鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

奇譚の青にねむる

2018-03-13 02:14:10 | フリーゲーム(ホラー)
「奇譚の青にねむる」
探索ADV・乙女要素有・かなり高難度
制作者:kouta様(そらとぶもちもち

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難易度が緩和されて、やっとほぼ全てのエンディングが迎えられました!
いまのところ残すはお兄ちゃんエンド?スチル?1枚のみ!です。
ただ、コレ、私最初の選択肢ですでにミスしてるので…ほぼ最初からやりなおしなのねぇ…;


…えっと、まずはざっくりと物語のアウトラインを。

先代の6人の妻が次々と変死したという噂の、ティフォージュ伯爵家へと嫁いできた大商人の令嬢・エクリュ・イヴォワール(名前のみ変更可能)
そこで待っていたのは、エクリュを冷たい目で見て罵倒する夫…ユーゴ・ド・ティフォージュ伯爵だった。
結婚式の話もしないまま、仕事に出かけようとするユーゴは、エクリュに屋敷の鍵束を渡してこう言った。
この鍵束で全ての部屋の扉が開く。ただし、一番小さな金の鍵の部屋だけは、絶対に入ってはいけない、と。
しかし、その夜。屋敷の中を散策するエクリュは「七番目の花嫁」と呟く謎の人物に襲われる。
果たしてこの屋敷では、一体何が起こっているのか。


…青髭を絡めたゴシックダークな設定とシナリオがすごく良かった~
グラフィックも綺麗! 立ち絵の表情付けが豊富で魅力的。
主人公のエクリュちゃんの笑顔がめっちゃ可愛い!
今まで犠牲になった6人の妻たちのグラフィックも華やか、かつ、それぞれの「世界」も性格に合わせてよく練られていて、次はどんな部屋だろう?とわくわくしながら進めました。
マップも、ただでさえ広い屋敷のマップに「異界」の差分があって、かなり広く感じます。
現実と異界を行き来しながら進む物語は、慣れるまでちょっと混乱しました。

同行者&攻略対象の二人もタイプの違うイケメンで、ちょっとした会話やイベントにそれぞれの性格がきちんと出ていて楽しい。
どちらを選ぶかで、たどり着けるエンディングが違うのも説得力がありましたね~
館の謎を解ききる…という意味では、伯爵ルートのほうが、真エンドって位置づけなのかな?
文句なしでやりごたえのある、面白いゲームでした!

…ただ、最初にも書いてありますが、難易度はかなり高め!

油断すると、とにかく死ぬ!死ぬ!死ぬ! 
選択を誤ると自分だけでなく、同行者もガンガン死にます。
しかも、死にフラグから実際に死ぬまでに、ちょっと間がある時があるので…セーブポイントをミスるとなかなかツラいものがありますな…

アクションもやや辛口。
そもそも、最初の逃げから『「絶対入るな」と言われたところへ逃げ込むしかない』という、盲点すぎる仕様でした…;
いや、他に逃げるところなんてないので最終的にはそうするしかないんですが…そこに気付くまで何回死んだかなっていうね!
プラスして、動かない石像が連打で動かせるとか、切れたハシゴに砂かけたら出現する(←何故なの;)とか、初見ではわかりっこないものが多すぎて…;
しかも、全体に、ギリなタイミングを狙うアクションが多いうえ、逃げの時だけ現れる落とし穴や障害物に翻弄される!

いや…もう私、この石像あたり(←けっこう序盤)であきらめて、攻略を見てしまいましたよ…;

しかし、このゲームの鬼畜さは、実は死にフラグやアクション面だけではないのです…
謎解きが…いや、イベントを起こす行動順…タイミングが、ごちゃごちゃに混在してるんですよね。

特に、キャラエンドに必要な好感度イベントが…順序を踏んでいかないと起こらないので…
ここさっき来たけど何もなかったよなー、と、話を進めてしまうと手遅れになったり…します…
さらにさらに、仕様上、異界となった部屋を一つづつクリアしていく作りなのですが…そのイベントの合間、あるいは攻略中でなければできないサブイベント(薬作り)があったりするので。
とりあえず、この部屋クリアしてから手をつけよう!なんて思ってると、がっつりハマりますぞー。

