「夢幻地獄」 殺人鬼視点ADV・悲劇の連鎖
制作者:カッパ永久寺様(河童堂)
=====================
最近「牢-RAW-」を再プレイしようと思ったんですが、
ふと、そういえば関連?作品あったよな、と思い出して、
セットでプレイしなおしてみました。
…実際にプレイしてくれればわかるんですが、
これはこういうゲームです、って、
一言で言えないゲームなんですよね。これ。
いろんなものが混じって混沌としていて、
落としどころも定まらなくて、でも勢いはある。
特に前半に癖が強いので、好みが分かれるところかと思うんですが、
ホラー好きなら、そこは堪えて最後までプレイしてみてください。
前半と後半、まったくカラーが違うので!
主人公は、義父の暴力に悩む少年。
自分はともかく、幼い妹や母に向けられる暴力をなんとか止められないかと、
心を痛めているものの、なんの手段も講じられずに日々を過ごしていた。
しかし、そんなある日。義父は、巷で噂の殺人鬼の被害者として発見される。
そのおかげで訪れた平和な日々の中、今度は主人公へ、殺人鬼本人から呼び出しが…
作者さん、「青の炎」を読んで構想を思いつかれたそうで、
あれを知っている方なら、前半の展開は予想がつくのではないでしょうか。
一つ悪事を働くと、それが呼び水になって、坂を転げ落ちるように、
どんどん収集がつかなくなっていく。
落ち着いたか、と思ったところでまた不運が襲う。
いくらなんでもこれはひどすぎるわ、と思うような展開の数々に、
プレイヤーはあっけにとられるばかり~
まあ、これだけなら「どんな原因があったとしても、犯罪はいけないよ」
という啓蒙ゲームだともいえるのですが。
それを覆すのが「殺人鬼・亜未斗快」の存在です。
犯罪について達観した言葉を述べながらも、悪人を殺すのをやめない亜未斗快。
掴みどころのない性格ですが、この人はこの人なりの信念をもって行動しています。
主人公を常にサポートしてくれますが、その行動には基本的に口は出さない…
そんなわけで、エンド分岐の選択肢は、本当に迷いました。
大抵のゲームは「流れ」でこっちが正解!っていうのが予想できますが、
これはわからない…っていうか、正解なさげ。
大体、結果から見ると、どっちもバッドですからねぇ…
まあ、そのあたりは、皆様のお好みで。
私的には、これはとても面白いゲームだったのですが、
一つ覚悟しておいてほしいのは…
特に前半部分において、ギャグっぽい会話イベントが多いということ。
なんていうかなぁ…シナリオの現実感のレベルがあってない、というか。
シナリオ自体は相当重くてシリアスなのに、そこだけギャグマンガっていうか。
普通のアスファルト道路に(!)いくつも落とし穴掘ったりする幼馴染とのじゃれあいは、
殴ったら空飛んで星になるレベルのギャグ漫画なら、十分アリだと思うんです。
ただ、殺人関係でやたらリアルに苦悩する世界観の中では…
…デスノートの中におぼっちゃまくんが紛れ込んできた、みたいな気分に。
…まあ、その落差ゆえに、現実の厳しさが際立つ…と、言えないこともないんですが…
最初の方の家族の会話、そして幼馴染とのやりとりは、ちょっと苦痛でした。
たぶん、最後までプレイできなかった人は、ここでリタイヤしているんじゃないだろうか…
会話イベントが長いのに、その間はセーブできないのもツラい。
主人公の性格は、牢でもこの片鱗が見られるので、
これはたぶん作者さんの個性なのだと思うけど…
とりあえず、ギャグ会話な部分を、もう少し短めにキメてくれると、
もっとプレイしやすくなるかなぁ。
以下は多少ネタバレ入りますんで、色薄くしときますね。
どっちもアレなエンドではありますが、
個人的には、エンド1のほうが好みです。
ていうか、主人公悪くないと思うし。
もともと動物殺すの好きだった、とかなら問題あるけど、違うよね。
追い詰められればどんな動物だって死に物狂いで牙を剥く。
それは生存本能ってやつでしょ。
…まあ、2人目の前に自首するのが、
本人にとっては最善だったかなぁ、とは思う。
でもそれだと、幼馴染の子は救われないんだよね…
あと、お母さんの立場になったら、私だって見捨てて逃げるよ。
超チャンスだとしか思えないな。はっきり言って。
制作者:カッパ永久寺様(河童堂)
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最近「牢-RAW-」を再プレイしようと思ったんですが、
ふと、そういえば関連?作品あったよな、と思い出して、
セットでプレイしなおしてみました。
…実際にプレイしてくれればわかるんですが、
これはこういうゲームです、って、
一言で言えないゲームなんですよね。これ。
いろんなものが混じって混沌としていて、
落としどころも定まらなくて、でも勢いはある。
特に前半に癖が強いので、好みが分かれるところかと思うんですが、
ホラー好きなら、そこは堪えて最後までプレイしてみてください。
前半と後半、まったくカラーが違うので!
