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鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

はぐれボシのミニマ

2017-06-27 17:55:16 | フリーゲーム(ファンタジー)
「はぐれボシのミニマ」
探索RPG・お兄ちゃんと幼女
製作者:鈴華様(Pinklover

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15歳の男の子と8歳の女の子…うむ、実にいい年齢設定ですね!


この作者様の作るものなら、シナリオ面ではまずハズレはないんですが…
今回はゲームシステムも、画面構成?グラフィック?も凝ってて面白かったです。
しかも、初盤でほぼバグ無し。
操作性も…マップアイテムを調べるときに、半キャラ滑る感じがありますが…それ以外は気にならない。
(これ、滑らない設定にすると、あっちこっちひっかかって動かなくなりますしね…)
グラだけではなく、いろんな意味で、とても綺麗に作られたゲームだと思いました。

もともと乙女ADVで名を知られた作者様ですが、今回はRPG。
以前、ちらっと短めのハロウィン系RPGを手掛けられた時、おや?とは思っていたのですよね。
その後またADVを何作かアップされていたので、やっぱりADVのみで行くのかと思っていたら…
まさか、こんな形で超進化してくれるとは。

たとえばADVならADV、RPGならRPGで、一般的な仕様のシステムってあるじゃないですか?
それをそのまま使ってシナリオで変化をつけていくほうが、ずっと簡単で…まあ、早く制作できる?んじゃないかと思うんですよ。実際、それで何作も創っていく方のほうが多いですし。
でも、今作の制作者さんのように、そこから一歩進んで、新しいシステムを取り入れていくタイプの方々は、やはり本当の意味での「ゲーム製作者」なのだなぁと思います。
や、もちろん、汎用性のあるプラグインやマップチップ、サブシステムを作っている方々の協力あってのことではあるのでしょうが。


さてさて、話を幼女に ゲームに戻して!
まずは、ざっくりとあらすじを~

大きなクマ型モンスターの討伐を引き受けた少年・ロエンは、モンスターの痕跡を追ううちに、行き倒れになっている小さな少女を見つけます。
最初は関わりにならないつもりだったはずが、少女・パルシェの独特の喋りと人懐こさに絆され、気付けば森を越えた先の神殿まで同行することに。

ビーストハンターとして、年齢は若くとも世の厳しさを知る醒めた少年・ロエンと、幼い少女の身で見えぬものを見る力を持ち「魂を吸収する」物騒な精霊を連れた精霊術師・パルシェ。
二人はこの短い旅の中で、一体何を見、何を知るのでしょうか…


キャラが相変わらず魅力的^^
パルシェちゃんは、独特の喋り口ではありますが、自分に正直で真っ直ぐな女の子。
ロエンも寡黙な見た目の割に、中身はとても優しくて面倒見がいいのがツボ。
あー子供面倒くさい!と思ってても、気になって世話をせずにはいられないっていうね!
そんなロエンをパルシェちゃんが素直に慕う様子も微笑ましい。
断られるとは微塵も思っていない堂々とした甘えっぷり!
うむ、お兄ちゃんと幼女はかくあるべし。

正直、ゲームとしてはそんなにボリュームがあるわけじゃないんですが、プレイして充実感のあるゲームでした。
たぶん、キャラ切り替えによる視点変更と謎解きのおかげでしょうかね?

ロエンは観察眼が鋭く、ちょっとした崖を上り下りでき、罠を解除でき、間接攻撃ができる…
そしてパルシェは精霊と話せるし、魔法の仕掛けを見つけて動かせます。
この二人の視点を切り替えながらマップを調べて、進んでいく仕様なのですが、マップごとにキャラ切り替えて~調べて~、変化が起きたらまたキャラ切り替えて調べて~とやっていると、案外やること多いのですよね。
あちこちに仕込まれた二人の会話も可愛くて、それを探すのも楽しみの一つ。
この「会話」をどのくらい聞いたかが、実績の一つになってたりしますので、必死に探索しているうちに時が経ってしまいます。

