鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

重力ルーペ

2016-11-17 20:24:15 | フリーゲーム(SF)
重力ルーペ」 現代SFRPG・正統派冒険もの・さわやかジュブナイル
制作者:kuro様(RPGツクールMVでアプリリリースを目指す開発室)

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隠しきれない今更感はありますが、重力ルーペです。

多分、MVのプロモーションとして作られた…のかな?
シナリオもシステムも、完成度高くてプロっぽい。

このテの、綺麗なジュブナイルだと、主人公は小学生とか中学生くらいが多いんですが、
あえて高校生を持ってきたのは良いですね~
小学生や中学生を、子供だけで夜の天体観測(お泊り&男女混合)に出す親はいないわな。
ゲームの内容も…なんていうの? 
いきなり普通の高校生が死闘に巻き込まれるとかいう陰惨さはなくて、
日常からちょっと踏み込んだ冒険っぽい…無理がない範囲に仕上がってます。
敵もみなどこかコミカルで、子供たちが何をしても、本気で殺したりはしない感じ。

こういう目に見えない常識感が、プレイしていて非常に心温まる…
作り手さんは、マトモな現実感覚あるんだなって感じます。
フリーゲームといえば、ホラージャンルが全盛で、
作品数が増えるにつれ、設定も過激なものが増える中、
このゲームや「ラハ」みたいな、明るいところしかない作品が
出てきてくれるの、嬉しいですね。

…まあ…優しさや感動は、どうしても恐怖や哀しさより印象薄い感情なので、
それで心に残るインパクトをつけるのは大変だと思いますけど…
思えばMVの素材って、みんなパキっと明るい、クリアな色調なので、
(というか、私が今までプレイしたMVのゲームがそんな感じだったので)
こういう正統派なゲームに似合うのかもしれないな~

さてさて、重力ルーペ。
MVだとこんなこともできるよ~という説明っぽい作りを踏まえたうえで、
これだけのシナリオ組めるのもすごいですね。

舞台はE島。
400年に一度の「オウル流星群」を観測するため、
多くの観光客が集まったその島で、翌日からはじまった謎の「特殊日食」。
そして同時に多発した、機械の暴走や動物たちの狂暴化現象。
流星群目当ててで、泊りがけでやってきた高校生3人組は、
スマートフォンとアプリを武器に、その謎に迫ります。

私の世代では、まず、宇宙ネタが懐かしいのね~
スケールの大きなSF設定を、E島という小さな舞台にギュっと押し込め、
そこにさらに、宇宙や地下洞窟などまだ知らない場所や世界に向ける冒険心、
黒服の人や、謎に対して抱く好奇心。
新しい機械(スマフォ)を使うときの、こんな機能がある!こんなことできる!探求心。
などなど…
とても身近で…凄く男の子っぽい「わくわく」がテンコ盛りにされた作品だと感じました。

一般に男性向けっていうとさ…本でも漫画でも、
エンドレスで死闘を繰り広げてるか、思春期以降対象品はちょい工口混じり、
それ以前の子供向けはシモネタ入り、あるいはアホギャグって感じが多いじゃない?
だから余計に、大げさ過ぎない話運びが、なんか新鮮だったわ。

ラストダンジョンで、それまで回った全部の場所を回るのがイイ。
音楽も爽やかで、凄く良かった。
ラストバトルと言いながら、戦う相手も周囲の人たちも、
皆、主人公と対立はしていないという…
こんな構図で、物語が閉まるとは思いもよりませんでした。
いいエンディングでしたよ~


昔、少年だったことのある、男の人たちにおすすめです。
女の子も、少年漫画好きな子なら、楽しめるんじゃないでしょか。


Pinocchio -ピノキオ-

2016-11-01 00:20:04 | フリーゲーム(SF)
Pinocchio -ピノキオ-」 SFRPG・続編希望
制作者:和泉こた様(Twitter

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初公開は去年のウディタ製。今まで未プレイでした。
なんでか見落としてたなぁ…

褪せた瓦礫の色と、飛び回るカラス、そこに転がるスクラップたちの囁き。
そこで「モノ」の声に耳を傾けながら暮らす、一人の少年…
いい感じに近未来風のSFです。
こういう雰囲気好きさ!

だからこそ、プロローグの部分だけしかないのが…実に惜しい!
なんでこんな「これから本番」みたいなとこで終わるかな~
トゥルーエンドのロゴが出た時は、えっ?終わり?と呆然としました。

(マクレガーは頑張れば倒せるっぽいようだけど、
 倒せばこの続きができるとか…ないよね?)

