新型コロナウイルスに感染し、ワシントン郊外の軍病院に入院していたアメリカのトランプ大統領が、アメリカ時間5日夜(日本時間6日午前7時30分)に退院し、ホワイトハウスに戻った。
入院して約4日の退院は、極めて異例でトランプ大統領支持者には特有の感激を与えているようだが、多くの国民は危惧の念を抑え切れない。
退院を許可した医師団は、トランプ氏の容体は完治した分けではなく、症状は残っていると公表している。
トランプ氏は、ホワイトハウスに戻っても、直ぐ、公務や選挙活動に復帰できるわけではなく、一定期間はホワイトハウス内で隔離されることになる。
その間、おつきの医師団によって治療を続けることになるのだろうが、一時、酸素吸入したというし、中等症患者に投与するレムデシビルの服用や、実験途上の薬を投与したということから、決して軽症ではないと思うので、できれば専門の病院で治療を続けた方がよいのではないか。
トランプ氏は退院に当たり、「コロナを恐れてはいけない」など早くも「コロナを征服した強い大統領」として自身の強さをアピールしている。
自身の新型コロナ感染を逆手に取って、大統領選挙の終盤に反撃体制を急いでいるようだ。
しかし、ホワイトハウス関係者の十数人の感染が確認され、さらにケイリー・マケナニー報道官の感染が確認された。
トランプ氏も直ぐに選挙活動を再開することはできず、周辺のスタッフが次々と感染する状況では、思い通りに選挙活動を進めることは難しい。
トランプ大統領の新型コロナウイルス感染によって、改めて同大統領のコロナ対策の消極性が浮かび、感染者数、死者数とも世界一になっている責任を問われることになった。
また、トランプ氏の感染後の幾つかの不適切な行動が、「コロナに勝った大統領」という演出より重大事として国民に受け止められることになれば、さらにバイデン氏の優位を決定づけることになる。「関連:10月5日」