鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

生きる権利と死ぬ権利?

2005-05-18 19:06:18 | 雑事

最近、ニュースになっている延命治療中止。

一応日本では、本当に治る見込みのない場合、本人が望めば延命治療の中止を行うことができる…
ということになっていますが、もちろん本人が突然の事故で脳死状態になった場合、それは不可能です。
その場合、かわって親族が「あの人なら、きっとこう言うに違いない」と推定し、
中止してもよいということになっています。
(しかし、なかなかこのへんは曖昧ですね)

今回、記事を読んでも、何が罪に問われたのか、最初サッパリわからなかったのですが、
あちこち拾い読みしてみた感じ、

・病院に搬送され、わずか1時間後には、医師は既に延命治療中止を提案した。
(それは確かに早すぎるかも)
・その時点では心臓は動いており、脳波計などの機器を使った脳死判定も行われていなかった。
(ただし、医師は自発呼吸停止・瞳孔の拡大で脳死を判定したとされている)
・提案・決定は全て親族と担当医師との間で行われ、他の医師、院長などは関与していない。
(でもこの親族の同意については”要件を満たしていない”扱いらしい。何で?)

ってところなのかな?

しかし、今回のニュース関連の記事は、読んでて物凄く歯切れが悪い。
何が罪に問われて殺人罪なのか、きちんと書いていないのですよ。
まるで、医師があくまで勝手に呼吸器をはずして患者を死なせたような扱いをしているのに、
事件のあらましでは「提案し、親族はそれを受け入れ」とか書いてあったりするし。

で、その「親族の意思」も曖昧なんですね。
医師は、とりあえず治療中止を提案している。そして、親族は、それを一度は了承している。
しかし、判決結果から見ると、親族の「明確な」治療中止依頼は、されていないことになっている。
(それについては「家族への病状の説明は不十分だった」と書いてある記事がありました)

…あの医者に強く勧められてたら、なんとなくそんな気になっちゃったんです…
…お医者さんが言うのなら、それが正しいような気がして…
なんだか、そんな言葉が文脈から聞こえてきそうな気が…(汗)
いや、多分気のせいですね、きっと。

今回の医師のやりかたは、多分に問題があったのかもしれませんが、
これじゃ、結局「延命治療中止」にはどこの病院も怖くて踏み切れなくなるんじゃないでしょうかねー。
いくら脳死状態だといったところで、親族の意向が正確に「本人の意思の推定」であると
証明する方法はないのですから。
その気になればいくらだって難癖はつけられる。
それを避けるには、意識の無い患者はとりあえず「生かしておく」しかないんじゃないかと(汗

***

延命治療中止。
もしわたしがもう絶対意識が戻らないだろう状態になったとしたら、
さっさと殺して構わないわ、と思います。
もう助からない人間に、お金や時間をかけることはありません。

でも、もしダンナやコドモがそうなったとしたら…きっと、私には、それはできない。
たとえ生きたまま身体が腐ろうと、身体から筋肉が落ちてミイラのようになろうと、
それでも生きていて欲しい、と思う…んだろうなぁ。

こういう問題は、感じ方も考え方もひとそれぞれで、本当に難しい。
逝く側も残される側も、少しでも納得のいく最後をむかえられるように、
「延命」に関するルールが、今のように曖昧なものでなく、
もっときちんとしたものに整備されることを願っています。


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