主人公は、義父の暴力に悩む少年。
自分はともかく、幼い妹や母に向けられる暴力をなんとか止められないかと、
心を痛めているものの、なんの手段も講じられずに日々を過ごしていた。
しかし、そんなある日。義父は、巷で噂の殺人鬼の被害者として発見される。
そのおかげで訪れた平和な日々の中、今度は主人公へ、殺人鬼本人から呼び出しが…
作者さん、「青の炎」を読んで構想を思いつかれたそうで、
あれを知っている方なら、前半の展開は予想がつくのではないでしょうか。
一つ悪事を働くと、それが呼び水になって、坂を転げ落ちるように、
どんどん収集がつかなくなっていく。
落ち着いたか、と思ったところでまた不運が襲う。
いくらなんでもこれはひどすぎるわ、と思うような展開の数々に、
プレイヤーはあっけにとられるばかり~
まあ、これだけなら「どんな原因があったとしても、犯罪はいけないよ」
という啓蒙ゲームだともいえるのですが。
それを覆すのが「殺人鬼・亜未斗快」の存在です。
犯罪について達観した言葉を述べながらも、悪人を殺すのをやめない亜未斗快。
掴みどころのない性格ですが、この人はこの人なりの信念をもって行動しています。
主人公を常にサポートしてくれますが、その行動には基本的に口は出さない…
そんなわけで、エンド分岐の選択肢は、本当に迷いました。
大抵のゲームは「流れ」でこっちが正解!っていうのが予想できますが、
これはわからない…っていうか、正解なさげ。
大体、結果から見ると、どっちもバッドですからねぇ…
まあ、そのあたりは、皆様のお好みで。
私的には、これはとても面白いゲームだったのですが、
一つ覚悟しておいてほしいのは…
特に前半部分において、ギャグっぽい会話イベントが多いということ。
なんていうかなぁ…シナリオの現実感のレベルがあってない、というか。
シナリオ自体は相当重くてシリアスなのに、そこだけギャグマンガっていうか。
普通のアスファルト道路に(!)いくつも落とし穴掘ったりする幼馴染とのじゃれあいは、
殴ったら空飛んで星になるレベルのギャグ漫画なら、十分アリだと思うんです。
ただ、殺人関係でやたらリアルに苦悩する世界観の中では…
…デスノートの中におぼっちゃまくんが紛れ込んできた、みたいな気分に。
…まあ、その落差ゆえに、現実の厳しさが際立つ…と、言えないこともないんですが…
最初の方の家族の会話、そして幼馴染とのやりとりは、ちょっと苦痛でした。
たぶん、最後までプレイできなかった人は、ここでリタイヤしているんじゃないだろうか…
会話イベントが長いのに、その間はセーブできないのもツラい。
主人公の性格は、牢でもこの片鱗が見られるので、
これはたぶん作者さんの個性なのだと思うけど…
とりあえず、ギャグ会話な部分を、もう少し短めにキメてくれると、
もっとプレイしやすくなるかなぁ。
以下は多少ネタバレ入りますんで、色薄くしときますね。
どっちもアレなエンドではありますが、
個人的には、エンド1のほうが好みです。
ていうか、主人公悪くないと思うし。
もともと動物殺すの好きだった、とかなら問題あるけど、違うよね。
追い詰められればどんな動物だって死に物狂いで牙を剥く。
それは生存本能ってやつでしょ。
…まあ、2人目の前に自首するのが、
本人にとっては最善だったかなぁ、とは思う。
でもそれだと、幼馴染の子は救われないんだよね…
あと、お母さんの立場になったら、私だって見捨てて逃げるよ。
超チャンスだとしか思えないな。はっきり言って。