また、キャラを切り替えた時の、視界の変化がキレイでいいんですよね!
切り替えると、ロエンの時に見えていたモンスターの足跡が、パルシェには見えてなかったりするのも面白い。
同じ景色の中にいても、二人はそれぞれ注視するもの・気が付くものが違っていてたり。
それについて作中で「パルシェは上のほうばかり見て地面を見てない」という会話が出てきたときは笑いました。
確かに足あとも黒い球も地面にある…! そして木の実にはちゃんと気づいてた…!
こういう細やかなフォローが、ぽちぽち入ってくるのもさすがです。


戦闘は割とヌルめ~
雑魚モンスターは無理に戦闘する必要はなく、初盤の敵ならロエンの間接攻撃で一発だったり。
ボス敵も、HPが多いわりに、そうオニな攻撃をしてくるわけでもないので
(クエイクの必殺技は、回避のヒントをロエンが教えてくれます)
多少時間はかかっても、倒すこと自体は難しくありません。

ただ…難易度高いのが、クリアに直接関係ない、2種の「お着換えモンスター」。
特定の場所にいる、光る外見の敵シンボルです。これが強い!
わたしはいまだに倒せません。
回復凄かったり硬かったりで、ターン制限超えて逃げられてしまう。

これは普通に戦うんじゃダメっぽいですね…なんとなく戦闘にワザがある…気がする。
実は私、今まで戦闘でカットインを見たことがない(!)ので…
何か条件を積み上げれば、大ダメージをガツンと与える方法があるのではないかな~、なんて?
『風の力で強化』あたりの技がアヤシイ??
まあ、そのあたりは、実況や攻略を待つとしましょうか~…
(作者様のサイトで攻略出ました☆コツは連携なのね…!)

☆形に画面を切り抜いたようなイベントグラフィック、メニュー選択時のキラキラした効果音、敵キャラグラフィックの選択に至るまで、とても可愛く心温まるゲームでした。

この二人の成長した姿を見たいものだ……
素直で心優しいけれど「天然」な精霊術師と、それに振り回されながらも常にフォローする、不愛想なビーストハンター…もちろん美少女とイケメンに育つに違いない!

今まで、こちらの作者様のヒロインは、割と「相手にばかり気を遣う物分かりのいい良い子」が多かった気がするので(ユニ然り、志依ちゃん然り、小夜乃さん然り、ニーナちゃん…は物分かりはともかく、人のために自分のことは後回しにしちゃう子だった)一人くらい、素直に甘えて甘えて甘え倒す子がいてもいいと思うの♪


無敵な幼女がお好きな方はぜひどうぞ~^^

雛鳥フェアリーテイル

2017-06-22 10:53:42 | フリーゲーム(ファンタジー)
雛鳥フェアリーテイル
ノンフィールドRPG・裏山薬草・また新しい魔女が生まれる
制作者:青汁様(DREAM of DREAM

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お婆さんと二人きりで森の中に暮らす少女、ヘンリエッテ。
ある日お婆さんが体調を崩してしまい、裏山にある薬草を採ってきて欲しいと頼まれました。
「一人で遠くへ行ってはいけない」
そう言いつけられていたヘンリエッテにとっては、一人で山に入るのは初めての経験。
お婆さんに習った魔法で魔物を退けて、枯れ葉のつもる道を一歩また一歩と踏みしめて。
ヘンリエッテは進みます。薬草を探して奥へ奥へと…


えーと。ノンフィールドの裏山薬草ものでございます。
もともとは裏山薬草フェスに出す予定だったとのことですが、完成に時間がかかっただけあって、とても良い雰囲気の仕上がり。
面白かったですよ~

ノンフィールドというのはつまり、マップの上をキャラをテクテク動かして移動しない…
そもそもマップを持たない仕様のゲームのことですねー。
メニューで移動個所を選んで進む、ただそれだけの簡単なオシゴトです。
RPGの場合、ゲームボリュームや、マップのスケール感によっては、この「移動」がすごくダルいですからね…
某有名RPGの「ルーラ」や「リレミト」は、そのためにできた魔法だと言っても過言ではないっす。
ただ、ノンフィールドは移動に時間がかからなくてお手軽なぶん、画面の変化の無さをどう捌くかが作り手の腕の見せどころ?ではあるかもしれない。


