国側の反応は今のところ明らかではないが、その内、中国政府から批判したことに対する遺憾の意が返ってくるだろう。

 まあ、これ以上にエスカレートすることは当面ないとは思うが、菅新政権の出方を見るように、長期的に尖閣諸島の領海侵犯を繰り返し、13日にようやく領海外に出た中国軍船舶に対する強い批判を含めたものとも言える。

 菅氏は、2カ国訪問を終え、インドネシアで記者会見を行い、2カ国訪問の意図を語るとともに、今後の方針などを述べた。

 26日に召集される臨時国会で、初めて首相としての所信表明演説を行うが、「携帯電話通信料引き下げ」「不妊治療の保険適用」「デジタル庁設置とデジタル化の促進」などを目玉に上げるようだ。

 しかし、安倍晋三前内閣の中核だった「アベノミクス」の具体的な継承、「憲法改正」「安全保障政策」などについてどのように継続するのかについては、現段階では良く分からない。

 気になるのが、菅首相は、「国民のための政治を志す」という反面、基本的な姿勢として「自助」「共助」「公助」と「絆」を図ると言っている。

 この中で、国民に対し、イの一番に「自助」を強要するようなニャンスを受ける。この意図するところは「自分のことは自分でやれ」という思想であって、最終的には、自助努力を怠る者は「格差」を受けても止むを得ないという認識に繋がる。

 「自助」や「共助は」、基本的に「公助」による安定的な土壌の上で、初めて行動として発揮できるものだ。

 こと立てて、「自助」を前面に打ち出すことは、政府による「公助」に頼ってはいけませんという政治の無策の擁護に通じる。

 「政府も頑張るから、国民も頑張ってください」と言うことであれば理解できるが、一律に3要件を並べることは、考えようによっては政府の責任回避にも繋がる。「関連:10月20日

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