鼠喰いのひとりごと

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パッチワーク・ドールズ

2017-04-14 13:16:42 | フリーゲーム(ファンタジー)
「パッチワーク・ドールズ」
探索RPG・人形と一緒に旅しよう
制作者:望月すすき様(KANOTOSOFT

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内乱の絶えなかった国、ウィリザレム皇国。
かつてこの国では「魔縫人形」たちを兵器として使った代理戦争が起きていた。
しかし、その終わりのない戦いは、ある日突然思いがけない形で終息する。
突然、ほぼ全ての人形が敵味方の区別を失い、無差別に攻撃をし始めたのだ。
戦闘用として作られた人形たちの力はすさまじく、ウィリザレム皇国はひと月を待たずに壊滅してしまう。

「ほどけの日」…のちにそう呼ばれる日から始まった混乱を、人間たちは必死に生き延びた。
人形遣いと呼ばれる者たちが、少数の「ほどけ」なかった人形たちとともに戦い、やがて焼け野原だった場所を緑が覆うころには、再び街が作られるまでに復興は進んでいた。

舞台はそんな、平和を取り戻しかけた時代。
辺境の高台にある町エキュロイユに住む一人の少女が「人形遣い」になるために、いま旅立つ。


…なんか、あらすじ書くと、シリアスだなあ!
これを読むとハードな世界観に感じますが、すごく可愛いゲームです。

主人公の少女は…年はわからないけど、まだ幼くてお酒を飲めないくらいの設定。
人形も「魔法人形」ではなく「魔縫人形」…そして「狂う」ではなく「ほどける」と表記されることからも、布と糸で縫って作る、ふわふわな人形をイメージしているのだと思われます。
仲間になる人形たちも少年少女型だし、敵キャラもぬいぐるみチックで可愛らしい。

システムは…特にシナリオはなく、プレイヤーが自由に探索できる、フリーシナリオタイプのRPG。
主人公の少女は戦いません。戦うのは一緒にいる人形になります。
もちろん人形ですので、自然に怪我が治ることはなく、経験値でレベルアップもしません。
装備を買ってカスタマイズすることでステをあげていく感じです。

特に最初は雑魚にも苦戦する状態ですので、経験値LVUPのRPGに慣れていると先が不安になると思いますが…
まずは「依頼」をこなしてお金を稼ぎ、装備を整える。
ある依頼で貰える「シーカー」でお宝さがしをするのも重要です。
ビッグブリッジの敵は人形を二体手に入れた後なら「その時手に入る装備で絶対に倒せる」ようになってますので、いろいろ頑張りましょう。
そこを越えれば、お金で人形のレベルアップをしてくれる人と出会えますよ!

他にもいくつか、個性的な仕様があるので、ちょっとだけ説明。

回復アイテムが品薄、かつ戦闘中に使えるものは効果がとても弱いのですよね。
後半、もっと効果の高い回復アイテムが数種類増えるかと思ったら、最後までそれ一種しかなかった…
しかも持てる数は1種につき9個。作中何度も出てきますが「ワープアイテムを使う場合は持てる荷物に限りがある」らしい。
とりあえず、生き延びて自宅に帰れば激甘なお兄ちゃんがタダで全回復してくれますので、そこはそういうものだと割り切ってプレイしませう。
装備を揃えて、人形の数が増えていれば、戦闘中に回復薬はあまり使わないですむ…ような気がします。
あと、雑魚戦闘から逃げにくい…(ここはバージョンアップで緩和されてるようです)
まあ、死んでもペナがない、のは、何度も死ぬのがアタリマエな仕様ってことなんじゃないかな?

このゲームは、なんでも、作者様が大好きなゲームの影響を受けて作られたものだそうで…
そのゲームを知っている方だと、もしかしたら、設定や仕様に納得がいくのかもしれないですね~


シナリオ面、というか遊び方?については、個々人のお好みで。
とはいえ~ フィールドを安全に探索するためには強い装備が必要で、装備を揃えるためにはお金がたくさん欲しくなるので、お尋ね者退治は、積極的にプレイすることになると思います。
一応、街の人からのクエストもいくつかあるけど…そっちはあんまり高額じゃないし、繰り返し受けられるものもほとんどないので。
あとはアイテムを集めてライブラリを埋めたり、壁のヒビを壊してみたり、武器交換に応じてみたり、と…やりこみ要素も満載です。

そうして、各地で人の話を聞いたり、調べたり、依頼をこなすうち、「あれっ?この話の人ってもしかして…?」とかいう「繋がり」が見えてくるのも楽しいですよ。
エンドロールの後も、ゲームを続けてプレイできるのは、この作者さんのゲームの売りですねぇ。

ちなみに私は酒場のマスターがお気に入り。
「小さなレディ」と呼び掛けてくれる洒落た会話がたまりません。
…お酒に関する話も美味しそうで、ついつい飲みたくなるなぁw


ところどころに残る、戦火の傷跡を包む植物の緑は、まさに破滅のあとの再生って感じ。
希望に満ちた、優しい後味を残すゲームでした。
これね、キャラを思春期の子にして、人形の姿をメカメカしくして、音楽を暗くして、敵キャラをグロくしたら…ダークホラーゲームにもできたと思うんですよ。
でも、あえて作者様がこの可愛い造形に拘った理由は…冒険をすすめていくうちに、わかると思います。
パッチワーク・ドール…魔縫人形にこめられた想いと願いとを、ぜひとも感じてください。


…やはり幼女は最強である。うむ。






ちなみに、カカシは見つけたら調べておくと吉。
人形の一体はシーカーを使わないとみつけられないっす。

……ところで最後の方の日記で出てくる「森に置いてきた心のある魔導人形」…ってまさか。

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