絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

県展指導を振り返って 3

2011-05-18 | 絵画指導
今年のテーマで、難しかったなあと思うのは、桜を描いたNさんです。

私は、素人でもプロと戦える絵にするには、テーマを選ぶ必要があるとお話しました。

しかし、段々と力がついてきたら、難しいテーマに挑戦するのも良いと思います。
今回のNさんのテーマは、過去二年間挑戦したものより難しかったようです。
特に、桜は難しいのです。みんながきれいねと思って観るものをそれ以上に素敵に見せるのは、かなり大変です。

ただ、Nさんが今年のテーマ探しで、見つけたものの中に、これ以上のものがなかったのです。過去二年は、ほとんど私が見つけたところを描かせたので、そろそろ自分で見つけさせたいと考えていたので、これは仕方のないことです。

実は別の場所も取材して、私はOKを出し、始めてもらいましたが、いい感じにならなかったので、別の場所を探したらどうかと言って、今回の絵になったのです。
しかも、この場所には、手前の大きな黒い木はありませんでした。
私が、ここに大きな木でもあれば絵になりますよと話したために、始まりました。

写真で見ると、なかなかよい感じです。

何が難しいのかなと考えると、空間の表現です。
私は、テーマ性のあるものと言うときに、何かに注目して、それをクローズアップしたものを考えます。だから、軒先にある物とか、物置の片隅とか、そういう場所に置いてある何かを描くようなことを考えます。
それは、単なる静物画ではなく、風景でもなく、外にありながら静物画的取り組みができるものです。そういう物が初心者には取り組みやすいと考えて、描かせています。

ある意味で、生活感のあるものということです。
単なる静物画は、下手をすると飾ったという感じが強く出ます。
ヘタに飾る物は、見ていていい感じがしません。

また、よくある花瓶に花では単純です。
構成が単純すぎて、頭を使ってないなあと思われます。

だから、そうならないように指導しています。
これも秘訣ですね。

Nさんの場合は一歩進んで、そのようなものとは、違うものに挑戦させました。それは、進むための第一歩かもしれません。

また、素人の方は、木や草を描くのも結構難しいようです。
自然を描くというのは、その辺の難しさがあります。

空気遠近法を意識して、前後関係を表現する力をつけること。
一つ一つの木の表現、草の表現ができるようにすること。

このことが必要でした。



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