アメリカのトランプ大統領は、新型コロナウイルス感染の治療を受けたワシントンの軍医療センターを入院後わずか4日程度で退院した。
退院に当たり、国民に対し「新型コロナウイルスを恐れるな」と述べたが、その後、ツイッターなどに「新型コロナはインフルエンザより怖くはない」と投稿した。
自身の退院も、担当医師によればか必ずしも全快した分けではなく、陰性になったのかも明らかにされていない。
ホワイトハウスで中等症患者に投与するレムデシビルや、さらに新薬のステロイド薬の投与を続けているのにも関わらず、根拠のない発言を繰り返している。
トランプ氏が事立てて、「新型コロナに恐れるな」「インフルエンザの方が恐ろしい」と強調しているのは、裏を返せば、自身が新型コロナに罹ったことを弱さと捉え、その怖さを体験したことに対し強がりを言っているようなものだ。
しかしこの発言は、世界で最も多い感染者と死者を出している国の指導者が、公然と言うべきことではなく、その無責任さと自身の言動による影響力の大きさについての自覚がなさ過ぎる。
さすがに、「インフルエンザの方が恐ろしい」という書き込みについては、フェスブック社やツイッター社は即座に内容を削除したようだ。
書き込み文書が削除されることも、一国の指導者としては有るべきではなく、恥ずべきことではなかろうか。
さて、トランプ大統領は、ホワイトハウスの中で、隔離状態で執務しているとのことであり、その中で、15日に行われる2回目の候補者討論会に参加すると意欲を示した。
しかし、見方によっては中途半端で退院したが、新型コロナは、一般的には、最低10日の観察期間を要し、運が悪いとその間に再発症する恐れもあるようだ。
しかも、高齢者や持病がある人、肥満体の人はそのリスクが高い。正にトランプ大統領は74歳の高齢で、肥満のように見受ける。
ホワイトハウス内で、高度の治療を受けているため一般人よりそのリスクは少ないと思うが、予断は許されなかろう。
万が一、再発症して再び病院に搬送されるようなことになれば、トランプ大統領の選挙戦はその段階でアウトになり、ペンス副大統領が代わり選挙戦に挑むことになる。
トランプ大統領の早すぎる退院は、正に、伸るか反るかの大きな賭けになっている。「関連:10月6日」