絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

私が絵の道に入るまで 10

2011-05-03 | 絵のこと
私がこの文章を描き始めたのは、子どもの時に絵が下手でも
何の問題もありませんよということが言いたいためでした。

そして、私は小学校の時は、絵が上手ではなかったという自分の例を出して、実証してみようと思いました。

この話は、小学校の子どもがいらっしゃるお母さん方に特にお話したいことです。
大体において、子どもの絵の良し悪しを論じて何になるのかとさえ思います。

子どもは、絵を描く楽しさを体験できれば良いと思いますし、大人になった時、絵に親しむことができるように
なってほしいですね。どうも絵は下手だから嫌だと思っている人が多すぎるようです。

「私は絵はダメでしたよ」と、たいていの人が言いますよ。
じゃあ、ピアノは?ギターは?とか聞くと、「いえ、やったことがありませんから」と言うんですよね。
絵は、やったことがあると思っているんですね。

私に言わせたら、絵をやってないでしょということです。
どこで、やったのですか?
授業で描いた子どもの図画工作のことを絵を習ったつもりでいるなら、それは、大きな間違いです。
全く、習ってないのです。教えてもらった記憶がありますか?

運動部の部活くらい一生懸命絵を教えられて、それでもダメなら、自分は絵はダメだと思ってもいいですが、
そういう人は、いません。いや、高校でもそんなにハイレベルの絵を描くように指導できる学校は極少数です。

だから、美大受験で予備校に通って習ったというくらいのレベルでないと、絵を習ったとは言えないと思います。

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小学校の絵については、色が活き活きしている。大きく描いて、物の特徴を良く捉えている。
受けた印象をストレートに表現しているなどで、評価して良いと思います。
そして、コンクールを開いてみんなで見て、賞を与えて喜ばせるのも良いと思います。
しかし、それは、子どもの世界のことで、大人では通用しないことです。
そのことをしっかり抑えていれば良いと思います。

描いた絵については、良く描いたねと褒めてやって、下手だとか余計なことは言わないようにすることです。
絵は、再現力だけが良い悪いを決めるのではないからです。

下手で、魅力のある絵があるのです。
上手で、つまらない絵もあるのです。

だから、素人のお母さん方が、あれこれ言わない方が良いのです。
小学校の先生でさえ、絵が分からない人は大勢いるのですから、図画工作の成績自体気にする必要はないのです。

評価をする人も、素人なのです。

私たち長年絵を描いている人は、絵を描いてない人から見たらプロのように思われます。
しかし、感想などを聞くと「上手ねえ、写真みたい」などと、平気で言われますよ。
上手なのは練習したからです。写真みたいなら、写真の方がいいですね。
などと、正面から受け取ったら、可哀そうですよ。
本人は感心して褒めているのですから。

だから、素人は言い方もわからないし、本来絵の良し悪しもあまりわからないで言っているのですから、
一々、目くじら立てて聞く必要はないのです。

ただ、良いと思ってくださったのだから「気にいっていただけて、嬉しいです。有難うございます」と言います。

絵が分かる人は、上手下手だけで絵を見ません。
しかし、それが分かるようになるには、かなりの修練と時間がかかりますね。

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私は、子どもの時は、上手くなかったといいましたが、ただ、環境がそうさせたのだと思いますが、
小学校の時から色を混ぜて使う事はやっていました。
だから、子どもの絵にしては色が汚いのです。
上手で張り出される子は、色を綺麗に使っていたように思います。ということは、私は大人びた色を使う子どもだったので、
ダメだったのかもしれません。私の小学校の時の絵は、色がくすんでいます。

しかし、むしろその方が大人の絵に近かったかもしれませんね。
だから、中学になって空気遠近法がわかったときから、なかなか上手になった気がして、しかも色味も大人の色が出せるようになったのかなと思います。

しかし、美術部に入るまではデッサンをしていないので、空気を意識して描くということは、本当にはわかっていませんでした。やはり絵を始めたと言えるのは、高校2年の石膏デッサンを木炭で始めた時からではないかと思います。

私はいつから絵を始めたの?と問われると、このデッサンを始めた時からと答えています。

でも高校の美術部で絵を描いた程度なら、まだ絵の道に入ったとは言えないかな?とも思います。
ただ県展に入選したということになると、今は完全に素人ではないと言えますね。
埼玉県展はそのくらいレベルが高いです。

将棋の場合、ある程度強くなったと言える時は、一応初段だと思います。
もちろん、アマチュアですが、アマチュアと言いながらも素人ではない強さです。
初段の力の将棋が常に指せたら、たいていの職場では一番強い人になるのではないでしょうか。
将棋クラブがあるような会社では、もっと強い人がいるでしょうが。

私は、県展はそのくらいの感覚でとらえて良いと思います。
県展に入選できるレベルは、将棋の初段以上の人だという感覚です。
お絵かき教室のレベルではないという感じですね。

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子どもの時に絵が上手でも下手でも、まだ、絵の道に入るほどのことではないから、
絵を習った内には、入らないということをお話しました。
そして、それを更に、発展させると、実は絵は何歳からでも良いのです。
将棋を指すのに、何歳から始めても良いのと同じように、絵も何歳からでも良いのです。

今私が教えているデッサン会の人たちは、県展なんて夢のまた夢と思っていた方たちですが、始めたばかりでどんどん入選を果たしています。あれを見ていると、絵は何歳からでも良いと思います。60歳以上の人ばかりですから。
























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父の絵 水彩20号 4

2011-05-03 | 父の絵
水彩画の20号 4点目です。



これは、児玉の小平の風景だと思います。
最近、デッサン会でも、第二日曜日に、小平で風景画を勉強しています。

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Uさんの県展制作 7

2011-05-03 | 絵画指導
Uさんが、体調を崩して、10日ぶりに制作を再開しました。

ですから、制作7日目です。



今日は、左側の背景を描いたり、右側の木の部分の暗い部分を大きく暗くしました。こげ茶とウルトラマリンと黒を混ぜたような色を使いました。
その上に枯れた蔦があるのですが、その下の暗さを描いておかないと、その枯れた蔦が描けません。

さあ、搬入まで後、12日です。体調が悪くならなければ、完成すると思いますが、どうなるでしょう。
まだ、気持ちが悪い日があるそうです。

細かい部分を描き込んで行くと、乾いた感じになることがあるので、時々、上から薄く色を被せて
潤いを持たせます。今日の暗くした部分は、それをしただけで、しっとり湿った感じがしてきました。

背景の風景は、このままではありません。その手前に枯れた木があるので、結構隠れます。
しかし、やはり、ここでも背景の部分をある程度描いてから、手前の木などを描き込みます。

また、下の地面の部分も描かなければならないので、これから草や石を描き込むことになります。
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