いろんな意味で、個性的…というか。
今までのRPGの枠にはまらないシステムで進むゲームだけに、
先が気になるし、プレイしたいな~と思います。
続編…来るかな…来てほしい…


以下、システム面の話ですー。
このゲーム、戦闘が独特なんで、
最初、どうしていいかわからなかったぜ…

とりあえず、

・主人公は非力。最初は敵に攻撃が通りません。
 ガラクタを投げつけて攻撃しましょう。

サバイバルの心得にも、これ書いてあるんですが。
「ガラクタを投げて撃退」を、なぜか私は
「ガラクタを投げて撤退」と脳内変換しており…
逃走用のアイテムだと思い込んで、しばらく詰まりました。
アホである。




苦しみの無い世界

2016-10-03 11:06:16 | フリーゲーム(SF)
苦しみの無い世界」 淡々と魚と会話するゲー
制作者:キノクラ様(漂い停留所

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さっくりした短編でありながら、不思議な余韻を残すゲームを作られる、
キノクラ様の新作です。

今作は、水音とゆったり眠くなるBGM、青みがかった暗めの照明、と、
いかにも「ここでゆっくりお休みなさい」という雰囲気で進んでいくゲーム。
マップは自室のみ。
できることは部屋のアイテムを調べることと、水槽の魚と会話することだけ。
そうして日々を過ごし、最後に、主人公が選ぶ道は…さてさて。

エンドは2種ありますが…どちらも暗いっす。
ゲームを始めたときから、なんとなく漂う閉塞感は、
物語の終盤で、理由が明らかになります。
苦しみがない平和な世界って…つまりは刺激が何もないってことなんですかね~
「平和な世界」は水槽の中だけにしか実現せず、
その代わり、そこにそれ以上の発展は望めない?
けれど、自由を求めて出て行った先は、楽園ではありえなくて。

自分だったらどっちを選ぶかな…
わりと一人でいるのが苦にならないタイプなので、
現状を変えようとする気力もなく、そのままの暮らしを続けるかもしれない。
本が無制限に読めるなら、それだけで天国って気もするし。
ただ、魚あんまり興味ないから、お話し相手は他の動物にチェンジで。
わんことかにゃんことかインコとか。

そうそう、魚といえば、昔「シーマン」というゲームがセガでありましてね。
音声認識システムがついていて、実際に会話してる感覚で、
人面魚と触れ合えるゲームだったのですが…
今作プレイしていて、なんとなくソレを思い出しました。

シーマン、キモい外見で口も相当悪い魚でしたけど、
不思議と、時々、哲学的だったり、ちょっとイイ発言もあって、
なかなか面白いシステムだったんですよね~
あれを今の技術で本気で開発したら「2次元俺の嫁」が実現しないだろうか…
(↑方向性が不純)




以下、ちょっとネタバレ感想。

確かに、人間の行動を精神活動だけに限定するなら、
ずいぶんとエネルギーの節約にはなりそうですかね。
動き回らないから環境を汚すこともなく、ごみも出ず、
食べ物も味や好き嫌いを考慮する必要もない。
自分勝手に繁殖できなければ、頭数管理も簡単でしょうな~
充実や生きがいは、その人に合ったものを仮想空間で手に入れられれば、
きっと文句も出ない。

人間という種の存続という意味では行き詰りかもしれませんが…
ある意味、地球に対しては優しい世界、なの、かもしれない?

終わり逝く星のクドリャフカ

2016-08-25 14:20:51 | フリーゲーム(SF)
「終わり逝く星のクドリャフカ」 2016フリゲ展・SF短編RPG・根気勝負
制作者:鍵虫様(嫌気性ネオテニー

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ロボットものの未来SF・RPGですー。
2016フリゲ展で見掛けまして、
タイトルのかっこよさと世界観に惹かれてプレイ。

硬派なSF設定が良いですね~
オリジナルの「クドリャフカ」は戻ってこられなかったけど、
こちらは、戻ってこられたがゆえの悲劇。

なぜ主人公が朽ち果てた研究所?に放置されていたのか、
「英雄」とされながら、なぜ罪悪感にとらわれているのか、
その理由は作中で徐々に明らかにされていきます。

短編ながら、触れているテーマが複雑で面白かったので、
なにかこう…短すぎてもったいない気にさせられました。
もっと掘り下げていったら、この物語はどこへ行きつくんだろう?って
可能性を感じるシナリオ。