(薬づくりのための情報は、異界の図書室で手に入ります。薬をつくるために重要なユーゴの部屋は、現実のもののほかに微妙に違う異界のものが2種ありますので、前に探索したし!と油断せずにしっかりチェックしておきましょう…)

正直、ノーヒントでこれをプレイ&コンプできる人はいるのだろうか…;
少しプレイして、難しいと感じたら、素直に攻略に頼るのもテではないかなー?
(ただ、攻略見てさえハマる複雑さなので、セーブはこまめに残したほうがいいっすね)

詰まりそうな謎解きは…うーん…

遊戯室(現実)の落とし物かな。
あれはたぶん、攻略みないと探せなかった。

あとは、伯爵ルートのラストステージ。
床の模様はオレンジではなく「赤」です。
私ここがっつりハマって、3ケタパスを力技で解くことになりましたぞよ。
(オレンジはたぶん4か9だと思っていたので、その二種でほか2桁を全て試した)





しっかし…こんな長シナリオを、こんな複雑な設定と謎解き、手の込んだアクションを絡めてつくれる作者さん…いったいどんな頭脳を持ってらっしゃるのでしょうね…;頭良さそうだなぁ…

ともかく、これだけ死なされてもハメられても、最後まで見たい!知りたい!と思えるだけの、魅力あるゲームはそうありません。
個人的には、全てが明らかになる伯爵ルートがお気に入り。
最後のエクリュのドレス姿のドット絵が可愛いので、ぜひともごらんくださいませ!

死んでも死んでもへこたれない方におすすめです^^
















エクリュを含めた7人の妻は、そのまま7つの大罪になぞらえているのかな?
嫉妬、虚飾、強欲、色欲、憤怒、怠惰、そして暴食…
7人目に拘ったのは、これで全員揃うから?


発明少女の挑戦/恋路

2018-03-12 13:09:28 | フリーゲーム(乙女)
「発明少女の挑戦/恋路」
乙女ゲ・すべてはあの人の掌の中
制作者:まふ様(くまのこ道

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発明好きな少女が、片思いの先輩にアタックするべく、自分の発明品を駆使して挑みます。

この方のグラフィックの、透明感のある塗りが好きなんですよねー
なんだかんだと、いつも強気で個性のある主人公をつくられる方ですが、今回のヒロイン・アミュカちゃんもなかなかw
好きなことには天才肌で傍若無人なのに、実際の人間関係や恋愛の駆け引きには引っ込み思案で疎いという、ヲタクあるあるな性格設定になっております。
大好きな先輩の前で、どう行動したらいいかわからない…と、そこまでは普通なんですが、発明好きな彼女がそこで考え付いたのは、状況に応じた「行動選択肢」が選べるようになる謎の発明品。
しかし、表示される選択肢には、なぜか妙なものが混じっていて…? という、少々SFがかった設定のお話でした。

攻略対象は3人。先輩、後輩、部長です。
まずはユニアス先輩をなんとかすると、最初の選択肢が追加されて、ほか二人が攻略できる仕様。
それぞれに、ルートに入るとちょいと意外な一面が垣間見られていい感じでした!

ユニアス先輩、王子様みたいな見た目なのに、意外と趣味が少年。
昔のアレが好きでアレを飼ってるということは、ああいう類のイキモノが好きってことでしょうか。
となると、それを許せる女性は限られるかもしれませんねぇ…

先輩の本心?みたいなものがわかるルートを見ると、えっそうだったの?と思います。
躱しのプロ、みたいに書いてるから、てっきり全く眼中になかったのかと…;
草食すぎるのも考え物ですね……orz


後輩君はツンデレ? アミュカちゃんも不慣れなので、なかなか見ていてやきもきするルート。
でも、ある意味一番自然で甘酸っぱいシナリオでした。
恋愛経験値が一緒と言うか、レベルが一緒?というか。
この先も同じ速度で歩いていけそうな二人だと思います。

