鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

苦しみの無い世界

2016-10-03 11:06:16 | フリーゲーム(SF)
苦しみの無い世界」 淡々と魚と会話するゲー
制作者:キノクラ様(漂い停留所

=====================

さっくりした短編でありながら、不思議な余韻を残すゲームを作られる、
キノクラ様の新作です。

今作は、水音とゆったり眠くなるBGM、青みがかった暗めの照明、と、
いかにも「ここでゆっくりお休みなさい」という雰囲気で進んでいくゲーム。
マップは自室のみ。
できることは部屋のアイテムを調べることと、水槽の魚と会話することだけ。
そうして日々を過ごし、最後に、主人公が選ぶ道は…さてさて。

エンドは2種ありますが…どちらも暗いっす。
ゲームを始めたときから、なんとなく漂う閉塞感は、
物語の終盤で、理由が明らかになります。
苦しみがない平和な世界って…つまりは刺激が何もないってことなんですかね~
「平和な世界」は水槽の中だけにしか実現せず、
その代わり、そこにそれ以上の発展は望めない?
けれど、自由を求めて出て行った先は、楽園ではありえなくて。

自分だったらどっちを選ぶかな…
わりと一人でいるのが苦にならないタイプなので、
現状を変えようとする気力もなく、そのままの暮らしを続けるかもしれない。
本が無制限に読めるなら、それだけで天国って気もするし。
ただ、魚あんまり興味ないから、お話し相手は他の動物にチェンジで。
わんことかにゃんことかインコとか。

そうそう、魚といえば、昔「シーマン」というゲームがセガでありましてね。
音声認識システムがついていて、実際に会話してる感覚で、
人面魚と触れ合えるゲームだったのですが…
今作プレイしていて、なんとなくソレを思い出しました。

シーマン、キモい外見で口も相当悪い魚でしたけど、
不思議と、時々、哲学的だったり、ちょっとイイ発言もあって、
なかなか面白いシステムだったんですよね~
あれを今の技術で本気で開発したら「2次元俺の嫁」が実現しないだろうか…
(↑方向性が不純)




以下、ちょっとネタバレ感想。

確かに、人間の行動を精神活動だけに限定するなら、
ずいぶんとエネルギーの節約にはなりそうですかね。
動き回らないから環境を汚すこともなく、ごみも出ず、
食べ物も味や好き嫌いを考慮する必要もない。
自分勝手に繁殖できなければ、頭数管理も簡単でしょうな~
充実や生きがいは、その人に合ったものを仮想空間で手に入れられれば、
きっと文句も出ない。

人間という種の存続という意味では行き詰りかもしれませんが…
ある意味、地球に対しては優しい世界、なの、かもしれない?

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。