…最近は女の子が可愛い系のライトなSFやファンタジーが多くて、
ゴッツゴツの硬派で壮大なSF作品に飢えてるんですよねぇ…
もっとこの先、見たいな、と思わせてくれるゲームでした。


戦闘難易度は辛め、と作者さん本人が書いてらっしゃいますが、
決して難しいわけではなく、必要なのは粘り強さと根気です。
私がプレイしたver1.01では、一部ボス敵の下方修正が行われていたせいか、
それほど苦労しませんでしたよ。

戦闘の基本は「溜め」です。
回復やステ上げ、攻撃技は全てAP消費なんですが、
このAP、戦闘開始時は常にゼロ!
(中盤からはお助け装備が手に入るので多少ラクになりますが)
これは「チャージ」を選択してターン消費しないと貯められません。
なので、ひたすら敵の攻撃の合間をぬってチャージして、
技を出して、またチャージして…みたいな流れになりますんで、
雑魚ですらそれなりに戦闘に時間がかかる…orz

ボス敵においても、やることはそんなに変わりませんが、
敵ごとに繰り出してくる技と攻撃パターンがありますので、
それにあった装備をこころがけましょうー。
でも、貯めて貯めて攻撃、っていうのは変わらない。
根気。必要なのは根気です。
AP貯めつつ回復しつつ、じりじり攻撃する感じ。

また、買える装備品はすべて一長一短で、
すごく防御力上がるけどチャージできなくなるとか、
状態異常を防ぐけどステータスはいまいち低いとか、
そんなんばっかりですー
装備の短所は、ステータスの割り振りでフォローする感じ?
武器に関してだけは、あとあと強いのを拾ったり貰ったりできますが…
防具はどれを装備しようか、一回一回迷うー


あとは…そうですね…
最初の研究所?を出るまでは、回復ポイントがなく、
回復アイテムの手持ちも限られているので、
ちょっと焦るかもしれませんw

雑魚が回復薬を落としてくれることもあるんですが、
ほしい時に手に入るとも限らないので…
戦闘中にAP貯めて回復技を使うのが無難です。

最初はAP貯めるのに2ターン消費されますんで、
瀕死で戦闘を終えることが無いよう、コントロールしつつ戦ってください。
研究所のボス敵手前まで行けば、回復ポイントがありますので、
そこまでは節約しつつ頑張りましょう。えいえいおー。



ロボットに対する態度が対照的な、カミオカとタカクラは、
アプローチの仕方は両極だけれど、根柢にある「想い」は、
そう変わらないような気がします。

人道的なカミオカが、やりたくないって言いながらも
逆らえない「命令」を下してしまうように。
タカクラが乱暴な言葉でモノをモノとして扱いながらも、
ナインを本気で壊さないよう、大事にしているように。

果たしてどちらがロボットにとって「優しい」のか…
このゲームの中では、最後まで答えは出ないまま。

メトロアングラ&メトロモノリス

2016-06-22 03:00:28 | フリーゲーム(SF)
「メトロアングラ」「メトロモノリス」 SF・RPG・世界を知るための冒険
制作者:ボトルネック様(Dia-Bottle
メトロアングラ


メトロモノリス


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アングラ→モノリスと続く、シリーズ2作。
これも古いゲームですが、好きなのです。

まず絵がイイ!
ちょっとヘタウマな感じが魅力的。
キャラグラもそうですが、敵グラも全部自作なのもイイ!

話がイイ!
アングラもモノリスも「ごく狭い世界から外へ向かってゆく」タイプの物語で、
キャラと一緒に、プレイヤーの視点もどんどん高く、広くなってゆくのが爽快。

モノリスの最後には、アングラと共通した、ある「伏線」が明かされます。
それまでのイベントのアレコレで、ある程度はオチの予想がつくんだけど、
さすがに「五分前」には気づけませんでした。面白いですよ~^^

ボリュームもちょうどイイ!
長すぎず短すぎず、難しすぎず易しすぎず。
短めサックリ系のアングラに比べ、モノリスはそれなりに長い話で、
レベ上げもある程度必要ですが…
「マモノ培養システム」のおかげで、雑魚戦闘も飽きずに戦えます。
マモノが落とす素材で、武器や食料を作るシステムのため、
「狩り心」も刺激される…w
レベ上げのための雑魚戦を、いかに「義務」でなくするかは、
RPGを最後まで飽きずに遊ばせるための、大事な原動力なのですー

オート戦闘があるのもイイ!
いや、ほんと、中編~長編のRPGは、ぜひオート戦闘を標準装備してほしい。
これがあるかないかで、プレイヤーの負担がすごく違うので!

