鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

重力ルーペ

2016-11-17 20:24:15 | フリーゲーム(SF)
重力ルーペ」 現代SFRPG・正統派冒険もの・さわやかジュブナイル
制作者:kuro様(RPGツクールMVでアプリリリースを目指す開発室)

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隠しきれない今更感はありますが、重力ルーペです。

多分、MVのプロモーションとして作られた…のかな?
シナリオもシステムも、完成度高くてプロっぽい。

このテの、綺麗なジュブナイルだと、主人公は小学生とか中学生くらいが多いんですが、
あえて高校生を持ってきたのは良いですね~
小学生や中学生を、子供だけで夜の天体観測(お泊り&男女混合)に出す親はいないわな。
ゲームの内容も…なんていうの? 
いきなり普通の高校生が死闘に巻き込まれるとかいう陰惨さはなくて、
日常からちょっと踏み込んだ冒険っぽい…無理がない範囲に仕上がってます。
敵もみなどこかコミカルで、子供たちが何をしても、本気で殺したりはしない感じ。

こういう目に見えない常識感が、プレイしていて非常に心温まる…
作り手さんは、マトモな現実感覚あるんだなって感じます。
フリーゲームといえば、ホラージャンルが全盛で、
作品数が増えるにつれ、設定も過激なものが増える中、
このゲームや「ラハ」みたいな、明るいところしかない作品が
出てきてくれるの、嬉しいですね。

…まあ…優しさや感動は、どうしても恐怖や哀しさより印象薄い感情なので、
それで心に残るインパクトをつけるのは大変だと思いますけど…
思えばMVの素材って、みんなパキっと明るい、クリアな色調なので、
(というか、私が今までプレイしたMVのゲームがそんな感じだったので)
こういう正統派なゲームに似合うのかもしれないな~

さてさて、重力ルーペ。
MVだとこんなこともできるよ~という説明っぽい作りを踏まえたうえで、
これだけのシナリオ組めるのもすごいですね。

舞台はE島。
400年に一度の「オウル流星群」を観測するため、
多くの観光客が集まったその島で、翌日からはじまった謎の「特殊日食」。
そして同時に多発した、機械の暴走や動物たちの狂暴化現象。
流星群目当ててで、泊りがけでやってきた高校生3人組は、
スマートフォンとアプリを武器に、その謎に迫ります。

私の世代では、まず、宇宙ネタが懐かしいのね~
スケールの大きなSF設定を、E島という小さな舞台にギュっと押し込め、
そこにさらに、宇宙や地下洞窟などまだ知らない場所や世界に向ける冒険心、
黒服の人や、謎に対して抱く好奇心。
新しい機械(スマフォ)を使うときの、こんな機能がある!こんなことできる!探求心。
などなど…
とても身近で…凄く男の子っぽい「わくわく」がテンコ盛りにされた作品だと感じました。

一般に男性向けっていうとさ…本でも漫画でも、
エンドレスで死闘を繰り広げてるか、思春期以降対象品はちょい工口混じり、
それ以前の子供向けはシモネタ入り、あるいはアホギャグって感じが多いじゃない?
だから余計に、大げさ過ぎない話運びが、なんか新鮮だったわ。

ラストダンジョンで、それまで回った全部の場所を回るのがイイ。
音楽も爽やかで、凄く良かった。
ラストバトルと言いながら、戦う相手も周囲の人たちも、
皆、主人公と対立はしていないという…
こんな構図で、物語が閉まるとは思いもよりませんでした。
いいエンディングでしたよ~


昔、少年だったことのある、男の人たちにおすすめです。
女の子も、少年漫画好きな子なら、楽しめるんじゃないでしょか。


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