今日は終戦75年の節目の年を迎えた。東京の日本武道館では政府主催の「全国戦没者追悼式」が行われた。正午には、全国いっせいに戦没者に対し1分間の黙とうが捧げられた。
今年の追悼式は、新型コロナウイルス感染防止のため、例年の十分の一に当たる500人の戦没者遺族代表が出席した。
年を追うごとに高齢化が進み、75年目の今年は、新型コロナの関係だけでなく、高齢により参加したくてもできない人も多いようだ。
既に国民の83%が戦後生まれになっていて、あの悲惨な戦争を語り継ぐ人は減るばかりだ。
戦争の語り部は二度と戦争をしないために、できればSNSでの発信や、DVDなどへの収録によって貴重な体験を後世に残して欲しい。
また、メディアは、終戦記念日を捉え、戦争に関わる貴重な記録映像や、戦争を主題にしたドラマなどを配信してほしい。
また、これらのデータについては、「国立公文書館」などに丁寧に保存するなど、あらゆるデータの永年保存を確立することが肝要だ。
戦争を知らない世代が増えるに従って、その悲惨さ、残酷さ、犯罪行為を軽視する風潮も目立っている。
特に、政治の世界で戦後生まれの政治家が増え、中には好戦的な言動を躊躇しない議員が目に留まる。
先に自民党の検討チームが安倍晋三首相に提起した「敵基地攻撃能力」について、NHK世論調査で50%が賛成の意を示した。
このような傾向が、自民党の「敵基地攻撃能力」推進の尻を押すことになり、日本が戦争を始めた原点に戻りかねない。
また、戦争記念日の今日、自民党の4閣僚が4年ぶりに靖国神社を参拝した。終戦記念日に戦争を反省するどころか、戦争を進めた主要人物が祭ってある靖国神社参拝は、国際社会からみると戦争を肯定しているように受け止められている。
1995年( 平成7年)8月15日の戦後50周年記念式典に際し、村山富市首相が日本が第二次大戦中にアジア諸国で侵略や植民地支配を行ったことを認め、公式に謝罪したいわゆる「村山談話」は国際社会から敬意をもって受け止められた。
75回目の終戦記念日に当たり、国民は再度「村山談話」の意味をかみしめることが求められている。「関連:2019年8月15日」