このルートでの、アミュカちゃんの打ち明け話は、なんとなく気持がわからないでもない…
上下関係で人を見る男と違って、女の子は、横並びの「みんな同じ」な関係が好きだから…学生時代は特に、変わりもんにはつらいっすね。

ラスボス・先輩。あとあと明らかになる特殊能力持ちで発明の天才。
こんな能力あったら、そら人間性歪むよな、と思わないでもありません。
グラでは目が隠れていますが、きっと素顔はイケメン。そして一番肉食系?
アミュカちゃんはいろいろ振り回されつつも楽しそうですが…
作品内の行動を見るに独占欲が強そうなので、この先が大変かもしれない?

(後輩君の時は素直に応援モードなのに、先輩の時はやや妨害気味なのが面白かったっす)


主人公・アミュカちゃんはやや個性的ではありますが、現実離れ?しすぎることのない、程好い乙女加減で好感持てますよ!
おすすめですよー



ダアトの神

2018-03-11 18:13:08 | フリーゲーム(SF)
「ダアトの神」
SFADV・誰の望みを叶え、誰を救う?
制作者:鴇田様(Twitter

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「いにしえのもの」と呼ばれる異形の魔物を討伐すため、7人の精鋭によって作られた防衛地区「ダアト」
そのメンバーの一人であるカガリ(名前変更可能)が目覚めた時、過去数日間の記憶は失われていた。
どうやら敵に襲われて仲間の一人が死に、その騒動の中で倒れたままずっと意識を失っていたらしい。
死んだ仲間…エリダのことを詳しく聞こうとするものの、なぜか皆の反応は芳しくなく、その不自然さに違和感を覚えるカガリ。
そんな中、離れて暮らす弟(妹)セフィから緊急の通信が入る。
ダアトから匿名でセフィに送られてきたというその写真は、聞いていた話よりもはるかに凄惨な状態の、エリダの死体のものだった。


1.00でプレイしましたー
閉鎖環境で長年過ごす、特殊部隊の人たちのアレコレです。
プレイヤーは、記憶がイマイチおぼろげな主人公・カガリ(名前変更可能)を操り、仲間の死の謎や、ダアトの秘密に迫りますー

シナリオの流れとしては、仲間の死亡を調べて1話終えるたびに「はじめから」をえらびなおして話を進めていく感じ。
3回くらい「はじめから」プレイして、最後に「おわらせる」が出るまでが1周回の、大きく4章構成のゲームだと思っていただければ間違いないっす。

ちなみに、各章内での分岐のセーブは可能ですが…一部の設定(過去の「はじめから」の時に誰と友好を深めて終わったか・カガリの兄弟の性別)は、章をまたいで使用するため、最後のプレイ時に選択したものが優先されます。

どういう状況かっていうと、最初のプレイで兄弟の性別を「妹」にしてセーブしておいても、周回するときに「弟」に変えたら、「妹」の過去データをロードしても「弟」で進行する…ってこと。
このあたりの情報は、セーブデータとは別なとこに、共通要素として記憶されてるみたいっすね~

一番注意すべきは、最後の最後、キャラエンディング選択画面。
第一章・第二章での行動によって、表示される名前…選べるキャラが違うんですけど。
一度エンディング見てしまうと、それまで引き継いできたキャラ友好度?がクリアされちゃうみたいでね…
一人エンディング見て、さあ別なキャラ!と最終章のセーブからプレイしても、もう名前が表示されなかったりするのですよ…
名前を表示した『選択画面』でセーブすれば、この悲劇は防げるので、ぜひともセーブはこのタイミングで!