さて話を戻して…雛鳥フェアリーテイル。
スクショを見てくれればわかりますが、画面の構成とグラフィックのセンスが光る一品です。
ヘンリエッテちゃん超可愛い…! 優しい音楽も合っていて和みます。

ノンフィールドなので、大体ずっとこの画面のまま、矢印キーで行動選択していきます。
ここで↑キーを押しまくってザクザク先に進んでしまうこともできますが…
最初は丸腰状態なので、まずは魔法を装備してあげましょう。
→キーではその場にいる雑魚魔物と戦うことができます。
魔物の属性は二種類あり、それぞれ弱点が違いますので注意をば。
戦闘のあとに貰えるManaを溜めると、←キーのメニューで、回復薬や便利な装備品が作れます。

お目当ての薬草までの距離は40歩。
5歩とか10歩ごとにイベント戦が入りますが…それほど強くはないので、アイテム・装備がきちんとしていれば負けることはないはず。
たかが40歩。されど40歩。
その気になれば最初の一歩で粘って戦って、初期の装備アイテムを全部揃えることも可能なシステムなので、プレイヤーによっては、この短い距離が、とても長く濃いものになる…かもしれない?

40歩めで魔物とのイベント戦に勝つと、お目当ての薬草「ケーフィヒ」が手に入ります。
そして↓キーコマンドに「家に戻る」選択肢が…

って……おや?…まだ「↑」のコマンドが画面に表示されたままですよ…?


最後までプレイすると、なんとも言えない複雑な気分になるゲームです。
おすすめですよー^^




Zキーの「思考あめあられ」は、同じ言葉をブツブツ言っているように思えますが…
一歩ごと、最初の一回だけは毎回違う言葉であり、一度しか表示されません。
最初の40歩は、それほど重要なことは呟かないんですが…
後半は、けっこう濃いことを喋っているので、急いで先に進まずに、じっくりじっくり進みましょう。
…あ、後半に入ると、さりげなく作れる装備品が増えてたりするので、強化をお忘れなく!


何がすごいって、前半と後半では何一つ画面のグラは違わないのに…
「音楽一つ、セリフ一つでこうまで違うか」ってほど雰囲気がガラっと変わるのがスゴイ。

ナイトメアと吸血鬼の古城

2017-06-02 09:37:06 | フリーゲーム(ファンタジー)
ナイトメアと吸血鬼の古城
ダークファンタジーRPG・「スンッ!」
制作者:エイジ・エジェネスタ様(Twitter

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探偵シャーロットに吸血鬼退治を依頼された傭兵・メアリー・リアが、棲家の古城に挑む話です。

今までは明るめの色彩とコロコロしたキャラクターで、パズルとかクイズとか…どちらかというとゲーム色の強いものを作っていた作者様ですね…
今回はちょっとカラーを替えて、暗めの世界観&等身の高い操作キャラ、そしてドラマ性のあるシナリオを作ってくれました。
うん、いいね、こういうの好み。

短編ではあるものの、雰囲気良くて面白かったです。
ムービーの挿入も操作感を損なうほどではないし、キャラの声も合ってたし。
オボロは見た目かっこいいのに、中身があまりにも素直で単純すぎてかわいかった~


RPGとしては少し特殊なシステムなのが「レベルアップ&スキル」
経験値にあたる数値「ポイント」を割り振って、レベルアップしたり、スキルを覚えたりするんですが、これ、古城にある機械を使えば、いつでも自由に割り振り直すことが可能です。
古城の中に配置された敵は無限沸きせず、一度倒したらもう出てこないので…経験値にあたる「ポイント」も、上限が限られているんですよね。
この「ポイント」を、戦う敵の特徴を考えながら、毎回割り振りなおしてカスタマイズし(例えば魔法に弱い敵なら魔法スキルを中心にするとか)進んでいく感じになります。

ただ、それほどシビアな難易度でもないので、気軽にいろいろ試してみるといいかも?
回復アイテムは探索で少しだけ手に入りますが、多分使わない…私は一個も使いませんでした。

後半の敵はバフデバフを多用してくるため、解除ばかりにターンを喰われてなかなか攻撃できず『イラッ☆』とするかもしれませんが、MPをいくらでも回復できるスキルや、毎ターン少量回復スキルなど、便利でチートなスキルを使えば、時間はかかっても大体なんとかなる…はず?

