赤い青春

「赤い青春」　ADVノベル・苛められっ子の復讐
制作者：やみか様（サークル・モンクスリッカ　twitter）

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ストーリーは一本道で、プレイヤーが操作する部分はありません。
途中で挟まるセーブくらいかな？
作者さんがジャンル分けしている通り、advノベル、なのだと思います。

一言で言ってしまえば、9年間虐められて壊れてしまった子が悪魔の力を借りて、かつてのいじめっこ達を惨殺する物語。
内容は重めだし、賛否両論ありそうですが…まあ、ゲームの中のことと考えれば…ある意味スカっとするかな？←ｗ
世間的には、タテマエとして「復讐は認められない」ものですが。
こういうの、実際に同じ状況で傷を負ったことのない人間には、計り知れない部分があるし。
長年虐められて壊れちゃった人に、そんな過去のこと忘れちゃえyo！とか、安易に言えないわー。
ていうか、言える人はどうかしてるだろう。


面白いなーと思ったのは、いじめっ子たちと、主人公…しとみとの認識の違い。
個人的には最初の子が一番「うわーコイツ駄目だわ」と思いました。
この子、最後まで、自分たち優先で、しとみを一番人間扱いしてなかった気が…；

そういえば以前、いじめのエピソードを書いた本を読んだとき、あとがきで「昔の同級生がこの本を読んでショックを受けていた。自分にとって学校は地獄みたいな場所だったのに、他の子にとっては懐かしく平和な場所だったらしい」とか書いてあったなぁ。
その本の作者さんは先生に目をつけられて体罰を受け、殴られて大きな怪我を何回もしていて、ホームルームでクラス全員の前でつるし上げを食らっていたのに。
同じとき、同じ場所に居合わせてさえ、立ち位置で記憶も印象も全く違うものらしい。

だから、この子にとってはしとみを苛めた記憶も、仲の良い友達と楽しく遊んだ思い出に過ぎなかったんだろうか…なんて。
ある意味それが一番ゾっとするんだけど。

２人目は…もし逆の立場なら自分は何ができたか、で感じ方が変わるかも。
学校なんて閉鎖空間で、しかも子供で、その場のボスに逆らえる人間はそういないよね。

３人目、主犯の子は…動機は同類嫌悪、だったっぽい？
自覚もあるし、後悔も反省もない。ここまで貫けるのはある意味あっぱれかもしれないが…
でも、それで９年間虐めるとか陰湿すぎるわー、ないわー



いろんな意味で傷つき壊れて拗らせて、人間に見切りをつけた形のしとみちゃんですが、悪魔の少女イルムとの出会いによって、最後はやや救いがある感じになってます。
苛め関係に抵抗がない方は、プレイしてみてくださいね～




イルムは、しとみの憎しみも悲しみも殺意も虚無も、何一つ否定しなかった。
もしかしたら、しとみにとって、一番必要なのはそれだったのかもしれない。
欲を言えば、こんなに壊れてしまう前に、そういう相手と出会えていれば、何か違っていたのかも…