まあ、スキップ機能がしっかりしてますんで、周回しても、それほど手間でもないんですがね…

2章めの事件の謎解きは、被害者がだれであっても、大体流れはいっしょ。
調査開始時のセーブを残しておいて、一度全部の選択肢を試せば、手順はわかると思います。
仲間全員分のスチルを開放し、エンディングを見ると、ラスボスのエンドが解放。
ちなみに、ラビとラスボスのエンドの後には、ほんの少しのオマケ要素があるので、ぜひともそこまでがんばりませう。


セフィの性別…私は大体妹多めでプレイしましたが、作者様はがっつりBL系統の方のようですので、弟のほうが本来の正しいカタチなのかもですね~
いやあ、カガリが周囲に好かれまくっている様子や、ルッツの抱きつきスチルや会話を見て『これは…!』と思っていたけれど、やはり!!そっちの方でしたか!
組み合わせによって、いろいろ深読みできる良いシナリオでした。
あと、セフィとラメドのハァハアしてる変態っぽい表情付けがなかなか秀逸!


ノーマルな方でもプレイできるゲームですが、腐に抵抗のない方・腐が好きな方なら、より楽しめると思います。おすすめー

ひもろぎのうた

2018-03-10 15:31:27 | フリーゲーム(ホラー)
ひもろぎのうた
ホラーファンタジーADV・エイジの懐の深さに驚く物語
制作者:S.T.L様

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主人公は、とある田舎町に暮らす少年エイジ。
中学時代を共に過ごした幼馴染たちが、久しぶりに帰省して再会したその日…今は廃校となってしまった母校をみんなで探索することになりました。
しかし、そこで彼らが出会ったのは、不気味な姿をした男の幽霊…
彼は一体何者か、何のために3人の前に姿を現したのか。


というわけでー、閉鎖的な田舎町を舞台にしたホラーADVです。

マップグラフィックが、リアルすぎない明るい色目でキレイ。
何気にガタイの良い、男の子たちのグラフィックも好みでした。

シナリオはほぼ一本道に近い作りですが、3人の幼馴染の中から一緒に行動するメンバーによって、3つのルート…彼らの3つの過去の物語を知ることができます。
チハルは「廃工場」アツシは「火葬場」マコトは「駅」。
それぞれに、なかなかの胸糞展開が繰り広げられますので、プレイする際にはお覚悟を!

個人的には「火葬場」ステージに『おおっ!』と思いました。
ホラーフリゲではあんまり見たことなくて目新しいっす。
火葬はほぼ日本独自の文化だし、状況によって黒くも白くも使い分けられそうな…ホラー的に美味しい題材かもですねえ♪

シナリオについては、あまり詳しく語るとネタバレになるので、割愛しますが…3ルート全部プレイすると、エイジくんのあまりの懐の深さに驚きます。
物語の中では暗示的に「セロひきのゴーシュ」が使われているのですが、プレイしていて思い浮かぶのはむしろ『雨ニモ負ケズ』。
エイジくんが何を思って行動したか、その人間性については、結局は3人の思い出の中のセリフや行動から推し量ることしかできないのですが…
常に飄々として、自分が大切に思う人間に「寄り添う」ことを貫いた…そんな人に思えます。

幼馴染たちも、それぞれ3者3様に酷い経験をしているのでわかりにくいのですが、ゴーシュは…もしかしたら、エイジくん本人のその後を表していた…のかも、なんて考えてみたり。
エイジくん自身は最後に軽ーく流していますが、ああなってしまうだけの重さの出来事が、確かにあったのだろうから。

しかし、田舎で子供の人数も少なそうなのに、そのうち4人がこんな目に遭ってるとか、なんちゅう荒んだ環境か…;
しかもそれぞれ「元凶」そのものは、現実で何の咎も受けていない気が…;
でも…だからこそ、エンディングで全員が強く負けずに現実を生きていく!っていう重みに繋がる…といえば、そうともいえる?