ちなみに、私がラスボスを倒した時は、レベルは6まで上げて、それ以外のポイントをスキルに振りました。
クリアーとリゼイター、HPSP回復スキル、オートスキル二種はあると便利。あとはお好みで。




これ、シャーロットを動かして探索謎解きゲーとかもやってみたいですね~…


麗捨山

2017-05-25 00:00:03 | フリーゲーム(ファンタジー)
「麗捨山」
短編RPG・裏山薬草もの
制作者:きぎぬ様(マンホールの中にR^3

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月錆の夜には、妻に与える薬草を摘むために裏山に登る…
何年も、ずっと繰り返してきた当たり前の作業。
そして老人は、今宵も月光を浴びながら、山へと向かう。



短い作品でありながら、渋くてカッコイイ!
雰囲気が全てのゲームでした~

主人公がお爺さんってのもあまりないですし。
短いけれど、重いセリフ回しがいかにも、寡黙な男性らしくていい感じ。

難易度はかなり易しめ。
後戻りできない一本道マップで、敵の数も一定。
一戦闘ごとに全回復、アイテムも多めに手に入る。
そう苦労らしい苦労はせずに、エンディングまで行けると思います。

これって戦闘を「装備をきちんと考えてやっと勝てる」くらいに調整してくれたら、戦闘スキーの男性層にも受けたかも~
しかしまあ、短編はサックリプレイできるのが最大の魅力でもありますし、これはこれでいいのかな。
戦闘よりもシナリオ重視な私としては、現状でも十分楽しかったっす。


作者様の他のゲームをチラ見した限りでは、いつもはシリアスよりも面白めなもの中心に作ってるようですね~
普段はVIP界隈で活動しているようなので、このゲームがむしろ異色…??^^;

Untitled works

2017-05-23 13:50:12 | フリーゲーム(ファンタジー)
「Untitled works」
探索ADV・前作プレイ推奨
制作者:まかぼと様(しーあーちん!

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とある洋館の部屋で目覚めた主人公は、自分は何者かも、なぜここにいるかも、すっかり忘れてしまっていることに気が付いた。
何もわからないなりに、とりあえずここを出ようと探索するうち、彼を「母」と呼ぶ不思議な少女と、「父」と呼ぶ奇妙な男とに出会う。
果たして自分は何者なのか。

過去作「authoring mare」と同じ、「火のヒト」と「土のヒト」とが存在する世界の物語です。
とはいえ、authoring mareの続きではなく、同じ世界観の独立した話なんですが…
過去作と登場人物が被っていたり、歴史的な出来事は同じですんで、そちらをプレイしているほうが物語は理解しやすいように思います。

うーん…ここまで書いて困りました。
正直、内容がわかるように説明すると…超ネタバレになってしまう…

とりあえず、今作の内容とは直に関係ないんですが、根本的な「火のヒト」の特徴と、ざっとした歴史を書いておきまする。
たぶん、ここを知ることなくぶっつけでプレイすると、何がどうなったのかよくわからないかな…と思うので。


まずは火のヒト…「ガイスト」について。
「心が本体・体がなくても生きていける」
「意志が強ければ殺されても死なない」
「もちろん老いない」
「体はオマケなので自分の意志である程度変えられる」
「さまざまな魔力を行使できる」
という特徴があると心得おきください。
…こんだけ高スペックな種族が、同じ「人間」扱いってのはどうかと思いますが、そういう設定です。

対する、土の人間は、ごくふつーの人間ですね。
肉体依存の種族で、体が失われれば死んでしまう、短命な種族。
魔法もほとんど使えない。

で、大昔はこの火と土の種族、うまくやってたんですが…
これだけ能力に差があれば、いろいろ軋轢が生まれるわけです。
…寿命の長さが違うと、価値観から人生観から天と地ほど違うでしょうし。

