日野原重明先生の講話を聴く
2015-02-01
103歳の高齢でありながら、現役医師として活躍しておられる聖路加国際大学病院の日野原重明先生の講話を聴きに出かけた。
演題は《いのちを守り、平和を築く》 主催は新老人の会栃木支部
会場は栃木県総合文化センター、定員1600人の会場は満席。
ステージの袖から、両手を挙げながら、にこやかに歩いて現れた先生に拍手がわく。
昨年、心臓が悪いことが分かったので、負担が掛からないように移動のときだけは車いすを使うようになったとのこと。
心臓が悪いのにも関わらず、ステージの中央でステッキを握り、立ったままで講話されたのである。
先生は1970年によど号のハイジャックに遭遇し、人質になったとのこと。当時の運輸政務次官、山村新次郎が人質の身代わりになり、乗客全員が北朝鮮に連れて行かれずに救出されたという。救出され飛行機のタラップから降りた瞬間に、自分に与えられた命を誰のためにどう使おうかと考えたそうである。
話は戦中、中国で人体実験を行なった731部隊の話に触れる。捕虜にコレラ菌やチフス菌に感染させ、その様子を観察するという非人道的なことが行なわれていたこと。人間の命が粗末にされたのだ。
命は大切にしなければならない。戦争というものはあってはならない。
子どもたちに平和と愛の大切さを伝えなければならないとして、小学校で子供たちに、お話をしているとのこと。
私たちは次世代に何をどのように伝えていくかを考えなければならない。
私たちは戦時中の体験を次世代へ伝えなければならない。
実りある第三の人生のためには、愛し愛されることが大切。何か創めようと思うだけでなく、行動すること。困難に耐えること。子供たちに平和と愛の大切さを伝えていこうと呼びかけた。103歳という高齢でありながら、先生の声には張りがあるのだ。
老いても、よりよい生き方をしようと呼びかけ、新老人の会を結成。入会資格はなんと20歳以上と若い設定だ。
20歳から59歳はサポート会員、60歳から74歳は、まだジュニア会員というから面白い。75歳でやっとシニア会員となるそうだ。
新老人の会の目標は五つ
① 自立とよき生活習慣やわが国のよき文化の継承
② 戦争体験を生かし、世界平和の実現
③ 自分の健康情報を研究に活用
④ 会員がお互いの間に新しい友を求め、会員の全国的な交流を図る。
⑤ 自然への感謝とよき生き方の普及
講話が終わったとき、先生に花束を贈呈したのは100歳の女性である。
先生は、私は花束をいただいた感謝の気持ちを行動で表したいと言って100歳の女性を抱きしめた。会場は笑いと拍手に包まれた。