3人の幼馴染のうち、女の子であるチハルちゃんは、ちょいと恋愛めいた深読み可能。
まあ、これが一番ノーマルなルートだとは思うんですけどー

しかし、私はあえて!カップリングはアツシを推します!
なにこのイトコとかいう美味しい血縁設定と、さりげなくすばらしい依存関係!
私は最初にアツシを攻略し、さらに最後にもう一回アツシをプレイして〆ました。

マコトは…マコトはねえ、なんとなくすごくノーマルな気がするので。
私的にはあまり萌えませんな…
いや、エンディング後にマコト×アツシならアリかもしれないが…
(↑この場合チハルの立場はww)


さてさて、最後は攻略ポイント…詰まりそうなところはね…うーん……
とりあえず、アイテムのありかが、光ったり光らなかったりとマチマチなので、手を抜かずに探索するのをおすすめします。特に、個別ルート内。重要なアイテムほど光ってなかったりする罠w
チハルとアツシのルート…おかげで、なかなか生き延びられなくて苦労しました…;

あと、微妙に惑わされる感がある仕掛けは、それぞれの「苗字」と「名前」をあえてリンクさせない話運び。
廃校ルートではいくつかの、幻聴じみた噂話が聞けるのですが…それはすべて苗字で語られるので、一体誰のことなのか、最初はわからないんですよね。
話を進め、ルートを繰り返しプレイするうちに『ああ、これはあの子のことか…』と腑に落ちる感じは、なんとも感慨深かったです。


3ルートの最後のスチルと、トゥルー後のタイトル絵の後姿が泣ける!
気になった方はぜひプレイしてみてくださいね~












空きビンとか、ゴーグルとか10円玉とか。微妙に使いそうで使わないアイテムがいくつかありましたけど…
もしかして最初はもっとイベントがある予定だった…のかな?


今日は恋するひなまつり

2018-03-09 20:40:40 | フリーゲーム(乙女)
「今日は恋するひなまつり」
乙女ゲ・雛人形恋絵巻
制作者:夏ぷりん様(N/P Project

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良縁のないまま30年近く経ってしまった、とある家の娘さん。
その持ち物である七段飾りの雛人形たちが繰り広げる恋絵巻になりまーす。
男雛の失踪事件を皮切りに、女雛をめぐって様々な人間模様…いや人形模様が織りなす様が面白い!
そして女雛の選んだ結果が、持ち主の娘さんに関係してくるのも良い流れでした。

どっかで見た絵…?と思ったら、作者様、冬姫さんの乙女ゲを作ってた方じゃないですか!
懐かしい…あれプレイしたの何年前だろう?
長く活動している分、作りも流石というか…御簾の開け閉めでキャラの登場・退場を示す演出や、シナリオ内で使われているお香や和歌にもそのキャラそれぞれの『含み』をもたせるなど、短いながらも細かいところにまで手をかけ、行き届いたゲームとなってます。

……七段飾り。イマドキはこれを買って毎年飾れるのは、いろんな意味で余裕のあるおうちの証明かなと思いますが…昔はけっこう、狭いアパートでも飾ってる人、けっこういましたね。
友達の家を順番に訪ねて、見て回った記憶がありますよ。
昔の雛人形は作りがリアルで、表情とかも可愛いってより怖いんだけど。
あの衣装や調度品の華やかさは、やっぱり少女心をくすぐるものはありました。

でもまさか…この人形同士で、こんなドラマティックな話が作れるとは…!
言われてみれば、確かに右大臣はワイルド系イケメンかもしれない!
楽器と歌を頑張る五人囃子は、今でいえばジ〇ニ〇ズなのかもしれない!!ww

彼ら「人形」の魂は転生するという設定や、彼らを創った職人さん側の事情アレコレもあって…知れば知るほど、恋愛ドラマもびっくりの複雑な関係性が垣間見えてきます。
女雛との何気ない会話の中にもそれらは散りばめられていて、あとから『あっ…アレはそのせいか!』と気が付く仕様もお見事でした~

しかも、話は人形たちの世界だけでなく、現実の世界にもちょっぴりリンクしていたり。
雛人形は、その人形力で持ち主の少女を幸せな結婚に導く役目があり、特に女雛様はその少女の分身ともいえる人形…というわけで、女雛様の恋は、そのまま、なんとなーく持ち主の娘さんの今後にも影響しちゃうんですよね。


エンドは5つ。
まず、攻略?対象3人のエンドを見ると、4人目のルートが開き…
さらにそれをクリアすると5つめのエンドへの選択肢が出てきます。
恋愛要素は軽めで、全体にほんわかと優しい作り。
たぶん、お香…薫物や和歌などに興味のある人には、より楽しめるんじゃないかな?