火のヒトは、高スペックだけあって優しく理性的で人格も優れた人ばかりだったので、土のヒトに嫌われ、敵視され、虐げられても、ひたすら耐えて耐えて生きていました。
土のヒトはそれをいいことに、やりたい放題迫害しまくりました。
しかし、ある時、あまりの扱いのひどさに耐えかねた火のヒトは、土のヒトに対して反旗を翻します。
もともと実力差はありますから、一転して、土のヒトは一方的にやられる側になりました。

傍目から見れば、まあそりゃ、やり返されても仕方ないんじゃね?という状況です。

しかし…それは人間が虫けらのやることに本気で怒って皆殺しにするようなもの。
実力差ありすぎの世界では、強い方が我慢することになるお約束。
幼い弟妹がどんな悪さをしようとも、怒られるのは兄姉なわけです。

かくして親のヒステリー…いや神の怒りに触れた火のヒトたちは制裁を受け、それまで以上に、土のヒトの奴隷のように扱われることになります。

(っていうか神……いくら火のヒトが死なないからって、贔屓が過ぎませんかね…;)

主犯とされた火のヒトの皇帝は厳重に封印され、当時の側近たちは、怨みと悲しみを込めて、あちこちに魔力を集めるための装置を作りました。
最強の皇帝・ヘリオガバルスを、いつか復活させるために…

そこから時は流れ。土のヒトにとっては全てが遠い過去の伝説となったころ…
その装置の一つで起きる出来事が「authoring mare」のお話になります。


さてそこを踏まえて! ここはちょっとだけ今作のネタバレ。

火のヒトと土のヒトが結ばれ、子供ができた場合。
その子供は、その両方の資質を受け継ぐことになります。
とはいえ、どちらも完全ではありませんので…純粋な火のヒトほどの能力はないものと思われます。
火のヒトは魂がメイン。土のヒトは肉体がメイン…うまく二つに分ける、ことも、おそらく可能…ってことかな。
父親の目的と子供の用途がいまいちハッキリしないんですが、愛妻と永遠に生きるための「器」が欲しかったんでしょうねぇ…

個人的には、白黒の彼が報われないのが哀しかったっす。
同化して一つになる、って選択肢は…ダメなのかなぁ。
長く離れすぎて自我が強くなってて無理?


多少説明不足な感はありましたが、しっかりした自分の世界を持ってる作者様なので、次が楽しみです。
アツマールに出ている天使の話(連載)と開発中の天使の話(無題)も、この先が面白そうですよ!



そうそう、今作の見どころはヘリオ(絵画)!
前作より色っぽくなって出てきたのがツボでした。
腹筋ツヤツヤ!皇帝バンザイ!ひゃっほう!
喋れるようになった彼も再登場でいい感じ。
セットでガーベラが出てこないのがちょっと残念…

PYGMA

2017-05-23 09:30:48 | フリーゲーム(ファンタジー)
PYGMA
探索ADV・アツマール・お人形から人間へ
制作者:ちvero様

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アツマールで去年公開されてたゲームです。
私はスマホでゲームしない派なので、ブラウザ版は何かプレイしづらくてね…
(特にアクションついてるともうダメだー)
ブラウザ版とDL版がある場合、とりあえずDL版を選んでしまうんですが。
ブラウザ版のみで公開されているものは、やはりそれでやるしかない…わけで…;

というわけでPIGMA。
どっかでDL版出るかな…と思っていたらアレヨアレヨという間に時間が経ってしまいました。
短編ながら、すごく雰囲気がいいダークファンタジーだったのでご紹介ですー。

全篇手描きのマップとキャラが魅力的。
なんだろう?手描きっていうと「人間味」とか、そういう感覚があるんだけど、このグラフィックは暖かいような冷たいような、可愛いような不気味なような、親しみやすいような…そっけないような?
描かれるのも主人公が「人形」で、全てが有機物のような無機物のような。