ゲームシステム的には特に捻りも縛りもない、ごく普通のRPGなんですが、
全体の完成度とバランスが良くて、遊びやすかったです。
ああ、戦闘命の人には向かないかな。簡単すぎて。
私みたいなシナリオ重視の人にはちょうど良いと思いますよ~

未来廃墟系・世界を知るための冒険・アンドロイドの女の子
とかいうキーワードにわくわくしちゃう人におすすめです。

SALVATION 月影に灯る光

2016-05-30 16:22:30 | フリーゲーム(SF)
「SALVATION 月影に灯る光」謎解きADV・近未来SF・閉鎖都市
制作者:LIKEMAD/ツシマユキヒロ(公式サイトLAb246

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ゲーム画面のデザインが映画っぽくてオシャレ~
立絵も綺麗で、マップも良い。
舞台は近未来?っぽいんですが、なんとなくレトロな雰囲気も漂う、
雰囲気の良いゲームですー。
(実は想定してたのは60年代だったみたいです。読み込み甘くて申し訳ない;)

舞台は、10年前のテロ事件により特殊能力を得てしまった子供たちが封じ込められ、
街の実権を市長のマルウェイと、富豪のディル家が握る閉鎖都市・ムーンライトシティー。
そこの特殊犯罪捜査局に勤めるショーゴは、ある日、
保護監視対象者のメグとともに、隕石の墜落事故に居合わせた。
二人はその日から、体調不良に襲われ、見知らぬ女性の現れる不思議な夢を見始める…

ストーリーの中で、ちょこちょこ出てくるクエストをクリアしながら、
真相に迫っていく、典型的なADVゲーム。
謎解き…と言いつつも、そう悩むような選択肢も謎解きもなく、
次のクエスト前に実はこっちに行って調べないとダメ、みたいな、
ヒッカケめいたルートもない、とても素直なシナリオで、遊びやすかったです。
次に行く場所もきちんと指定してくれますし、
ほぼ一本道と言っても良いシナリオなので、安心して物語を楽しめますよ~

途中、バトルはありますが、黄色は普通に銃撃可能。
紫と緑は特定のアイテムを使って色を変えれば倒せます。
アイテムはその場で手に入りますし、詰むことはないはず。
数が多すぎるあそこは…最低限の敵だけ倒して、あとは無視でもOK。

ホラー好きとしては、ノヴァスネイルのビジュアルがもっとしっかり見たかったかも…
カタツムリが原材料っていうのも、珍しい気がしますが、
生きて動いてるものならともかくチェリーブロッサムとか、どういう掛け合わせやねん!
って感じなので…(頭のてっぺんに桜の木が生えてる図しか思い浮かばない…)

…あと、個人的に「エー;」って思ったのは、リセット手術に必要な「細胞」がアレだったこと。
原材料を知ったら拒否する人いそうだなあ;


Endless End

2016-05-26 20:31:24 | フリーゲーム(SF)
「Endless End」 SF・RPG・糖度のない本格派
制作者:鷹羽翌様(X-HAWK


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とりあえず、ノーマルエンド?はクリアしました。
その後に解除される「救い」のあるエンドを目指して奮闘中、なの、です、が。

ラスボス強すぎて勝てる気がしない……orz

最後の最後の攻撃ラッシュがオニすぎる…!
うちの回復担当・MER-00は、速さパラがいまいち伸びず、
主人公が2回行動するたびに1回くらいしか動けないため、回復が追い付かない;
これでEASYだとぉ???;

……もっと雑魚でレベ上げしてこいってことですねそうですね……

さっくりキレイにクリアしてからレビューしたかったんですが、
こうなるといつになるかわからないので、とりあえず先にレビューをば。

シナリオよし、キャラグラよし、マップよし。
戦闘バランスも練られていて…これ一人で作ってるの?と驚いたら、
作者様はゲーム業界の人…その道のプロじゃないですかい;
さすがっていうか、やっぱりっていうか…無料でこんなすごいの出していいのかな?