あんしんの全年齢ですので、現役乙女様も、かつての乙女様も、ぜひともプレイしてみてくださいね。









伽羅の香木って、恐ろしい価格するものなんですね…
ゼロの数多すぎて数えられない!ww

XSHIEL

2018-03-08 21:32:19 | フリーゲーム(ファンタジー)
「XSHIEL」
ダンジョン探索RPG・グラフィックがかっこいい!
制作者:キャンサー様(Twitter

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ウィザードリイとか、初期のウルティマとかを彷彿とさせる、何かすごく懐かしーい感じのダンジョン探索RPGです。

ダンジョンそのものは、黒一色の線画のシンプルな作りですが、そこに浮かび上がるモンスターグラフィックが妖しくも美しくて魅力的!
全員が女性体で、アメリカンコミックに出てきそうなセクシーな異形ばかりなので、新しいモンスターが出てくるたびに『おおっ♪』ってじっくり眺めちゃう。
このグラフィック見たさに最後までプレイしたと言っても過言ではない!w

いやぁ。どうしてこのゲーム図鑑機能がないんだろうなぁ…
出てきた敵全部、あとからじっくり図鑑で見たいお!
(ついでにアナライズ機能も欲しい…ステとパラがめっちゃ知りたい…;)

ダンジョンで手に入る武器も多彩で、様々な性能や「効果」がついたものをどんどん捨てたり入れ替えたりしながら先に進んでいく感じが面白かった~
なにしろ、手持ちのアイテムは、たった九つ。
このテのゲームでおなじみの『装備』は、このゲームには存在しません。
回復も魔法も剣も、ステ防御アイテムも、みんなこの9つのスロット内でやりくりしていく仕様。
敵を倒せば必ず宝箱が出現し、中からはアイテムがどんどこ山ほど手に入る。
もったいないと思っても、これは取っておきたいと思っても、常に取捨選択を強いられることになるわけです。

個人的には中盤以降で手に入る「殺すほど強化される」効果の武器がお勧め!
これ「その武器で殺した数」ではなく「プレイヤーが今まで殺してきた数」でカウントしているらしく…手に入れたその時から200~400くらいのダメージがバンバン入るので、非常に爽快。
私の場合、ラスボスもコレで、たった数ターンで倒せました!!

また、時々手に入る「伝説の武器」の中には、100越えで制限なしで使えるタイプのものがあります。
雑魚狩りに便利なので手に入ったら大事にしましょう。
セーブはこまめに…くれぐれも「シャッフル」(すべての持ち物が入れ替えられてしまうイベント)で失くさぬよう気を付けて!


というわけで、私的には、十分すぎるほど楽しませていただいたゲームなのですが。
実のところ、ゲームシステムとしては、もう少し…という部分も多々あった…のですよね。

これでもプレイできなくはないけれど、もう少し細かいところがなんとかなったら…と、プレイしながら、とても惜しい気分になってしまいました。
アイテムは全て戦闘中しか使えないこと…(回復アイテムくらいは移動中に使わせてほしい)…とか。
街の店で売ってるものは弱すぎてお金の使い道がないな、とか(重要なのはベッドと聖霊石のみ)
ラスボス倒して街に戻っても、セリフも状況も全く変わってないのが寂しい、とか…
(このテのあっさりしたエンドは海外のダンジョンものにありがちだけど…エンドロールの後の街で、倒したことが『なかったこと』になってしまっているのがなんともはや;せめてお城でねぎらいの言葉が欲しいよう;)
あと、前述の「図鑑機能」とか…あったら本気で嬉しい。
ゲーマーという人種は、これをコンプしたさにやる気度が二倍にも三倍にもアップするのです(←w)