ひとって自分の中で「定義」ができないものを、なんだろう?ってマジマジ注視してしまうよね。
何か真逆な感覚を同時に引き起こす世界観に、思わず目が惹きつけられてしまう、そんな作品でしたー。

話としてはとてもシンプル。
バラバラにされて閉じ込められている「イライザ」を助け出し、この不思議な世界から出てゆきましょう。

「イライザ」がその気になれば無敵!なのは良いですねぇ。
ゲームとしては「あれ?」って思う設定ですが、そこがどういう「世界」なのかわかってくると、むしろそうでなくちゃいけないよね、って気分になる。

詰まったときの攻略は、そのままゲーム画面の下部に。
捉えられて拘束された「お人形」…その最後の行動に、皆さんは何を思うでしょうか…!

今日の活動は魔王退治です。

2017-05-19 00:16:31 | フリーゲーム(ファンタジー)
今日の活動は魔王退治です。
探索RPG・生徒会長「意義は認めない!(キリッ)」
制作者:shigure2様

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「明日は魔王を倒します!」

生徒会長の一声で、魔王と対決することになった生徒会。
しかし…翌日、生徒会室には誰一人集まっていなかった!
放課後の校舎を探索し、戦えそうな仲間と武器とを集めて魔王を倒そう!

起こったことをありのままに話すと、ま、こんな感じのゲームです…

相変わらずキャラが立ってて、会話が異様に面白い。
夜な夜なモンスターが出てくる学校、
毎晩のようにモンスターと戦う生徒会、
意義は認めない!(キリッ) という声が聞こえてきそうな生徒会長…

どういう学校やねん!というツッコミさえ、この生徒会長の前には効果なし。
断言!断言!断言!で進む物語は強引を通り越して小気味いい。
振り回されっぱなしの副会長とセットで好きなキャラでした。
不憫だけどいい組み合わせ。可笑しいw

加えて、過去作のキャラたちも再登場してくれているのも、続けてプレイしている方には嬉しい設定。
花子ちゃん可愛くなったなぁ…(←なんだかんだ言って、一番マトモな感じのキャラだと思う)

RPGと言いつつも、今作は雑魚戦を完全に排除。
いきなりラスボス系の短編ゲームです。
仲間を集め、武器やアイテムを集めたら、サクっと倒してしまいましょう。
敵はHP高めですが、なにしろアイテムが山盛りで手に入るので、苦労はしないはず。

探索時、情報通のミキちゃんが敵の弱点を教えてくれたりしますが、私的には効果はそれほどとは…?
むしろ攻撃力アップを重ね掛けして殴るのが一番効いたと思うゾイ。
直接攻撃は、たまに出るクリティカルがバカ強いのだ~
前作に引き続き今回も、攻撃はほぼリョウくんにおまかせでした。
(生徒会長は目つぶし&攻撃アップ。副会長は回復、ショウタは壁魔法)

武器は…リョウくんに装備させる刀さえあれば、あとはオマケみたいなもの。
ほうきだのモップだの机だの、使わない武器?が山盛り手に入るのは前作同様。
こんなにイラネー、と思いつつも全部拾い集めてしまうのはゲーマーの性でございます。
最終的に手に入ったほうきは12本! これ、きっと副会長が戻して回るんだろうな…;


短時間でクスっと笑えてサクっと終われる、楽しいゲームです。
興味を持たれた方はどぞ~



わたしのお名前なんですか

2017-05-16 11:25:11 | フリーゲーム(ファンタジー)
わたしのお名前なんですか
自宅やさがし乙女・探索して会話を楽しむだけのADV・おまけも楽しい
制作者:頻子様 あきら様(栖王ヴァルハラ3丁目

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その日、魔術師エルマがベッドで目覚めたとき、ここ2年間の記憶はすっぽり失われていた。
エルマには、明日は世界征服を企む大魔術師クロケルと最後の戦いをしよう…というまでの記憶しかないのに、とっくにその戦いは終わり、世界は平和になっていて、自分は勇者であるという。
そして、そばには自分の「夫」であると名乗る人物。
エルマは失われた自分の記憶と、「夫」である彼の名前を求めて、家の中を探索する。