どこをとっても完成度高いんで、何から書こうか迷うけど…
とりあえず、キャラのグラフィックが綺麗可愛くて魅力的ですね~
ナビゲートが美少女AIで、会話に選択肢が出てくるので、
思わずいろいろ期待してしまいそうになりますが、
中身はコッテコテの、本格SF&シリアスRPGです。
糖度はほぼナシ!(トゥルー終わってないけど、いきなり甘々にはならないと思う…?)
だがそれがいい!

宝探しや、隠れ敵、アビリティやアイテムコンプなど、やりこみ要素もあるし、
敵との戦闘も、豊富な装備やアビリティから最良の組み合わせを探す必要があるので、
戦闘やりこみ命!な人にもおすすめですよ。

ただ、難易度は、やや高め。EASYでも、装備やアビリティの選択を間違ったり、
コマンドのタイミングを間違うと、サックリ死ねます。
うーん…やっぱり、ストーリーだけの超簡単モードでプレイするべきだったかの。
しかしどう考えても、作者様が想定した「面白味」は戦闘込みだろうし。
たとえEASYでも、そこを味わわないとレビューできないと思ったんだorz

何がキツいって、装備できるアビリティの数が限られることと、
各種装備の変更が拠点でしかできないこと。
おかげで、ステージボスは絶対に一回ではクリアできない。
まず戦って様子見して、一度帰って装備をカスタマイズして再挑戦が基本。
なのでマップの行ったり来たりが超激しい。
プレイ時間の三分の一はたぶん、移動時間じゃないかな。
(あとの三分の一はアクティブタイムバトルの待ち時間)

覚えた全アビリティを好きに使えて、どこでも装備しなおせたら、
このゲームすごく簡単になる気がする…
そういえば、同じ作者様の「DD」は回復とセーブにアイテムが必要で、
しかも手に入る数が限られていたっけな。
もしかして…この作者様、「縛り」で難易度上げるのスキだとか…?

えっと、あとはシナリオについて。

すごく良かったです。こういうの好き^^
カイヤちゃんは健気だし、ユキトは素直で性格良いし。
ノーマルルートは物寂しい終わり方ですが、
これはこれで余韻の残る、良いエンドでした。

トゥルールートに入ると、
ノーマルでは影が薄かったアーサーが、良い人すぎて泣けまする。
たとえ動機が、自責や贖罪の気持ちからだとしても、
そのためにさらに罪を重ねたとしても、
なんとかしようと足掻く、その姿勢に好印象。

(まだトゥルーは終わってないんだけど、なんとなく、
 最後にもう一つどんでん返しが来そうな予感がするんだよな…
 はたして《裏切った》のはどっちなの?)

パーシヴァルは…正直好きじゃない。顔はいいんだけど。
やることに一本筋が通ってないっていうか…納得のいく理由に欠けるというか…
単にヤケを起こしただけ、に見えてしまってね。
もしかしたらまだ、隠れた真実があるのかもしれないけど…
ただ子供の扱いは、何が理由であってもひどすぎる。
裏切られたから、傷ついたから、素直な人じゃないから、で済む話じゃないよ。

…と、まあ、がっつり語れるくらい、キャラ一人一人に魅力があるのですー。
カイヤと主人公の語りが薄い? 下手に喋るとネタバレるんだもの。

今までフリゲをプレイしてきた感じでは、
シナリオの良い人は戦闘システムにそれほど力を入れないし、
逆に戦闘システムが上手な人は、シナリオやキャラが薄い、って印象なので、
その両方を、これだけの完成度で作れるってすごいよね。


ただ、操作性にはちょこっと難があるかなあ…
うちのパソの性能の問題かもしれませんが、
キー入れてから、反応が一歩遅くて、もたつく時がありますねえ。

動き回る敵がいる時や、戦闘時は状態異常エフェクトがあるときがヒドイ。
たぶん処理落ちなんだと思うんだけど、
これのせいでコマンド選択ミスするときがあるので…
(特に戦闘中に、選択するアビリティを間違うのは命取り)

戦闘中といえば、敵が技使ってくるたびに、
待機時間のバーが止まっちゃうのは、ちょっとイラッときます。
敵のほうが行動早くてボコられてる間中、バーが全く動かないと、
早く早く!って思わすシフト連打しちゃうぜ

あと、カーソルの位置記憶は、ないほうが良かったな…
前述のとおりカーソルの反応がもっさり遅いので、反映されるの待たずに、
メニューの上から2番目~みたいに、記憶を頼りにコマンド入れちゃうんだけど、
位置記憶のせいで、初期カーソル位置がずれてて失敗すること多かった。
位置記憶するかしないか、プレイヤーが選べるようにするのは…難しいのかな?

