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Narashino Geography 111  「国連勧告無視」の日本政府

2022-12-26 11:05:57 | 地理学

「国連勧告無視」の日本政府

 

民主主義に反する教職員への思想統制(日の丸・君が代強制)について、2度もILOから叱られた(勧告を受けた)日本政府。でも「勧告を無視」

最近、日本政府は立て続けに国連機関から勧告を受けています。ボクもチョこっとかかわっているILO・ユネスコの「教職員の市民的権利保障」についての勧告は、2019年にILO・ユネスコ専門家委員会(セアート)から勧告を受け、さらに20226月にILOから再勧告を受けました。

(ILO勧告に関する東京新聞の記事)

第2回 また叱られた!日本政府 日の丸君が代強制問題で国際勧告を勝ち取った渡辺厚子さんに聞く | ISF独立言論フォーラム

第7回 また叱られた!日本政府(その2)―日の丸君が代強制問題で国際勧告を勝ち取った渡辺厚子さんに聞く― | ISF独立言論フォーラム

日本、特に東京、大阪の教職員への卒業式などでの「君が代」不起立に対する処分について国際機関が危惧し、当事者と話し合いをするようにという勧告です。国連などの勧告は、基本的に当事者の問題を解決するように促すもので、基本的に話し合いによって問題を解決させようとしています。国連には多くの委員会や組織があり、それぞれが勧告などの権限を持っています。ILO・ユネスコには1966年の教職員の権利宣言に基づいて専門家委員会(セアート)が置かれ、国や地域の当事者(多くは教職員組合など)からの訴えによって調査を行い、解決に向けての勧告を行います。

注:「セアート」とは
Joint ILO/UNESCO Committee of Experts on the Application of the Recommendations concerning Teaching Personnel
教員の地位勧告適用合同専門家委員会.国際労働機関とユネスコの合同委員会

この勧告では教職員が自分の良心に基づいて、卒業式などで「君が代」斉唱時に着席していたことのみによって懲戒処分を受けることは、教職員の市民的権利を制限しているとして、当事者との話し合いを求めていますが、文科省は頑なに話し合いに応じようとしていません。

しかし、裁判では「教職員への処分取り消し」の判決も出ています。

(産経新聞の記事より)

君が代、停職取り消し確定 不起立の都立学校元教諭

 東京都立学校の卒業式で君が代斉唱時に起立せず、停職6カ月の懲戒処分を受けた元教諭の女性2人が都を相手取り、処分の取り消しと計600万円の賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(三浦守裁判長)は双方の上告を退ける決定をした。17日付。2人の処分を取り消し、賠償請求は棄却した2審東京高裁判決が確定した。

障害者の権利に関する国連の勧告も無視

 8月にはジュネーブで国連の障害者権利条約に基づく障害者権利委員会の審査(建設的対話)が行われました。その結果、9月には日本政府に対して勧告(総括意見)が出されました。

(NHK解説委員室ブログより)

障害者権利条約  国連勧告で問われる障害者施策

障害者権利条約  国連勧告で問われる障害者施策

障害のある人の人権や自由を守ることを定めた障害者権利条約。その条約に基づき、日本... #nhk_kaisetsu

解説委員室ブログ

 

(毎日新聞社説より)

社説:障害者の権利実現 共生へ国連勧告生かす時 | 毎日新聞

 教育については、普通学校で学びたいという希望が受け入れられずに、特別支援学校に通わざるを得ないケースを問題視した。実際、障害のある生徒が定員割れの公立高校を受験し不合格となった例もある。障害者の入学を拒むようなことがないよう、「インクルーシブ(包摂)教育」に関する国の行動計画の策定を求めた。 

 日本は海外に比べて、精神科病院の入院患者数と、平均入院日数がともに突出して多く、かねて「人権上の問題」が指摘されてきた。勧告は強制的な入院を可能にしている法令の廃止を提言した。

 勧告ではさまざまな日本の制度上の問題が指摘されています。大きな問題としては教育における分離教育の中止と精神科への強制入院を可能にしている法律の廃止を求めています。これは、日本の法律と制度が世界標準から大きくズレていることによります。文科省は日本ではインクルーシブ教育を推進しており、特別支援学級などで障害を持つ子どもたちの教育が保障されていると主張しています。ジュネーブでのこのような主張に対してダメ出しがされているのに頑なに勧告に誠実に向き合おうとしていません。

人権を守れ、という国連の勧告も「勧告に強制力はない」とほぼ無視

また、11月には国連の国際人権(自由権)規約委員会から勧告を受けました。ここで問題にされているのは、ジェンダー平等、外国人(労働者・難民)の人権、国内避難民(福島原発事故避難者)の人権保障、報道の自由やプライバシーの権利など多岐にわたっています。このような勧告に対しても政府は「勧告に強制力はない」とほぼ無視をしています。

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セアート勧告の翻訳を共同作業で行うことさえ拒否し、政府に都合の良い翻訳文にしようとしている

文科省の若い官僚はセアート勧告の翻訳について頑なに共同作業を行うことを拒んでいます。その他の勧告なども同じような対応ですが、一つでも譲れば総崩れになると考えているようです。これでは世界標準からどんどん取り残されて、日本の人権状況は下がり続けてしまいます。(近)

 

 

 

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