ゲームとしてはとても単純で、ただ会話をするだけ。
謎解きもなく、ヒッカケもどんでん返しもありません。

最初、探索していくうちに『思わぬ事実』が出てくるのでは?と思ったのですが
(実は夫が倒そうとしていた元敵クロケルだったとか、
 本当は2年の時間は経ってなくて、エルマを最終決戦に挑ませないための陰謀だったとか)
ぜんぜん、そんなことはありませんで。夫は夫だし、2年の記憶喪失も本物でした。

…いや、なんでもかんでも疑う気持ちってよくないっすね…
自分がとても汚れて感じましたわよ…

で、その素直なシナリオで、何が面白かったかというと……会話!

家の中のものを調べてるときの、二人の会話が面白いんですよね。
しかも、一度調べたものでも、2回3回と調べるたびに、違う会話が仕込まれているという細やかさ。
もちろん、手持ちの本も、何回も調べると違う内容を確認できます。
最初になぜかアイテムにある濡れたビニール…持っている理由がわかると説明文が変わってたりしますよ!

エンディング分岐は、部屋を出るタイミング。
何も調べずに出るのと、ある程度調べてから出るのと、夫に「思い出したよ」と告げるのと。
全エンドクリアすると、オマケで「夫を操作して家を探索」することができます。

…オマケの風呂場にシンパシーを感じてしまった。すごくよくわかるこの感じ。


探索謎解き系のゲームで、部屋の中のもの全部調べるのが好き!
シナリオに関係ない説明文読むのが好き!
あるいは、キャラ同士の仲のいい掛け合いを見るのが好き!
むしろゲームの魅力はキャラ同士の個性的な会話!
って方に強くおすすめします。

逆に、そういうのがダルく感じる人はやめておいたほうが…?
ああ、あと一応、そこはかとない恋愛要素があるので、女性向けかな。

この記事を見て、興味をお持ちの方はぜひ。
短編ですので、日常の合間にサクっとどうぞ!

厨二のセカイ

2017-05-04 07:24:23 | フリーゲーム(ファンタジー)
「厨二のセカイ」
RPG・立派な大人になって厨二世界から卒業せよ・何気にシリアス
制作者:AOL様、戌亥様(公式サイト

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…最初、短編のネタゲーだと思ったんですがね…
プレイしてみたら、案外シリアスで長い話だった!


公園で目覚めた「ロク」は、自分が名前以外何も思い出せない「ノットメモリー(記憶喪失)」であることに気付く。
偶然出会ったルルナという少女によると、ここは「学園」と呼ばれるセカイで、立派な大人になると理事長室に入ることができ、卒業することができる…というシステムの場所だという。
学園の生徒は、みな、独自の「厨二」と呼ばれる特殊能力を持っており、ロクはどうやら「人外」タイプの「吸血鬼」であるらしい。
ルルナの助けもあって、なんとか「転校生」という触れ込みで受け入れられることになったものの…記憶がないロクには、今一つ勝手がわからない。
周囲の友人たちに助けられながら、ロクは自分を知るために、学園世界を探索していく。


面白かったですよー。
「厨二」設定がまさかこんな、ナチュラルにシナリオに盛り込めるとは。
ネコミミ、包帯、ヤンデレ、何でもありの世界観は笑う。
主人公は厨二独特の喋り方がアレなんですが、周囲が全部、同じ厨二な世界では、むしろマトモなほう…?いや、むしろ凄く性格良い人でびっくーり。
グラフィックも整ってて綺麗なので、キャラの一人一人に魅力がありまする。

シナリオ進行は、それほど迷うところはないと思うんですが、キャラ同士の会話イベントが細かく仕込まれているので、探索はしっかりと。
迷ったときは作者様サイトに攻略があります!

…って、今、攻略確認したら、ダンジョンに隠しボスがいたのね…
後でもう一回チャレンジしてみよう…

エンディングは2種。分岐は最後の最後。
厨二な世界のドタバタコメディ路線から、だんだんシリアスな方向に流れていく物語を、存分に堪能しちゃってください!