致命的な進行不能バグとかはなかったし、
遅いっていっても気になるほどではないんだけど。
ただ、雑魚戦を数こなさないとパラが上がらないシステムなので、
些細な不自由さが積もり積もって気になってしまうのかも…

ともかく、やりごたえ十分なゲームでした。

そうですねえ…初期のFFの、
叩いても叩いてもボスがどんどんバリアチェンジして、
いちいち戦法変えなきゃならなくて、なかなか倒せない!とか、
物凄くHP高いのに、自動回復まであってひたすら耐えて長戦闘!
みたいなのに、やる気出しちゃうタイプの人に、特におすすめです。

…うう…いっそ「超簡単」モードで最初からやりなおそうかな…

セカイヲトメテ

2016-05-13 13:48:27 | フリーゲーム(SF)
「セカイヲトメテ」 探索ゲー・SF
制作者:大人の道楽(オレヌマトオコ)様(人生七転八倒ゲーム部屋

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作者様はホモの人です(断言)←誤解を招く言い回しww

…いえ、正確には「ホモシリーズ」というゲームの作者様です。
普段は大人向けのものを作ってらっしゃるようですが、
これは、あんしんの全年齢なのでよろしく!


主人公は、なぜか部屋に軟禁状態の男の子、マグナ。
部屋の外には、彼を世話してくれる女性が一人いるようですが、
彼とは決して顔を合わせてはくれません。
キリエと名乗る彼女は、口調が硬くてメカメカしい雰囲気で、
どうも人間ではなさそうな?

ある日、退屈を持て余したマグナは、お風呂場の窓から部屋を抜け出し、
家の中を探検に出かけます。
できることなら、キリエの顔を一目見たい、と願いながら…


攻略を知らなくても、30分かからないんじゃないですかね…
白黒の画面に、シルエットのみで表される登場人物は、
最初から実に想像力をかきたてられます~

抜け出すたびに、セリフが妙な感じになっていくマグナと、間取りの変わってゆく建物。
夢か現実かわからないままマグナを襲う、謎の黒い影たち。
いくつかのバッドエンドを見れば「マグナ」は何者なのか、大体予想がつくと思います。
トゥルーへの条件は「イヤな感じのする、すべての影を倒す」こと。
それぞれ、特定のアイテムを所持していれば、接触したとき自動的に撃退しますので、
探索をしっかりいたしませう。
日によっては、すぐにホイホイ部屋から出ないことも大切!
気になる登場人物のお顔は、トゥルーでしか拝めませんよ~



ラストは、ちょっと物悲しい気分に…
結局キリエは、彼女自身が言う通り、機械でしかなかった。

まあ…見ようによっちゃあ、ハッピーエンドと言えなくもないの、かな?


zigorekishi

2016-05-13 02:50:27 | フリーゲーム(SF)
「zigorekishi」 SFADV・近未来・ミュータント
制作者:神波裕太様(たぶんおそらくきっと

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昔やって、気に入ってファイル残してたゲームなんですが、
今検索したら、作者さま、包丁さんとか惨殺少女の方じゃないですか。
作風違いすぎてびっくりしたー
(とは、いえ…私はその両タイトルともプレイしてないけど;)

比較的新しいゲームの「百日紅」と「夏の日の~」はプレイしたんですが、
でもその時も、これが包丁さんの作者さんとは思わなかった←ww
最近はちょっと工口方面にシフト中ですかね?
さるすべりは、そのまま少し描写変えれば別方面で通用する出来で、
《どっかに裏仕様版もあるんじゃないの?》とか一瞬勘繰っちゃいました。

しかし…今、さらっとゲーム一覧見てみても、
このゲームだけがちょいと何か異色な雰囲気です。
正統派の怪談ノベルか、萌えホラーか、工口かって感じの中に、
一つだけSF設定…っていうのも原因だけど、
けっこう、内容が濃いっていうか…思想があるっていうか。
ただ、ゲーム自体が短いから、言葉でひたすら語る部分が多くて、
理屈っぽく感じる部分もなきにしもあらず…?
でも、楽しいばかりでなく、何か感じる・考える余地があるシナリオって良いよね。
好きですよ。こういうの。