とはいえ、そういった部分は、バグでもなんでもない、あくまでも『仕様』の部分なので…
希望要望は言えても、べつにそれを絶対直すべきっ、てほどのことでもないのですが。
プレイしていて、それ以上に気になったのは…全体的な「重さ」です。

…正直このへんは、うちの環境の問題も大きいと思うので、スペックの良いパソなら気にならないのかもしれませんが…とにかく反応が悪かった。
向きを変えるにしても、歩くにしても、メッセージを送るにしても、クリック一回じゃ反応しない。
何回もカチカチカチカチクリックしてるうちに、やっと動いてくれるって感じ。
これだけは、本当に参りました…;
本来なら瞬殺できる敵にも、戦闘で数分かかる。
システム上のプレイ時間は、クリアまで一時間チョイですが…実際にかけた時間は5~6時間はかかっているはず…
この点だけは…もう少しなんとかなったほうが…良いのじゃないかと…思いました…orz


けれど、それでも、気が付けば、最後までプレイしてしまっているという…;
一体何の魅了効果が働いたのか…ある意味恐ろしいゲームだと思います(←w)

その魅力を知りたくなった方は、ぜひともプレイしてみてくださいませ。
画像で、あっこういうグラ好き!と思った方には、とくにおすすめ!

ピトロクス・ギア

2018-03-05 12:59:10 | フリーゲーム(SF)
「ピトロクス・ギア」
シューティングアクションADV・箱に萌える・ゴルブッフバッキュロッケ!
制作者:とっととねろ太郎。様(盛り合わせC

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そこは、とうの昔に人間が滅びてしまった世界。
地上には「箱神(ピトロス)」と呼ばれる機械生命体のみがわずかに生き残り、細々と暮らしていた。
そんなある日、空から落ちてきたピクセルと名乗る少女と、箱神の青年?エックスとが出会ったことから、この物語は始まる…


というわけで、シューティングがメインのアクションゲームです。
アク下手でも大丈夫かな?と思いつつ、シナリオがすごく面白そうだったのでチャレンジしてみました。
難易度が4段階から選べる親切仕様のおかげで!なんとかエンディングまでたどり着けましたよーん。

世界観がしっかり作られていて、シナリオが面白かったっす~
キャラもグラフィック、性格ともに魅力的。
ピクセルをはじめとする、人型キャラたちはもちろん(リリのグラフィックがすごく可愛いと思う!)
箱に目がついただけの造形の、エックスが…すごくイイ!!
途中のクシャミ?のイベントを見た時から、なんだこいつ可愛いぞ?と思っていたけど、最後の最後にすべてを持ってかれたわー;まさか箱に萌える日が来ようとは!w 
男と箱は見た目じゃなく、中身が肝心ってことですね!ww

また、属性のメリハリの利いた各ステージ構成、いい具合に込み入って作られたマップや、各種ペンダントを付け替えることで細かく変わるキャラグラ&攻撃アクションなどなど…
どれをとっても高レベル!な、作りのとても細やかで面白いゲームでした。

戦闘の細かいバランスとかは、迷わずベリーイージー一択の私(←w)にはわかりませんが…
私にとっては、最後までクリアできる難度を備えてくれるゲームは皆、良ゲーム。
ショットがガンガン連射できたり、クロックアップでダメージを倍増できたり、戦闘に「爽快感」があるのも良いですね。
私はもともと、戦闘のプロセスを愉しむタイプのプレイヤーではないので…そこが苦行になっちゃうと、長編ゲームほどキッツいものがあるのですが…その点、このゲームは優しかった!最後まで楽しく戦闘できました。

他の箱神からクエストを依頼されたり、謎のアイテム屋からアイテムを買ったり、エックスをひたすら強化したり…と、やりこみ要素が豊富にあるのも気になるところ。
エンディングが気になってたまらなかったので、今回はイベント飛ばして先にクリアしちゃったんですけど…まさかマルチエンドだったり…しないよね?^^;

