8月7日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)は、都道府県が対策を強化する際の判断材料になる指標をまとめた。
内容は、先ず感染状況を、ステージ1は「感染者の散発的発生」2は「感染者が漸増」3は「感染者が急増」4は「爆発的な感染拡大」の4段階に分けた。
4段階に対応する指標として、「病床の逼迫具合」「療養者数」「PCR陽性率」「1週間当たりの新規感染者数」「直近1週間と前週1週間の比較」「感染経路不明の割合」の6指標とし、指標ごとに設けた数値を参考に、都道府県が独自に感染状況を見極め、急激に広がる予兆を捉えたら対策を強化するよう求めている。
ただ、6指標のうち、いくつが目安を超えたら次のステージに移るかは示しておらず、「国や都道府県が総合的に判断してほしい」としている。
今までは、東京や大阪などが独自で感染状況を見極め、状況に添ったアピールや要請をしてきたが、ようやく専門家による全国共通の指針が示されたことは一歩前進だろう。
また、今までは、自然発生的に各知事が独自の形で采配を振るっている感じがしていたが、今回、統一的な指針が示されたことによって、全国の状況がより分かりやすくなるように思われる。
このような都道府県単位の感染対応については、実は、新型コロナウイルス流行の初期段階から行えばよかったのではなかろうか。
その点で最も悔いが残るのは、安倍晋三首相が当時の専門家会議の意見を聞かず、全国いっせいにイベントの自粛と休校の要請をしたことだ。
そのため、一気に経済が萎み、学校はいまも夏休み縮小の授業を強いられている。あの段階で、都道府県ごとに対策を進めていれば、経済も学校ももっと緩やかな形で新型コロナに順応していたと思われる。
今回、改めて都道府県対応に踏み切ったことは、ずいぶん遅ればせながら適切だとは思うが、反面、政府が新型コロナ対策に疲れて都道府県へ丸投げすることは厳に慎まなければならない。
あくまでも、第一の責任は政府にあり、都道府県は政府と連携を密にして、二人三脚でこの難関を乗り切らなければならない。「関連:2月29日」