あと、最後の選択肢で、いきなり視点変更が来るのもイイ。
最後の最後のルートで、やっとタイトルのzigorekishiの意味がわかるのも。

私、もともとホラー大好きですが、ガチガチのSFも好みです。
科学が進んだ未来世界も良いし、宇宙ものも良いし、
ロボットもの(←ガンダムやサンライズではなく、アシモフ方面)とか
スチームパンクも好きだし、未来世界廃墟ものとかすごい好きだわー。

そこに、異形なヒトの登場人物ときたら、
ホラー好きの血も擽られるってものですよ。
個性的なキャラクター一人ひとりに、きちんと性格付けがされていて、
仲良くなるとカルテ?が増えていくのも、コレクター的な楽しみがあってイイ。

絵は包丁さんの時と、そう変わらない気がするけど、
けっこうハードなシナリオも、この絵のおかげで緩和されてるような気も~

それぞれのキャラにテーマ曲?があるのも良い。
ナマイキうさぎのアプリケットの性格と口調が可愛くてお気に入り♪



PUB

2016-05-05 11:55:46 | フリーゲーム(SF)
「PUB」 探索ADV・近代イギリス若者文化20年史
製作者:Achamoth様(PUB作品サイト



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とりあえずトゥルーエンド1まで行きつきました。
や、内容がすごく濃かった! 面白かったよ~

舞台はイギリス・ロンドン。革ジャンにジーンズでバイクに乗る若者が現れた1959年、
モッズと呼ばれるオシャレが流行った1964年、パンクロック全盛の1977年の三つの年代を、
不思議なPUBとともにタイムスリップした日本人の青年が、駆け足で追体験していきます。

正直、イギリスの歴史や文化には詳しくなくて…
ビートルズやらヒッピーやらパンクやら、名前だけは知っていても、
実際にどんな時代背景の中で、それらが必要とされていったのかは全く知りませんでした。
ブリティッシュロックも、有名どころの名前くらいはわかりますが、
誰がどの曲を演っていたのかはからっきし。
それゆえ、初めて知ることばかりで、楽しかったっす。
プレイしながら、出てくる用語やら時代背景やらをググりながら進めていたので、
なんだかんだとエンディングを迎えるまで2日くらいかかりましたわ。

もともと、私には性格的にロックな素質はまるでないので、
破滅型の恋愛とかドラッグ関係に関しては、同意しかねる部分もありましたが…
「それがロックだ」ときっぱり言われてしまうと、
わからないが故に、そういうもんなのかなぁ?と思ってしまうね~


エンディングの分岐はたぶん、主人公の性格、かな。
時々出てくる選択肢で、主人公の口調や態度を選ぶことで、
3種類のトゥルーエンドとノーマルエンドに分岐する…らしい。

私はトゥルー1、1959年のロウの時代でエンディングを迎えました。
とういか、ロウはある意味、登場人物の中で一番マトモな感性をしているし、
男らしくて人間味のある選択は大体、彼ルートに通じるような気がします。
たぶん、一番行きやすいエンドなんじゃないでしょーか。
詳しくはネタバレるので言えませんが、とある人が、
一番不幸な目に合わずにすむエンディングなのかなと思います。

この分だと、ほかのエンディングでも、それぞれの時代のキャラの行動が
「赤い子猫ちゃん」と関わっているんじゃないかな?って感じなので、
どうなるのか見てみたいけど…
このゲームは周回がキツいので迷いますねえ。

町の人に話しかけまくることでシナリオが進むんですが、
ぶっちゃけ、どの会話がフラグなんだか判断しづらいつくり。
それに、エンディング分岐条件の「性格」を決定する選択肢が、
最初から最後まで全体的に散らばってますから…
この手間を最初から全部やりなおすのかと思うとさ……orz



私がプレイしたVer1.01でも、まだ、細かいバグ…というか不具合があります。
セーブはこまめに。
一番古い時代から順にイベントをこなしていくんですが、ウカツに先の時代を見てこよう~
などと思うと、次の時代のイベントが起こってしまって、話が飛んじゃいますんで、
確実に終わらせてから次に進んでください。

次の時代へ行くタイミングとしては、
1959年終了後は、リンダが「次の時代へ行ってみたら?」と勧めるとき
1964年終了後は、PUBに成長したヴィルが現れたとき。