ちなみに、最後?の宝石集めのクエストは未クリアのままです。リットスって……アイテム屋とは違うのかな??
あと、競争も勝てなかったし…そうだ、考えてみれば「ニューロヘイトになりかけの子に使える」薬も使う機会がなかった…?
…ううっ、けっこうイベント落としてる気がしてきたな…
ラストダンジョン前のデータ取ってあるから、あとでもうちょっと粘ってみましょうかね…

シナリオはけっこう重めで、悲惨っぽい展開もあるように思うんですけど。
不思議と、全体の印象は軽やかで、希望に満ちたものに感じます。プレイ後の印象もとても爽やか。
これはピクセルとエックスの前向き加減や、アクションの爽快さのためもあるけれど…全体に明るめの音楽のお陰でもあるかなぁ? 

プレイして気持ちの良いゲームでした! 
アクション苦手な方も、ぜひぜひこれを機会にプレイしてみてくださいな^^






最初、喋れるキャラの近くで出る「Z」を見て、寝ている表示だと思っていた私。
『みんな夜だけでなく、昼間も寝てる!話しかけないとイベント進まないのに、どうすれば起きるのさ!』とかしばらく悩みました。
……自分アホすぎる……orz

雨水のあはれ

2018-03-01 18:12:49 | フリーゲーム(ファンタジー)
「雨水のあはれ」
探索ADV・和風・美麗マップ
制作者:あきら様(ほーむorあうぇい

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カラスのゲームをDLしたあと、独特の雰囲気が気になって過去作を掘り返してみました。
レディとメイドと同じ作者様だったんだ!! 全然雰囲気が違ってわかりませんでした…;
ついでに、ソラドウトもこの方だったと初めて知りましたが、こちらは作品のカラーが同じなので納得です。

さて、雨水のあはれ。
これはとある沼で起きた出来事を、4人の登場人物の視点からそれぞれプレイする話です。
何が起きているかはハッキリとは語られないので、それぞれの登場人物の言葉や、会話…動物たちの話、そして時折挟まれる記憶?を頼りに、推測していくしかありません。

雨に煙る、薄闇色の沼の風景。
ぼんやりと灯る灯り、画面にたちのぼる水の気配。
肌にまつわる湿度すら感じられそうな、良いマップでした。


4人のキャラクターは、同一のマップをそれぞれが探索していくのですが、キャラによって、水の中しか歩けなかったり、動物の言葉を解したり解せなかったり、人間の文字を解読できたりできなかったり、という特徴があり、それらは、彼らの正体…彼らが何者であるか、に由来しています。

姫と狐面の二名に関しては、モロに相手の正体を名前呼びするので、ああここのヌシなんだな、とすぐわかるんですが…その眷属である二人は何者なのかは、ボンヤリしたまま終わるのが、なんともいえない余韻を残すんですよね~

学生服の青年はヨシと呼ばれる女性のことを知っているようですし…
かたや水に棲み、かたや陸を歩く存在でありながら、二人とも人の文字を読むことができる。
付記に書かれた「四野見」の物語は…果たして誰を示しているのでしょう。
また、狐面の男編のオープニングで語られた、水底に沈む母子は一体?

どういうことなのか知りたいと、読み込めば読み込むほどによくわからなくなる、逃げ水のようなシナリオでした。
付記に、元ネタになった…と思われる物語の断片がありますが…「塩焼き文正」を読んでみても、あんまり、理解の助けにはならなかった…いくつかの物語を混ぜて練り直しているのかなぁ。

ともかく、マップの雰囲気によくあった、ミステリアスなゲームで…すごく雰囲気が良くて好きでした。
サックリプレイできるので、気になった方はどうぞ!


また、これが気に入った方は、同じ雰囲気の洋風謎解きゲーム「ソラドウト」もおすすめです!






沼の主と社の神との戦いの末…結局、芳子と青年は、その後どうなったのでしょうね…