鼠喰いのひとりごと

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ひもろぎのうた

2018-03-10 15:31:27 | フリーゲーム(ホラー)
ひもろぎのうた
ホラーファンタジーADV・エイジの懐の深さに驚く物語
制作者:S.T.L様

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主人公は、とある田舎町に暮らす少年エイジ。
中学時代を共に過ごした幼馴染たちが、久しぶりに帰省して再会したその日…今は廃校となってしまった母校をみんなで探索することになりました。
しかし、そこで彼らが出会ったのは、不気味な姿をした男の幽霊…
彼は一体何者か、何のために3人の前に姿を現したのか。


というわけでー、閉鎖的な田舎町を舞台にしたホラーADVです。

マップグラフィックが、リアルすぎない明るい色目でキレイ。
何気にガタイの良い、男の子たちのグラフィックも好みでした。

シナリオはほぼ一本道に近い作りですが、3人の幼馴染の中から一緒に行動するメンバーによって、3つのルート…彼らの3つの過去の物語を知ることができます。
チハルは「廃工場」アツシは「火葬場」マコトは「駅」。
それぞれに、なかなかの胸糞展開が繰り広げられますので、プレイする際にはお覚悟を!

個人的には「火葬場」ステージに『おおっ!』と思いました。
ホラーフリゲではあんまり見たことなくて目新しいっす。
火葬はほぼ日本独自の文化だし、状況によって黒くも白くも使い分けられそうな…ホラー的に美味しい題材かもですねえ♪

シナリオについては、あまり詳しく語るとネタバレになるので、割愛しますが…3ルート全部プレイすると、エイジくんのあまりの懐の深さに驚きます。
物語の中では暗示的に「セロひきのゴーシュ」が使われているのですが、プレイしていて思い浮かぶのはむしろ『雨ニモ負ケズ』。
エイジくんが何を思って行動したか、その人間性については、結局は3人の思い出の中のセリフや行動から推し量ることしかできないのですが…
常に飄々として、自分が大切に思う人間に「寄り添う」ことを貫いた…そんな人に思えます。

幼馴染たちも、それぞれ3者3様に酷い経験をしているのでわかりにくいのですが、ゴーシュは…もしかしたら、エイジくん本人のその後を表していた…のかも、なんて考えてみたり。
エイジくん自身は最後に軽ーく流していますが、ああなってしまうだけの重さの出来事が、確かにあったのだろうから。

しかし、田舎で子供の人数も少なそうなのに、そのうち4人がこんな目に遭ってるとか、なんちゅう荒んだ環境か…;
しかもそれぞれ「元凶」そのものは、現実で何の咎も受けていない気が…;
でも…だからこそ、エンディングで全員が強く負けずに現実を生きていく!っていう重みに繋がる…といえば、そうともいえる?

3人の幼馴染のうち、女の子であるチハルちゃんは、ちょいと恋愛めいた深読み可能。
まあ、これが一番ノーマルなルートだとは思うんですけどー

しかし、私はあえて!カップリングはアツシを推します!
なにこのイトコとかいう美味しい血縁設定と、さりげなくすばらしい依存関係!
私は最初にアツシを攻略し、さらに最後にもう一回アツシをプレイして〆ました。

マコトは…マコトはねえ、なんとなくすごくノーマルな気がするので。
私的にはあまり萌えませんな…
いや、エンディング後にマコト×アツシならアリかもしれないが…
(↑この場合チハルの立場はww)


さてさて、最後は攻略ポイント…詰まりそうなところはね…うーん……
とりあえず、アイテムのありかが、光ったり光らなかったりとマチマチなので、手を抜かずに探索するのをおすすめします。特に、個別ルート内。重要なアイテムほど光ってなかったりする罠w
チハルとアツシのルート…おかげで、なかなか生き延びられなくて苦労しました…;

あと、微妙に惑わされる感がある仕掛けは、それぞれの「苗字」と「名前」をあえてリンクさせない話運び。
廃校ルートではいくつかの、幻聴じみた噂話が聞けるのですが…それはすべて苗字で語られるので、一体誰のことなのか、最初はわからないんですよね。
話を進め、ルートを繰り返しプレイするうちに『ああ、これはあの子のことか…』と腑に落ちる感じは、なんとも感慨深かったです。


3ルートの最後のスチルと、トゥルー後のタイトル絵の後姿が泣ける!
気になった方はぜひプレイしてみてくださいね~












空きビンとか、ゴーグルとか10円玉とか。微妙に使いそうで使わないアイテムがいくつかありましたけど…
もしかして最初はもっとイベントがある予定だった…のかな?


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