厨二に抵抗ない方におすすめー

Russell River

2017-04-28 01:02:59 | フリーゲーム(ファンタジー)
「Russell River」
裏山薬草ゲームフェス・探索ゲー・なんちゃってRPGちょっぴり推理
制作者:あちょう様(あちょうの趣味日記



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「裏山に薬草取りに行って帰ってくるだけ」といえば、ビギナー制作者さん向けの基本課題(?)
それを逆手にとったゲームフェスが開催中だったらしいです。
…道理で最近、みんな薬草取りに行ってるなと思いましたですよ…(←情弱)

とはいえ、なにしろ皆同じようなテーマを使っているため、どれが面白そうともわかりませんで…;
あんまり進んでプレイしておりませんでした。

そんな中、ふと気になったのがこのゲームです!
…まあ「薬草のヤの字もないタイトル」だったのが気になった…のと、作品説明に「薬草をすぐに取りに行ってもいいし、流行り病の原因を考えてもいい」とあったのが、面白そうだったんですよね。
…薬草を取りに行くテーマのゲームで、別なことしてもいいよ!とか珍しいじゃない。

で、プレイしてみたら……案の定、面白かった!
うむ…私の見る目に狂いはなかったわ!
あっさりプレイできる短編でありながら、薬草探し以外のイベントも多いし、内容濃くてイイ!


舞台は、魔法金属・ラッセル銀を算出する村、ラッセルリバー。
この村では近年、原因不明の流行り病が発生していた。
村で採れるロキ草という薬草で、症状はある程度軽減できるものの…原因がわからない以上、完治は見込めず。
ついには、病の原因は村の近くに住み着いた魔女のせいだという噂まで立つ始末。
そんな中、ラッセルリバーに立ち寄った一人の冒険者は「ロキ草を取ってきてほしい」という依頼を受けて、裏山へと向かう。
期間は7日間。果たして冒険者は、狼や魔女を退けて、無事薬草を持ち帰ることができるのか?
また、流行り病の真の原因は一体なんなのか?


まずは、自分の好きなキャラと職業を選んでプレイ開始。
デフォのキャラクターは、おじさんと全身鎧と女と男の4種しかないんですが、どうやら、好きなキャラチップをあらかじめ登録しておくと、自分の好きな外見でプレイできるらしいです。
…まあ、登録できるといわれてもやる専な私はどこから素材を引っ張ればいいかイマイチわかりませんので、デフォの男+盗賊でプレイしましたが。

戦ってレベルが上がると、ジョブポイントがもらえますんで、それでもってジョブレベルを上げてください。
…私、初回はこのことに気付かず、ジョブは初期レベルのまんまクリアしちゃったんですよね…
う、うん…つまりは、上げなくてもなんとかなる感じの難易度ってことかな!

基本「裏山に行って薬草を取る」のがゲームのメインクエストなのですが、その合間に、一人で裏山に行った依頼主を助けてみたり、妖精のお願いを聞いてみたり、仲間に襲われている白い狼を助けてみたり…と、いろいろなサブクエストが用意されているのも見どころ!
また、裏山に住む、流行り病の原因とされて忌み嫌われる魔女に会い、話を聞けたら…流行り病について知る手助けになるかもしれません。

そうして村人たちと積極的に話し、重要そうな会話を「ジャーナル」に書き留めていくと…やがて浮かび上がってくる一つの真実が…?


薬草だけ取って終わってもいいし、魔女を倒してもいい。
流行り病の原因を解決してもいいし、狼に襲われる依頼人を見捨ててもいい。
そもそも一番最初に「依頼を受けない」のでも構わない。
プレイヤーごとに、様々な選択ができそうなゲームでした。

特に、人の話を聞いて情報を集めて推理する…系の話が好きな人にはおすすめ。
短編ながら、道理に合っていて何かスッキリ。





…それにしても、魔女と村人が和解するようなエンディングはないんかなぁ…
なんとか魔女を倒さずにエンドを迎えたものの、倒した時とエンディングが変わらなくて、ちょっと残念。