鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

王子と秘書官

2018-01-13 01:58:24 | フリーゲーム(ファンタジー)
「王子と秘書官」
謎解きアクション・さりげなくBL・鳥皮のない鳥肉なんて!
制作者:赤リンゴ様(赤リンゴ屋敷

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「さまよえる不死者たちの城」の作者様の前作です。
特に難しい道でもなく、追われて急いでるわけでもないのに崖だの水だのに落ちまくりましたが、なんとか無事クリアできました。
なにかこう…まっすぐ行くと落ちるなーとわかっていても、吸い寄せられるように落ちてしまうんですよね。なぜか。

プレイしてまず思ったのは、シナリオといいグラフィックといい、個性の塊のようなゲームだなってこと。
「さまよえる~」は、全てにおいて平均的にレベルが高く整っていて、プレイしやすくとっつきやすいとは思いますが…個人的には、この「王子と秘書官]のほうが印象が強く感じます。
ぶっとんだキャラ作りもさることながら…なんだろう? すごく作者様がノリノリで作ってるなって気がする…?のですよ。
自分が好きなキャラと好きな世界観を思い切りぶちこみました!みたいな、思い切りの良さが素敵~

シナリオは、割と大人めな展開もありますが、基本、ギャグ漫画のような会話運びに、ボケとツッコミが秀逸で、もう会話シーンになるたびにひたすら爆笑してました。
王子クランと秘書官トゥーラをはじめ、本来敵であるはずのあの人やあの人も、全員がそれぞれ魅力的で憎めません。
一応、登場人物の中には、女性と絡むシーンも一部あるんですが…
どうにもこうにも、そのあたりはちょいと不純で泥沼に描かれているため、むしろ男同士の絆のほうがずっと綺麗で純粋に見えてきてしまうという。
一度エンディングを見てしまうと、トゥーラの容赦ない王子へのツッコミには、愛があふれてるようにしか見えなくなりますよ!

グラフィックには若干癖がありますが、私はけっこう好きでした。
なんとも味のある、良い表情付けをしてくれるんですよねぇ。
王子が16歳の設定だったことには最初驚きましたが、ミラードは年相応?で、渋くて良いキャラでした。
特におまけのゲームをプレイすると、ミラードがすごく可愛く見えてきてしまって…!
むしろ彼はヒロイン!きっと本編のその後では、囚われのお姫様のごとくリーンに救われるんだろうな…


アクション難易度は甘目です。
無制限回復ポイントが要所要所に設置されているので、危なくなったら全回復しつつ探索できる仕様。
崖落ち・水落ちも、落ちたところからすぐに復活できる安心設計。
イベント関係は大体「うまい人なら要領よく進められるけど、下手糞でも時間さえかければなんとかなる」くらいの難易度調整で、アクション下手にも優しいゲームだと思いました。

ただ、途中、ちょっとレベリングは必要かな? 
レベルが一つあがると、2発当てなきゃ倒せなかった敵が1発で倒せるようになったりするので、それだけで探索がとても楽になるはず。
あと探索はしっかりとすみずみまですること。
マップの奥…ちょっと探すのにコツがいるような場所にある宝箱は、大抵とても役に立つ装備や武器が入っています。
また、あちこちに置いている意味ありげな黒樽は、後々壊した数に応じて良いアイテムが手に入るので、積極的に探していきましょう。


時間を忘れてプレイしてしまう、とても面白いゲームでした。
BLっぽい要素があるので、そういうのが好きな方には特におすすめ!